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自社サイトリニューアルの知見を顧客に向けた最先端の提案に活用

株式会社電通デジタル

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創業

2016年

従業員数:2300 名(2022年12月時点)

所在地:東京都

https://www.dentsudigital.co.jp/

https://www.dentsudigital.co.jp/knowledge-charge

1.2倍

サイト来訪者が増加

1.2倍

オウンドメディアの更新頻度の向上

導入製品:

課題

クライアントの事業課題を解決し、人・企業・社会のあり方を変えていくことを目的にコーポレートサイトとオウンドメディアを一体化させて自社サイトをリニューアルしたい

クライアントへ提供するデジタルマーケティングの先例となるような自社実績を作り、対外ケイパビリティを強化したい

オウンドメディア『KNOWLEDGE CHARGE』の更新頻度を向上させ、サイト運営にかかるエンジニアの負荷を改善したい

成果

作業を内製化し、サイトの更新が専門知識を持たないスタッフだけで行うことが可能に

オウンドメディアの更新頻度が1.2倍に向上

エンジニアが不要になり、運用コストを削減

サイト来訪者が1.2倍に拡大

「妥協しないデザインを追求しながらも、コアコンポーネントを駆使することでコーポレートサイトをわずか5カ月で制作できました」

全社直轄領域 アカウントイノベーション部門 部門長 大松 正人氏

株式会社電通デジタルは、クライアントと共に新たな価値を創造し、最先端のデジタルマーケティングの知見を蓄積することを目標に、コーポレートサイトとオウンドメディアを一体化させる形で全面的に自社サイトをリニューアル。Adobe Experience Manager は、コンテンツ内製化による更新頻度の向上と運用コストの削減に大きな役割を果たしている。

自社サイトの見直しがクライアント提案の第一歩

株式会社電通デジタルは、2022年4月に新たなパーパスを発表した。全社直轄領域のアカウントイノベーション部門 部門長である大松 正人氏は、「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」というパーパスについて次のように説明する。

「新パーパスには、社会や生活者の行動様式が日々変化する現代において、我々が持つ強みである生活者目線とテクノロジー力を通じてクライアントの事業課題を解決し、プラスの価値を創造することで人・企業・社会のあり方を変えていきたいという想いが込められています。2022年の春にリニューアルした自社サイトは、この新たなパーパスを軸とした改革の一つでした。グローバルデジタルエージェンシーの電通アイソバー株式会社との合併(2021年7月)によるサービス拡充への対応、それがリニューアルを検討するきっかけになりました。リニューアルを行った真の狙いは大きく分けて二つあります。一つは、デジタルマーケティングにおける対外ケイパビリティの強化です。クライアントへ提供する最先端のデジタルマーケティングに説得力を持たせるため、まずは自分たちがBtoB企業としてあるべき姿を目指し、その開発プロセスも含め先例となるような自社実績を作ることにしました。もう一つの狙いは、サイトの運営負荷の軽減です。弊社のオウンドメディアである『KNOWLEDGE CHARGE』の更新頻度を向上させ、ビジネスやCX(カスタマー・エクスペリエンス) のあり方、その実現方法に関する知見とアイデアを発信するためには、サイト運営にかかるエンジニアの負荷を改善する必要がありました」

ブランドエクスペリエンスクリエイティブ部門 エクスペリエンスデザイン第3 事業部

常和 純子氏

全社直轄領域 アカウントイノベーション部門 部門長

大松 正人氏

ブランドエクスペリエンスクリエイティブ部門 エクスペリエンスデザイン第1 事業部

山梨 真麻氏

テクノロジートランスフォーメーション第2 部門 デジタルエクスペリエンスプラットフォーム事業部

小柳 麻実氏

Adobe Experience Manager Sitesコアコンポーネントの活用で時短と効率化を実現

今回のサイトリニューアルでは、コーポレート側がクライアントの立場で要件定義を行い、コンサルティングからアウトプットまでを担当する人材を全社横断で揃えた体制で2021年4月に開始。そして最も重要なポイントとなったのが、コンテンツ管理システム(CMS)であるAdobe Experience Manager Sitesのコアコンポーネントだけでサイト構築を行うという縛りを設けたことだ。フロントエンドエンジニアとしてWFコンポーネント設計・デザインシステム設計の監修、オフショアの成果物の品質管理を行なった、ブランドエクスペリエンスクリエイティブ部門 エクスペリエンスデザイン第3事業部の常和 純子氏はこう説明する。

「従来は、クライアント側の要望に応えオリジナルのコンポーネントを設計・開発する必要がありましたが、予算上限を超えることや、開発がひっ迫し品質が下がりデザインを妥協せざるを得ないケースもありました。そのため、コアコンポーネントだけを使うことでどこまでできるのか追求することは大きな意味を持ちます」

デザイン&フロントエンドチームを束ねたブランドエクスペリエンスクリエイティブ部門 エクスペリエンスデザイン第1事業部の山梨 真麻氏は、活用したAdobe Creative Cloudについて次のように説明する。

「XD、Illustrator、Photoshop、Lightroom、Creative Cloudライブラリをフル活用することで、デザインシステムの開発、WF設計、UIデザインから実装・品質管理までのスムーズなチームコラボレーションとデザイン開発と構築を実現することができました。特に、Creative Cloudライブラリ上のアドビのクラウドを使った素材の一括管理・共有ができた点や、XDのプラグインであるWhiteboardを使用しながら密に社内と社外含めコミュニケーションを取りながら共同作業ができた点が、効率的に作業を進められたポイントでした」

CMSに関する仕組みの構築を担当したテクノロジートランスフォーメーション第2部門 デジタルエクスペリエンスプラットフォーム事業部の小柳 麻実氏は当時についてこう振り返る。

「私たちのチームは、CMS の実際の運用方法を想定し、ワークフローやディレクトリ構造について入念に検討を行いシステムを構築しました。コアコンポーネントのみを前提とした今回の開発方法は、立ち上げ後の運用にも貢献しており、効率化に寄与していると感じています」

短期間でオウンドメディアの刷新・内製化を実現

同社はAdobe Creative CloudとAdobe Experience Cloudを駆使し、新サイトの制作におよそ5カ月、旧サイトからのデータ移行作業に2カ月という短期間での構築を実現。Adobe Experience Manager導入の最大の効果として大松氏が挙げるのは、オウンドメディア運用の内製化だ。現在、オウンドメディアのコンテンツ制作に必要な時間はほぼ半分に短縮し、更新頻度や問い合わせ件数は両方とも約1.2倍に増加しているという。

「サイト更新がノーコードで運用できるようになり、スライド資料を作成する感覚でコンテンツを制作できます。その結果、ビジネスサイドの細かな要求にも迅速に応えられるようになりました。フロントエンドエンジニアの手を煩わせることのない更新は、運用コストの削減や更新頻度の向上にもつながっています」(大松氏)

「短期間でデザインを妥協せずに進められたのは、クラウドベースでチームと素早く連携できたからです。また、先に行ったコーポレートサイトをAdobe Experience Managerの仕様に沿って設計していたことにより、オウンドメディアサイトでもコンポーネントの装飾を再定義するだけに留めることができ、結果的に、さらに短い約2カ月という短期間でデザイン・開発へ至ることができました」(山梨氏)

最先端のマーケティングプラットフォームを提案

直近では、自社サイトの多言語展開を順次進める予定だが、ここでも翻訳機能が統合されたAdobe Experience Managerを積極的に活用して省力化につなげていく考えだ。また、常和氏は今回の開発で得た経験を今後別プロジェクトに活かすことを検討している。

「デザイン&フロントエンドチーム内では今回の知見を活かし、『Adobe Experience Manager wireframe XD kit』を作成しました。コアコンポーネントのデザインパターンをワイヤーフレーム化することで、今後はより設計しやすく、効率的にデザイン・開発ができると考えています」(常和氏)

最後に大松氏は、「これまでAdobe Experience Managerは敷居が高いというイメージがありましたが、今回のリニューアルは、最先端でありながらコストを抑えたデジタルマーケティングプラットフォームの提案に資する体験になりました。現在はオウンドメディアと連携したCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)構築やBI開発、それらを用いたマーケ部門と営業部門との連携など運用面の仕組みを整えています。そうした自社マーケティング高度化から得た手触り感のある知見も用いながら、クライアントのあらゆるお困りごとに対して最適解を提供していきたいです」と話を締めくくった。

※掲載された情報は2023年1月現在のものです。

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