従来の2倍の制作量を8割程度のリソースで対応
「どこにいてもアクセスできるので安心かつ効率的です。実際、エンタープライズ版に移行してから、Creative Cloudの利用者は大幅に増えています」
相澤 里絵氏 経営管理部 社内情報システム専任部長
電通アイソバー株式会社は、デジタルマーケティングの領域で幅広い提案を行っているグローバルエージェンシーです。同社は、Adobe Creative Cloudエンタープライズ版を導入し、クリエイティブ業務におけるライセンス管理の効率化、そしてセキュリティの向上を実現しました。これは、業務効率が大幅に改善されたことと、クライアントとのコミュニケーションの質が向上したことによります。企業としての働き方改革に、Creative Cloudエンタープライズ版が大きく役に立った事例です。
Creative Cloudエンタープライズ版の導入で管理の効率化とセキュリティを確保
社内システムを管理する立場から経営管理部の相澤 里江氏は、Creative Cloudエンタープライズ版の導入が、管理コスト削減とセキュリティ強化に役立ったと語っています。「従来、アドビ製品のユーザーへの配布は申請から10営業日程度かかる処理でした。それがクラウドで管理するようになってからは2営業日以内に提供できています。また、シングルサインオンとの連携で、アカウントが他のサービスと統合的に管理されたため、個別にアカウントを管理していたときよりも、管理効率はもちろん、セキュリティも高まっています」
相澤氏いわく、クラウドサービスに対しては、リスク分析をして正しいルール下での活用を推奨する方が、一概に禁止するよりも、ビジネスの発展につながると考えているとのことです。
「結局、いろいろなところでデータのやりとりが発生します。Creative Cloudのように安全に運用できるクラウドに集約すれば、データ管理がシンプルになりますし、どこにいてもアクセスできるので安心かつ効率的です。実際、エンタープライズ版に移行してから、Creative Cloudの利用者は大幅に増えています」
「XDを使えば、デザイナーから共有されたデザインを手元のスマートフォンで確認できます。例えば外出先 にいても、送られてきたデザインを会議の合間などにレビューして、プロデューサーから必要な指示を送る という対応が可能です」
村田 秀明 氏 エクスペリエンス マーケティング5部 プロジェクト ディレクター
Adobe XDの共有機能で仕事の効率を大幅に改善
相澤氏によると、働き方改革の一環としてクラウド活用に取り組んだ結果、今ではクリエイティブ職にとどまらず、プランナーやディレクターなど、業務に携わる数多くのスタッフがXDのユーザーになっているそうです。その背景として、エクスペリエンス マーケティング5部の村田 秀明氏は、業務の隙間時間をうまく使える点を強調しています。
「一般的なプレゼンテーションソフトで画面仕様を制作していた頃は、外出先での確認が難しいため、会議が終わって夕方帰社するまでの間、制作現場が止まるという状況がごく普通に発生していました。ですが、XDを使えば、デザイナーから共有されたデザインを手元のスマートフォンで確認できます。例えば外出先にいても、送られてきたデザインを会議の合間などにレビューして、プロデューサーから必要な指示を送るという対応が可能です」
村田氏のケースでは、プレゼンテーションソフトで行っていた業務をXDに移行した結果、前年同時期の2倍の制作量を8割程度のリソースで対応。チーム全体の効率が大幅に向上したそうです。
「実際にスマホやPCで試すことで実感を持っていただけるため、会議が毎回本当に盛り上がって、より実践的なお話を伺えます」
八木 優 氏 エクスペリエンス マーケティング5部 UXストラテジスト/ UXプランナー
戦略段階から具体的な議論を可能にしたAdobe XD
エクスペリエンス マーケティング5部の八木 優氏は、提案業務の一部をXDに移行したプランナーの一人です。プロジェクト初期の戦略策定を主に担当しています。
「昔は、言葉だけでコンセプトの確認を済ませていて、詳細な画面ができた後から『イメージしていたものと違う』と言われることが多々ありました。今は、コンセプトを提示する段階から、XDで簡易的に具現化した画面をつくって、言葉と一緒に確認していただいています。提案内容を視覚化することで、改善の方向性が一目瞭然になり、手戻りの発生といった無駄が軽減できていると思います」
また、画面で見たことがきっかけで思わぬ情報が出てきたり、議論の内容が具体的になるといった効果もあると八木氏は話します。
「実際にスマホやPCで試すことで実感を持っていただけるため、会議が毎回本当に盛り上がって、より実践的なお話を伺えます。ニーズや課題をさらに引き出すことができて、温度感もつかめるので、次の会議には全く違う案を持っていくこともできますし、改善につながる提案ができているという実感を強く覚えます」
ユーザー中心の設計への移行の促進
クライアントとの会話の質が変わったことで、ワイヤーフレーム制作のワークフローも変化したと八木氏は話しています。
「XDは実践的な表現が可能です。コンテンツ設計の初期段階からデザイン的な視点を取り込むことにより、ワイヤーの設計意図とデザインの齟齬が減り、アウトプットの精度が向上できたと感じています。XDの普及により、ワイヤーフレームにも一目瞭然な伝達力が求められるようになれば、設計担当者にもデザイナーの素養が必須となっていくのではないでしょうか」
XDのプロトタイプ機能を使えば、サイトの下位ページから訪問したユーザーの状況を体験することができますが、その際、実機の画面上で見るためリアルさが違うと八木氏は指摘します。
「そのおかげで、サイトの全体像を知っている設計者の視点から設計しがちだったことに気がつきました。今は多くのユーザーが下のページから来ると分かっていたのに、サイト構造を知らない人には、次のアクションが分かりにくい設計になっていたのです。ユーザー視点からの設計が、まだまだできていなかったことに気づかせてくれたXDには感謝しています」
「扱う画像の数が多く、承認プロセスが複雑なために、アセット運用にかかるコストが問題になっていました。そこでアドビのアセット管理システムAdobe Experience Manager Assetsの導入による改善を提案しました」
川上 勉 氏 プラットフォームデベロップメント部 シニア プロジェクト マネジャー
クリエイティブとデジタルマーケティングの連携による業務改善支援
同社は、マーケティング事業で培ったノウハウを活かしてAdobe Experience Cloudの導入による業務改善支援も行っています。同社クライアントである株式会社ドームでは、膨大なデジタルアセット管理を効率化し、本来のクリエイティブ業務に専念できる新しいワークフローの確立が求められていました。プラットフォームデベロップメント部 川上勉氏は、このプロジェクトに参画し、Adobe Experience Managerの構築と運用を支援されています。
「株式会社ドーム様では、Eコマースサイト等で取り扱う数多くの商品画像を自社で制作されています。扱う画像の数が多く、承認プロセスが複雑なために、アセット運用にかかるコストが問題になっていました。そこでアドビのアセット管理システムAdobe Experience Manager Assets(以下、AEM Assets)の導入による改善を提案しました」
その結果、アセット検索や承認にかかる時間が大幅に短縮されたそうです。AEM AssetsとAdobe Creative Cloudエンタープライズ版を組み合わせれば、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorから直接AEM Assetsにアクセス可能になります。デジタルアセットのバージョン比較から承認プロセスまで一貫したワークフローを構築することができるため、更なる効率化のために今後の導入が検討されているそうです。
また、同社は、Adobe Experience Cloudソリューションの短期間・低コストの導入及び活用支援を実現する「Quick Win」シリーズを展開されています。クリエイティブとデジタルマーケティングの緊密な連携の重要性を理解されている同社ならではの今後の取組も期待されます。
※掲載された情報は2018年11月現在のものです。