課題
来店顧客の受注率改善
成果
後追いメールにより受注率が向上
Gulliverブランドで中古車買取販売実績No.1の株式会社IDOM
2016年7月に株式会社ガリバーインターナショナルから社名を変更し、次なる成長ステージへと大きな一歩を踏み出した株式会社IDOM。自動運転、電気自動車、カーシェアリングなど、クルマ業界全体に変革の嵐が吹き荒れる中、2020年を重要なターニングポイントだと捉え、グローバル展開や新規事業を積極的に仕掛けながら、様々な業務改革を推し進めている。
「中古車買取販売では、営業マンのスキルによって、売上に大きな影響が出てきます。新規出店にあたっては1店舗あたり最低6〜7人の営業マンを配置するため、採用・育成と同時に、営業活動自体の抜本的な改革も必要になってきます。そのために我々マーケティングチームは、営業をデジタルで支援するような体制を整えながら、イノベーティブな取り組みにチャレンジしているところです」と話すのは、Gulliverマーケティングチーム チームリーダーの中澤 伸也氏。
後追いのメルマガを始めた店舗の成約率が2倍に増加
Adobe Marketo Engageが活用されているのは、中澤氏とともにお話を伺った角田 純矢氏が所属するデジタルコミュニケーションセクションだ。マーケティングの中でも"歩留まりの改善を主なミッションとしている。通常、"歩留まり"とは製造業における生産性や効率性を示すが、同社では来店したお客様のうち受注に至った割合を指す。この数値が悪ければ、顧客の獲得単価を下げることができず、リーチを最大化できなくなるという負のスパイラルに陥ってしまう。Adobe Marketo Engageに求められたのは、まさにこの歩留まり率の改善であった。
今回、Adobe Marketo Engagを導入するにあたり、まず着手したのが、この後追い電話に加えて行うメールマーケティングだった。来店後から2週間にわたって、Adobe Marketo Engageを通じて後追いのステップメールを配信する。当然ながら、回数を重ねるごとに開封率は下がっていくものの、来店直後であれば50%に近い確率で読んでもらえることがわかった。この施策を始めたことにより、営業マンの後追いに対する意識も高まり、すでに"後追いメールの施策を始めている店舗と、そうではない店舗の間には、その後の受注率に約2倍もの開きが出る"という顕著な結果として表れているという。
商談後のお客様のモチベーションの推移が見えてきた
メールマガジンの効果は、受注率の向上だけにとどまらない。メールの反応を見ることによって、お客様の購買意欲の推移が浮き彫りになってきたのだ。
「メールマガジンで接点を持っていなかったときには、すでにどこかで買ってしまったのかもしれないし、購入をいったん諦めてしまったのかもしれないといったように、来店後のお客様がどのような状態にあるのか、知る術がありませんでした。しかしメールによって、開封やクリックといったリアクションを見られるようになったことで、一度できた接点を大事にしながら、お客様のモチベーションを測ることができるようになってきました」(中澤氏)
興味深いことに、一度反応がなくなったお客様でも1ヵ月後、2ヵ月後といったタイミングで、ふとメールを開封されることがあるのだという。こうした動きを分析することにより、来店した時点で「車検目前で購入の緊急度が高い人」「買うかどうか迷い始めたくらいの検討の初期段階の人」といったように、お客様をセグメントできるようにもなってきた。今後は、クラスタごとにメールの内容を変えてアプローチを変えていく予定だ。