Marketo Engageでドナーとの関係を深めながら、生涯寄付単価を引き上げていきたい
認定NPO法人かものはしプロジェクト
課題
メール配信の工数削減
成果
メール配信にかかる作業時間を1/3削減
開封率4倍
CTR2倍にアップ
Adobe Marketo Engageをきっかけに生まれた"ドナーのナーチャリング"という発想
認定NPO法人かものはしプロジェクト(以下、かものはし)は、"子どもが売られない世界"をつくるために、カンボジアやインドで活動を行なっている。2014年度の運営資金は1億5千万円を超えたが、その約半数は個人のサポーター会員による寄付が占めている。『ミッションに共感してくれた人から、少額でもサステイナブルに支援してもらいたい』という思いから、会員を集めることに力を入れてきた。
会員を集めるために最も効果を上げていたのは、かものはしのメンバーが登壇するイベントの来場者に対し、直接語りかけるという手法だったが、これだけでは、かものはしの活動に興味はありつつも、"会場に来れない遠方に住んでいる人"や"来場する時間のない人"といった潜在層を取りこぼしてしまうというジレンマを抱えていた。
「Adobe Marketo Engageの導入をきっかけに、ドナー(寄付者)を育てるというナーチャリングの発想を学ぶことができました」と語るのは、広報・ファンドレイジング担当マネージャーの小畠 瑞代氏。ドナーのニーズに合わせて、適切なタイミングでコミュニケーションを図りながら、ナーチャリングの取り組みを始めている。
メール配信にかかる作業時間を1/3削減、開封率4倍・CTR2倍にアップ
Adobe Marketo Engageの導入を提案したのは、当時かものはしでインターンをしていた小梁川 裕也氏だった。
年間約70回開催しているイベントの開催日時を伝えるリマインドメールや、イベント終了後に寄付のオファーを行うフォローメールの配信など、すべての参加者管理を手作業で行っていた小梁川氏がAdobe Marketo Engageの存在を知り、『これを使えば、煩雑な作業を自動化できるのではないか』と興味を持ったのが、きっかけだ。
「インターン生は大学の授業の合間を縫って作業を行っていたので、メールの内容にまで気が回らないどころか、日付を間違うなどオペレーショナルなミスもしょっちゅう発生していました。Adobe Marketo Engageなら複製もできるし、マスターを書き換えておけば間違えることもありません。メール配信にかかる作業時間が1/3も減ったのは、リソースが少ないNPOにとって、非常に助かっているところです」(小梁川氏)
作業時間が短縮できるようになった分、コンテンツの拡充にも着手できた。
「パーソナライズしたメールを送れるようになってから、開封率が最大89%、平均70〜80%に改善し、クリック率も2倍になりました。トータルで8倍もの効果が出ていることになります」と小畠氏は笑顔を見せる。
トリガーキャンペーンで寄付のモチベーションをあぶり出す
寄付という行為は、経済合理性のない異常行動だと考えられている。大学院でボランタリー経済論を研究してきた小畠氏でさえ、"なぜ人が寄付をするのか"を計り知ることはできていないのだという。
「寄付をマーケティングするのは非常に難しいものなのですが、Adobe Marketo Engageのトリガーキャンペーンを使うことで、相手がアクションをしている瞬間に、その行動に合わせたプッシュメールでコンタクトを取ることができるようになりました」(小畠氏)
今後は、Adobe Marketo Engageを活用した採用活動や、会員の生涯寄付単価の向上に向けた施策も強化したいと考えているという。
「お金がかからず、相手への負担も少ないコミュニケーションは、メールしかないと考えているので、これからも積極的にAdobe Marketo Engageを活用しながら、ミッションの達成に向けてファンドレイジングを加速していきたい」と小畠氏は決意を語った。