15倍にも増加したサポーターとのコミュニケーションを円滑化したカタリバの試みとは

認定NPO法人カタリバ

GROOVE X 株式会社

創立

2001年

本部:東京

www.katariba.net

作業時間を月間 78時間 削減

導入製品:

Adobe Marketo Engage

活用用途:

営業の業務効率化

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課題

コミュニケーション改善によるサポーター増加

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成果

入金処理からお礼メール送信までの作業にかかる時間を月間78時間削減

昨今、従来のボランティアからさらに一歩踏み込んで社会貢献の活動を進めるNPO法人の活躍の場が広がっています。今回は、そんなNPO法人の中でも、「生き抜く力を、子ども・若者へ」を基本理念に活動している教育系の認定NPO法人カタリバのAdobe Marketo Engage導入事例をご紹介します。

カタリバが2001年から行ってきたのが、将来の進路に不安や悩みを抱える高校生に対して、ボランティアの大学生や若手社会人を派遣して対話の場を届ける「カタリ場」プログラム。そして2011年の東日本大震災をきっかけに、被災地の仮設住宅等で暮らす子どもたちに放課後の居場所と学習機会を提供する「コラボ・スクール」をスタート。さらには貧困世帯で暮らす子どもたちへの教育支援や不登校支援などへと事業内容を拡大させてきました。

寄付者の熱い思いにタイミングよく応える

そうした活動を支える収入の中でも大きなウェイトを占めるのが、寄付をはじめとするファンドレイジングです。特に、毎月1000円から、定期的に寄付してくれる個人の方々="サポーター"が欠かせない存在となっています。

東日本大震災以降、活動を拡大するに伴い、より多くの資金が必要となったためサポーターの募集に注力した結果、2010年には200人程度だったサポーターが2016年には3000人近くへと15倍にも増えたそうです。一方で、こうした寄付者とのコミュニケーションを担当するスタッフは団体内に1、2人しか配置できず業務オーバーが生じがちだったそうです。広報・ファンドレイジング部の川井 綾氏は当時をこう振り返ります。

「毎年12月は、寄付や募金の機運が高まるシーズンです。2015年にはキャンペーンを行ったこともあって非常に多くの方が寄付をしてくださったのですが、その対応を手作業で行っていたため対応が追いつかず、半数近くの方へのお礼の対応が1ヵ月近く遅れてしまったのです」

事業収入は年々増えてはいるものの、予算はできるだけ現場のプロジェクトに割り振りたい。しかし一方で、サポーターによる寄付金も増やして活動を支える収入を確保しなければいけない――カタリバはそんなジレンマに直面していたのです。

そうした中で、マルケト社の稲垣亮太氏からの紹介で、2015年12月にAdobe Marketo Engage導入へと踏み切ります。お客様事例でも以前紹介した「認定NPO法人かものはしプロジェクト」でインターンをしながらAdobe Marketo Engage導入を担当した小梁川 裕也氏が導入サポートを行いました。

それまでカタリバではSalesforceで寄付者の情報管理を行っており、入金があった際には、そこから情報を引き出し、手作業でテンプレートなどを組み合わせてお礼メールを送っていました。Adobe Marketo Engageの導入によって、一人ひとりの寄付者に合わせたお礼メールを自動的に送ることができるようになり、入金処理からお礼メール送信までの一連の作業にかかる時間を月当たり78時間も削減することができました。さらに、メルマガやイベント案内メールについても、寄付者の状況に合わせて自動的に細かく出し分けることができるようになりました。

「寄付をしてくださる方は皆さん熱いお気持ちがあって、寄付した瞬間というのもある意味気持ちの高まりがあるのだと思います。そうしたタイミングを逃さずに、しっかりお礼のメールを送れることはとても重要です。また、寄付してくださったお金でどのような事業を行っているかをメルマガなどで的確に可視化・配信できていることも満足度向上につながっていると思います」と川井氏は語ります。

ツールありきではなく、何を実現したいかを明確に

カタリバがAdobe Marketo Engage導入で成功した大きな要因は、ツールありきではなく、マーケティングオートメーションを使って何を実現したいかが明確だったことです。導入前の時点ですでに、現状の課題とともに目的と内容が整理され、Adobe Marketo Engageで何を実現したいかがKPIやトリガーまで含めて一覧化されていました。「課題の整理から始まることが多い中で、その一覧表を見せてもらった時に『ここなら絶対にうまくいく!』と確信しました」と導入を支援した小梁川氏も語ります。

そしてもう一つ大事なポイントは、限られた人員でまず何をすべきか、"選択"と"集中"が徹底されていたことです。最優先だったのは、毎月定額の寄付をしてくれるサポーターとのコミュニケーションを密に行い、手続きをスムーズに完了いただいたり、退会率を抑えること。さらに、一度だけ寄付してくれた方へのステップメールを導入することで、サポーターへと引き上げる施策も行っています。

「現状ではまだまだ使い切れていない機能も多いのですが、将来的にはweb閲覧などを糸口にしたナーチャリングや、web広告を通じたリターゲティングにも力を入れていきたい」と語る川井氏。今年度はサポーターを2,000人増やすことを目標に掲げているそうですが、その実現に向けてAdobe Marketo Engageがさらに役立つことになりそうです。

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https://main--bacom--adobecom.hlx.page/jp/fragments/customer-success-stories/cards/d1097f1905b08be881180faf4ddaf80d



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