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大規模なスタートアップの運営
Kyndryl、Adobe Experience Cloudにより新しいマーケティングテクノロジースタックをゼロから展開
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2カ月
新規事業のためのサイトのローンチ
目標
IBMからスピンオフした後、ゼロから新しいマーケティングテクノロジースタックを構築したい
4,000社に及ぶ既存顧客をサポートするために、グローバル市場での存在感を維持したい
長いセールスサイクルを通じて顧客を育成するためのマーケティングおよびテクノロジー戦略を策定したい
コンテンツの制作と管理のための統合ワークフローにより、コンテンツサプライチェーンを改善したい
成果
柔軟なクラウド展開により、8週間で新しいwebサイト をローンチ
すぐに利用できるテンプレートとコンポーネントを活用して、14のグローバル市場でwebサイト を展開
開発者が1日以上を要していたページ構築プロセスを、マーケターによる 1時間未満 の作業に短縮
データと分析を活用して、webサイトとマーケティング全体にまたがる パーソナライゼーションの基盤 を構築
新興企業が、グローバル市場での存在感と年間190億ドルもの収益を当初から確保している事例は少数です。2021年にIBMからインフラサービス事業のスピンオフとしてスタートしたKyndrylのは場合は異例でした。同社はフォーチュン100社のうちの75社を含む、4,000社に及ぶ世界中の顧客を対象に、大規模なITシステムの設計、構築、管理に重点的に取り組んでいます。
「当社は、大規模なスタートアップ企業であると自負しています。IBMから多くのシステムを引き継ぎましたが、マーケティングテクノロジーを最初から構築する機会にも恵まれました。これは本当にユニークなことで、キャリアの中で一度あるかないかの機会です。私たちは白紙の状態からスタートしたのです」と、Kyndrylのトランスフォーメーション&オペレーション担当バイスプレジデントのMatt Stryker氏は述べています。
トランスフォーメーション&オペレーション担当のAkesh Bhalla氏は、Kyndryl 独自の新しいデジタル戦略の策定を主導しました。IBMのシステムは、複雑で多様なビジネスをサポートする必要があります。一方、Kyndrylは、大企業向けのインフラサービスという一点に絞った事業を展開しています。
「当社は、顧客のビジネスにより深く関わっているため、マーケティングに対する考え方も大きく異なります。IBMから独立した後は、当社の顧客との関係を効果的に構築し、顧客の成長のために必要なデータ、分析結果、デジタルツールを配信するシステムを構築する機会を得ました」とBhalla氏は述べています。
Bhalla氏とStryker氏は、新しいマーケティングテクノロジープラットフォームを構築できる可能性に興奮しながらも、190億ドル規模の企業を支え、世界中の顧客に対する通常業務を継続しなければなりませんでした。同社は、新しいwebサイトや、様々なチャネルにまたがり配信されるアカウントベースのマーケティングキャンペーンなどにおける、あらゆるデジタル目標をサポートできる新しいマーケティングテクノロジースタックへの移行を急ぐ必要がありました。
「IBMはすでにマーケティングテクノロジーソリューションを評価し、理想的なアプリケーションセットとしてAdobe Experience Cloudを選出していました。当社の優先事項を検討したところ、スピードと拡張性の可能性が最優先事項として挙げられました。Adobe Experience Cloudは、当社にとっても最良の選択でした。アドビは当初から当社にとって真のパートナーであり、新しいマーケティングテクノロジースタックへの移行を迅速に支援してくれました」ととStryker氏は述べています。
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「新しいwebサイトをできるだけ早く公開するために、スピードと拡張性を必要としていた当社は、Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceを導入することを選びました」
Akesh Bhalla氏
Kyndryl、トランスフォーメーション&オペレーション担当バイスプレジデント
ゼロからの構築
Bhalla氏とStryker氏は、新しいビジネスに関する様々なインフラストラクチャが固まってから新しいwebサイトの展開方法を決めるのではなく、アドビのクラウドベースのソリューションで迅速に作業を進めることを選びました。アドビのサポートを得て、Kyndrylはわずか8週間でAdobe Experience Manager Sitesによりwebサイトをローンチしました。
「新しいwebサイトをできるだけ早く公開するために、スピードと拡張性を必要としていた当社は、Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceを導入することを選びました。それにより、インフラのセットアップや更新の管理について心配する必要がなくなりました。すべてが管理されているため、デジタルプレゼンスの拡大に集中することができます」とBhalla氏は述べています。
単一のコンテンツ管理システムを導入することで、同社は、数十カ国、数十言語にわたって一貫したエクスペリエンスを提供することが可能になりました。米国のwebサイトは、最初89ページで公開され、その大半は技術的知識のないマーケティングスタッフによって10日未満で制作されました。それ以来、メインサイトのページ数は、ほぼ2倍に増加しました。同社は、マルチサイトマネージャーのライブコピー機能を活用して、14カ国のサイトにページを複製し、Adobe Experience Managerのネイティブ翻訳ワークフローを活用して、コンテンツを7言語に翻訳しています。また、27の戦略的市場向けにホスティング、翻訳、小規模webフットプリントの維持も行っており、合計で41カ国、25言語にリーチしています。
カスタムコンポーネント、テンプレート、コンテンツフラグメントなどを活用することで、技術的知識のないコンテンツ作成者でも、従来は開発者が1日以上を要していたページ制作を1時間未満で完了できるようになりました。広報部門は、ダイナミックニュースルーム機能を活用することで、マーケティング部門や開発部門の関与なしに200件以上のプレスリリースや記事を作成し、公開しています。これにより、顧客は、業界やトピックを問わず、常に新鮮で関連性の高いコンテンツを受け取ることがきるようになりました。
Adobe Experience Manager Assetsは、あらゆるデジタルチャネル向けのグローバルなデジタルアセット管理(DAM)プラットフォームとして機能します。Adobe SenseiのAI機能により可能になった画像や動画の自動タグ付けやトリミング機能を活用することで、時間のかかるアセット管理作業を軽減できます。また、Dynamic Mediaは、クロスチャネル配信用のアセットのバリエーション制作を拡大する上で、Kyndrylのマーケターを支援します。つまり、webサイト上の記事用に制作された画像などを、電子メールキャンペーンやコンテンツをプロモーションするソーシャルメディア投稿で、自動的に利用できるようになります。マーケターは、検索機能を活用してアセットを簡単に見つけ出し、それを新しいキャンペーンの出発点として世界中で利用できるようになります。
「Adobe Experience Managerを導入したことで、データと分析を通じて新たな優先事項に注力できるようになりました。Adobe Analyticsにより、顧客や顧客のニーズに関するインサイトをリアルタイムで得ることができます。マーケティングテクノロジースタックは、変化する優先事項に合わせて進化させる必要があります。Adobe Experience Cloudの統合されたアプリにより、まさにそれを実現できます」とBhalla氏は述べています。
「Adobe Marketo Engageによって、増加する連絡先の間の関係を把握し、ナーチャリングキャンペーンを通じて関係を構築することができます」
Akesh Bhalla氏
Kyndryl、トランスフォーメーション&オペレーション担当バイスプレジデント
アカウントへのリーチ
Bhalla氏は、優れたマーケティングとは、顧客に素晴らしい体験を提供することと、マーケターの仕事をより迅速かつ効率的に行うためのソリューションを構築することの両方を実現することだと考えています。Adobe Marketo Engageは、長いセールスサイクルを通じて、様々な顧客接点を統合し、アカウントベースドマーケティングを加速するオートメーション機能を提供します。
「当社のビジネスの大きな基盤となっているのは、アカウントベースドマーケティングです。Adobe Marketo Engageによって、増加する連絡先の間の関係を把握し、ナーチャリングキャンペーンを通じて関係を構築することができます」とBhalla氏は述べています。
Kyndrylのマーケティング部門は、CRMと統合されたアカウントベースドマーケティングを活用することで、ターゲットリストを作成し、セグメントに基づいてパーソナライズされたコンテンツを配信し、顧客エンゲージメントを追跡し、顧客への直接アプローチの準備ができた時点で営業担当者に通知することができます。
Kyndrylの次のステップは、Adobe Workfrontによるプロセスの合理化です。「私たちは現在、マーケティングプロセスをすべてWorkfrontに統合しています。これは、すべてのマーケターが仕事を完結できるワンストップソリューションであり、当社の推進力を生み出すものの1つです」とStryker氏は述べています。
この作業管理ソリューションは、クリエイティブアセットのリクエストからアセットの保存と使用の管理まで、プロジェクトのあらゆるタスクの割り当てを一元管理でき、従来の電子メール、スプレッドシート、連携していないカスタムツールなどに取って代わるものです。デザイナーは、Adobe Creative Cloudとのシームレスな統合により、クリエイティブアプリケーション内から、タスクの確認、関係者との共同作業、作業時間の記録などを行うことができます。また、Adobe WorkfrontとAdobe Experience Manager Assetsのネイティブ統合により、承認済みのアセットとプロジェクトのメタデータが自動的にDAMにアップロードされ、アクティベートされます。
コンテンツ制作の管理機能は、Kyndrylにおけるパーソナライゼーションの強化において、特にAdobe Targetによるwebサイトへのダイナミックコンテンツの追加や、異なるオーディエンス向けにカスタマイズされた電子メールの作成などにおいて重要な役割を果たします。「当社のパーソナライゼーションはまだ初期段階にありますが、Adobe Targetを当社のデジタルマーケティングスタックに統合できることで、パーソナライゼーションの規模をより迅速に拡大し、顧客や見込み顧客との関係をより緊密に築くことできます」とStryker氏は述べています。
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「アドビをパートナーとして選ぶことは、世界中の企業の基幹業務を支える当社の業務の規模と重要性を考えると当然のことです」
Matt Stryker氏
Kyndryl、トランスフォーメーション&オペレーション担当バイスプレジデント
強力なパートナーシップで強力な企業へ
デジタル基盤が整ったことで、Kyndrylはデータを活用して関係性、評判、売上を向上させるマーケティングに注力することができます。アドビのアプリケーションは、同社が戦略を拡大し成熟させていく中で、継続的な成長をサポートします。
「戦略的パートナーシップは、強固な企業を築く上で極めて重要であると確信しています。アドビをパートナーとして選ぶことは、世界中の企業の基幹業務を支える当社の業務の規模と重要性を考えると当然のことです」とStryker氏は述べています。