「スポーツの世界では、ビジュアルストーリーテリングを重視していない人もいます。しかし、私にとっては最も重要なことです」と、同氏は述べています。「私たちは、予測不可能なコンテンツを扱っています。試合をコントロールすることはできませんが、LA Ramsで起きているあらゆる出来事を共有することで、ファンがもっとつながりを感じられるようなストーリーを生み出すことはできます」
フィールド上の選手たちと同様に、同チームの動画部門はスピードの向上を目指しています。ファンは、試合のハイライトや試合直後のインタビューを閲覧したいと考えています。また、オフシーズン中にチームに対するファンの愛着を維持するために、インサイトに満ちたコンテンツを提供することも求められます。動画部門は、Adobe Creative Cloudのアプリ、特にAdobe Premiere ProとFrame.ioに基づいた動画ワークフローを使用して、ファンが喜ぶコンテンツを編集、レビュー、配信しています。
「アメフトのような、大規模で注目度の高い市場で求められるあらゆるコンテンツを制作するのは、簡単なことではありません。そのため、私たちは効率性の向上に努めています」と、同氏は述べています。「Premiere ProとFrame.ioがなければ、業務を遂行することはできなかったでしょう。アドビのワークフローは、コンテンツの制作からレビュー、配信に至るまで、あらゆる作業を高速化するのに役立ちます」
動画のレビューを10倍高速化
LA Ramsの動画部門は、同チームの動画コンテンツの約70%を社内で制作しています。オフシーズンは、「Behind the Grind」などのコンテンツ制作に取り組んでいます。同コンテンツは、毎回1人の選手を特集する8分間のドキュメンタリーシリーズです。一方、シーズン中は、編集者がハイライト、分析、インタビュー、ハイプ動画、スタジアム、TV、ソーシャルメディアで使用するその他のコンテンツを含む、膨大な動画を制作しています。同チームは通常、1試合あたり約1,200件のアセットを取り込みますが、その数は大きく変動する場合があります。例えば、2022年のシーズン開幕戦では、約3,800件の動画アセットを使用しました。
動画部門は、TVで放映される試合のフッテージから、インタビュー、サイドラインからスマートフォンで撮影された動画に至るまで、あらゆるクリップを同じ編集タイムラインにドロップできます。編集者は、Adobe After Effectsを使用して作成されたモーショングラフィックステンプレート(MOGRT)を使用して、動画のトランジション、タイトル、スコア、ローワーサード、その他の情報を追加およびカスタマイズします。試合当日の動画は、賑やかなスタジアムや混雑したロッカールームなど、理想的とは言えない状況で撮影されることが多いため、編集者はAdobe Auditionを使用してオーディオのクリーンアップも行います。
同チームにとって最も時間の節約になるのは、Frame.ioを使用して動画のレビューを迅速化および効率化することです。一般的な試合の動画の場合、6~10人の担当者がレビューを行います。注目度の高い動画やパートナーコンテンツの場合は、さらに多くの担当者がレビューを行うこともあります。