お金のデザインがMarketo Engageに乗り換えた5つの理由
株式会社お金のデザイン
課題
マーケティングオートメーション強化
成果
郵便物の受け取り率が97%に
スマートフォンから5つの質問に答えるだけで、誰でも10万円から資産運用が始められる「THEO(テオ)」。このサービスを提供する 株式会社お金のデザインのAdobe Marketo Engage導入事例をご紹介します。
独自開発のロボアドバイザーにより、これまで世界の富豪がプライベートバンクで行っていたような資産運用が誰でも手軽に始められるということで、資産運用未経験の20〜40代の若い世代から人気を博していると言います。
そんな最先端のFintechビジネスに挑むお金のデザインは、2013年8月に創業したスタートアップ。成長真っ只中の同社では、Adobe Marketo Engageをどのように捉え、活用されているのでしょうか。カスタマー エクスペリエンス デザイナーの森山 裕之氏とシニア コミュニケーション マネージャーの藤本 あゆみ氏にお話を伺いました。
Adobe Marketo Engageにあって他のMAにはなかった5つのもの
Adobe Marketo Engageを主に活用されているのは、カスタマーサポートをメインで行っている森山氏です。お客様からのお問い合わせだけでなく、電話やメール、郵便物など、お客様との接点となるものはすべて森山氏がリードされており、カスタマーエクスペリエンスを総合的に設計しているそうです。
実は同社では、Adobe Marketo Engageを導入する前に、2015年の12月から他のマーケティングオートメーション(MA)をすでに導入されていました。一括メールを配信したり、必要なタイミングでお客様に告知をしたり。「お客様の状況やタイミングに合わせて様々な条件でメールを出し分けて自動化しておかないと、事業がスケールした時に、ひたすら人員を割かなければいけなくなると懸念していました」と森山氏は話します。
そこから2016年9月にAdobe Marketo Engageへ乗り換えるに至った理由を伺ったところ、次の5つのポイントを挙げていただきました。
1. 自動化の条件を細かく設定できなかった
「他のMAでは、『あるステータスになった後の最初の土曜日の朝10時にメールを送る』といった条件と曜日が組み合わさった指定ができないなど、細かいところで"これができたらいいのにな"ということが思い通りにできなかったんですよね」(森山氏)
2. メールアドレスが同じだと勝手に名寄せされてしまう
お金のデザインでは、THEOだけでなく、もう一つ別のサービスを提供されています。他のMAでは両方のサービスに同じメールアドレスが登録されていた場合、勝手に名寄せされてしまい、それぞれのサービスによってコミュニケーションを分けることができなくなってしまったのだそう。「一部のお客様に、本来届けるべきメッセージが届かないのは、ありえない。どうにか解決したいと思っていたら、Adobe Marketo Engageだと簡単にできてしまいました」(森山氏)
3. 習熟までに時間がかかりすぎた
「忙しい中で時間をかけて一人でやろうとしても、なかなか使いこなすことはできませんでした。他のMAで経験があったことを鑑みても、習熟にかかったスピードはAdobe Marketo Engageのほうが圧倒的に早かったです。3ヵ月間コンサルに入っていただき、『お客様がメールをよく開く時間帯を顧客ごとにとらえるにはどうしたらできますか?』などと自分たちの実現したい機能を実践しながら教えてもらったり、『顧客の属性や見込度合いに応じて文面をカスタマイズすることもできます』といったより高いレベルの活用例の提案をしていただけて、非常に理解が早く進みました」(森山氏)
4. 国内スタートアップの導入実績
「私はAdobe Marketo Engageの導入事例でも紹介されている企業にも友人がいるので、簡単に情報交換することもできます。Adobe Marketo Engageは自分たちに近しい先進的な企業が多く導入しているので、非常に大きな安心材料になりました」(森山氏)
5. 熱量のあるコミュニティ
「Adobe Marketo Engageはコミュニティの熱量がすごいですよね。同じような悩みを持った人たちが使いこなそうと切磋琢磨していて。JMUGコミュニティ(Japan Marketo User Groupコミュニティサイトやユーザー会)でもいろんなアイデアが飛び交っているので、とても勉強になって面白いです」(森山氏)
ちなみに森山氏はSalesforceの構築と運用の管理者もされているので、乗り換えはとてもスムーズにできたのだとか。
広報を務める藤本氏は乗り換えについて振り返り、「私は前職でもAdobe Marketo Engageを使っているお客様をたくさん見てきたので、デジタルマーケティングの観点からAdobe Marketo Engageに乗り換えようという話をしたのですが、もし私がスイッチング担当だったら、相当時間がかかっていたと思います。Salesforceの繋ぎこみを誰がどう担当するかは、乗り換えにおいてすごく重要なポイントだと感じました」と語りました。
Adobe Marketo Engage導入後3ヵ月で感じる成果と今後の活用について
<成果>
郵便物の受け取り率が97%に
THEOのサービスを申し込むと、口座開設に必要な書類が簡易書留で郵送されます。その際、お客様が不在で受け取れなかった場合、郵便局に連絡して受け取ってもらわなければなりません。Adobe Marketo Engage導入以前は、そのまま受け取ってもらえずに返送されてくるケースが多々あったものの、Adobe Marketo Engageを活用してリマインドのステップメールを配信するようにした結果、受け取り率を97%まで高めることができたそうです。
「郵便物の受け取りができないがために申し込みフローがストップしてしまうのは、お客様にとってもフラストレーションがたまることだし、我々にとっても再送コストが発生してしまい、とにかく無駄でしかありませんでした。こうしたコミュニケーションのタイミングは、お客様からの問い合わせ状況やデータを見つつ、メンバーと話し合いながら、日々調整しています」(森山氏)
ニュースレターを毎週配信できるようになった
ニュースレターは、Adobe Marketo Engage導入以前は月に数回と不定期で、CSVで抽出したリストに対して一斉に配信することしかできていなかったそうですが、今は森山氏が条件だけを設定しておけば、藤本氏がコンテンツを更新して送れるようになったのだそう。
「非常に工数が少なく回るようになりましたし、スピードも格段に上がりました。私たちは過去にいろんな企業で経験を積んできた人が集まっているので、"人が価値を発揮して解決できること"と、"仕組み化することで効率的かつ効果的に改善できること"の違いがわかっています。テクノロジーで解決できることは、どんどん仕組み化していきたいですね」(藤本氏)
<今後の活用>
今回MAの乗り換えにあたって重視したのは、"5年後、10年後を見据えて使い続けられるか"という点だった、と森山氏は話します。
「メール配信するだけならもっと安いMAはありますが、長期的な視点でお客様が100万人規模になったときでも活用し続けられるものを探していました。暫定的なツールを導入しても、後から面倒なことになるのは目に見えている。カスタマーサポートに入るお問い合わせの7〜8割は単純なQ&Aなので、テクノロジーの力を最大限活用し人がやるべき仕事にだけ時間を使えるようにしておきたいです」(森山氏)
同社では、Salesforceに加えSansanも繋いでいるため、今後は名刺でご挨拶した方に翌日御礼メールを送るといった営業面での活用もしていきたいのだそう。
「あとはお客様と継続的な接点を増やすために、メールだけでなくGoogle AdWordsやFacebook広告との連携も実施していきたいですね。限られた予算の中で最大の成果を出すには、段階や頻度を変えた適切なコミュニケーションが重要だと考えています」(藤本氏)
テクノロジーと金融工学を掛け合わせたサービスを展開するお金のデザインならではの、合理的かつ論理的な視点をお聞かせいただきました。