
B2CコマースとB2Bコマースの融合
Neverfail、Adobe Commerce(旧名称:Magento Commerce)を導入し、B2BとB2Cの両方の顧客に対応するweb ストアを構築する

売り上げが倍増
ローンチ以降3ヶ月ごとに
使用製品:
目標
時代後れでわかりにくいwebサイトを刷新したい
オンラインで顧客を獲得および維持できるようになりたい
Neverfailのeコマース事業を再構築したい
オンラインのセルフサービス型の基盤を開発したい
成果
70,000以上 のB2B顧客とB2C顧客を獲得
ローンチから3ヶ月ごとにwebサイトの 売り上げが倍増
サブスクリプションによる売上が、オンライン売上の**50%**を占めるまでに成長
「Adobe Commerceは、様々なテクノロジーやビジネスの課題を解決に導きました。そのおかげで、新サイトのローンチは大成功し、あらゆる目標を達成することができました。自社のビジネスの将来を考えると胸が躍ります」とCrivelli⽒は述べています。
Nicole Crivelli氏 Coca-Cola Amatil、国際デジタルマーケティングおよびeコマース担当マネージャー
画期的なデジタル変革
Neverfail Spring Waterは、オーストラリアにおけるサクセスストーリーのひとつとして語られています。1987年、Harry Hilliamというニューサウスウェールズ州の起業家とその家族によって、このビジネスは誕生しました。ホークスベリー川沿いで暮らしていた一家は、敷地内にある天然の湧き水を、「どれほど乾燥しても水が涸れることがない」ことから、「Neverfail」と呼んでいました。当時は、ボトルウォーターを顧客に直接大量販売するところはなく、Harryはトラックの荷台に積んで水の販売を始めました。2003年、NeverfailはCoca-Cola Amatil(Amatil)に買収され、現在は、「オーストラリアのスプリングウォーターサーバーのNo.1ブランド」になっています。
Amatilは、アジア太平洋地域で最大規模の清涼飲料水メーカーです。いつでも、どこでも、あらゆる人をリフレッシュさせることを使命としています。同社のポートフォリオには、代表的な4つのCoca-Cola製品に加え、Sprite、Fanta、Lift、Mount Franklin、Pump、Powerade、Barista Bros、Grinders Coffee、SimpliciTeaを擁し、さらにMonsterおよびMotherと販売契約も結んでいます。
現在、Neverfailは70,000人以上の顧客と、130の独立経営の地元代理店を抱えています。主力商品は15リットルまたは11リットルのリターナブルボトルに詰めた天然水で、オーストラリア全土の家庭や企業で使用されるウォーターサーバーのレンタルサービスもおこなっています。また、浄水フィルターやワンウェイ方式のウォーターボトルなど、その他にも多数の製品やサービスを提供しています。
しかし2015年、売り上げの低迷に加え、Amatilからの広範な支援や投資が不足し、Neverfailのビジネスは岐路に立たされていました。Amatilでは、Neverfailを売却すべきか、それともさらなる投資をすべきか、包括的に検討した結果、思い切った決断が下されました。Neverfailのビジネスのあらゆる側面を変革して改善することを目標に掲げ、新しいリーダーシップチームの設立を含む、Neverfailビジネスの刷新と追加投資をおこなうことにしたのです。デジタル分野では、同社のeコマースサイトは時代後れでわかりづらく、オンライン売上も低迷していました。そのため、オンラインで顧客を獲得し、維持することが急務となっていました。
Amatilの国際デジタルマーケティングおよびeコマース担当マネージャーであるNicole Crivelli氏は、アドビのカンファレンスで、Coca-ColaにおけるAdobe Commerceの導入事例を視聴し、Amatilの広範なビジネスから独立して運営されているNeverfailのビジネスには、Adobe Commerceが最適であると気がつきました。そこで、エンタープライズソリューションプロバイダーのeWaveとともに、チームはNeverfailのeコマース事業を再構築するミッションに乗り出したのです。
単一の基盤でふたつの異なる体験を創出
2016年、Neverfailはデジタル変革の最初のフェーズに取り組みました。従来のwebサイトを更新してカスタマージャーニーを改善するとともに、一連のオンライン調査を通じて顧客のフィードバックを収集できるようにしたのです。チームは、カスタマーサービスや顧客体験、配送、コールセンターのサポート、製品の種類などについて、10万件以上のデータを収集しました。その結果、全体的な顧客体験を向上させる鍵のひとつが、オンライン体験の改善と簡素化であることが明らかになりました。また、オンラインでセルフサービス型の基盤を提供するためには、顧客企業の可視性を高める必要がありました。
新しいサイトでは、B2C(一般家庭)とB2B(企業)の両方の顧客に対応し、それぞれのセグメントに固有の要件に合わせた体験を提供しています。現在、顧客は、注文や配送をオンラインで管理することも、商品の種類や配送頻度を選択して定期購入することもできます。また、定期購入自体や(定期購入している)個々の商品の配送を一定期間停止することもできます。これにより、注文や継続的な注文管理プロセスを、よりスムーズに進めることが可能になりました。また、カスタムメイドの水量計算機により、顧客企業は自社の規模に応じて算出された量の商品を受け取ることができます。
また、B2Bの顧客は、複数の拠点やグループ化された拠点の管理、様々なユーザーの役割や権限の割り当てといった、幅広いオンラインアカウント管理機能を利用できます。例えば、調達担当マネージャーは、特定の拠点の管理者に異なるユーザー役割を割り当てることで、拠点ごとに適切な商品、配送スケジュール、価格を提示することが可能です。価格は、ログイン前は郵便番号によって地域別に表示され、ログイン後はユーザー情報にもとづいて表示されます。また、カタログや製品は地域ごとに整理されています。これは、西オーストラリア州で販売されている製品がクイーンズランド州で販売されている製品とは異なる可能性があるなど、地域差を考慮しているからです。
さらに、管理者はひとつのアカウントで複数の拠点の状況を確認し、管理できるため、購入の承認や支出の追跡、ひとつの事業が擁する複数オフィスの管理が可能です。これは、Neverfailが市場シェアを拡大し、売り上げを増加させていくうえで、重要な競争力となっています。
顧客からのフィードバックにより、支払い方法としてPayPalがよく使用されていることが明らかになりました。そこで、同社は決済処理にBraintreeを組み込んで、スムーズで安全なチェックアウトを実現しました。顧客は、クレジットカード、デビットカード、EFT(電子口座決済)、BPAY(オーストラリアで人気の請求書支払いサービス)でも支払うことができます。また、外部の請求書にも対応しています。
「Adobe Commerceは、様々なテクノロジーやビジネスの課題を解決に導きました。新サイトのローンチは大成功し、あらゆる目標を達成することができました。自社のビジネスの将来を考えると胸が躍ります」
全面的に最適化された体験
Adobe Commerceを利用したeコマース基盤は、Neverfailの70,000人に及ぶB2BとB2Cの幅広い顧客を対象に、2018年4月にローンチしました。定期購入や単発購入の提供、また重要顧客や大口顧客のオンラインアカウント管理が可能な基盤は、すぐに同社の重要な競争力となりました。
また、オンラインでのアクセスやアカウント管理に対して、より詳細に制御したいという顧客のニーズを認識し、デジタル変革によって顧客サービスのインタラクションを刷新して、コールセンターの価値を高めることに成功しました。高度なコールセンター機能とカスタムメイドのFEアプリケーションにより、コールセンターチームは顧客のアカウントを管理し、顧客が見ているものを自分自身の画面で確認できるようになりました。現在、同社のB2B顧客の半数以上がセルフサービス型の基盤を利用し、時間と経費の節約を実現しています。
同社のwebストアは、B2CとB2Bのeコマースを完全に融合させています。企業の顧客に対しては、規模の大小にかかわらず、シンプルで完全なエンドツーエンドのソリューションを提供し、ユーザーがアカウント作成や注文、複数の拠点での請求書支払いなどを完全に自主管理できるようにしています。一方、B2Cの顧客は、少量ずつの個別購入を簡単におこなうことが可能です。その結果、企業と一般家庭の両方の顧客に、完全に最適化されたクロスデバイスのコマース体験を提供できるようになりました。