カスタマーサクセスも含めた包括的施策で「Microsoft Azure」導入・運用支援事業が急成長

日商エレクトロニクス株式会社

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日商エレクトロニクス株式会社

創業

1969年

本社:東京

www.nissho-ele.co.jp

約3年で事業が急成長

導入製品:

Adobe Marketo Engage

活用用途:

メールマーケティング、リードナーチャリング、ABM(アカウントベースドマーケティング)、カスタマーサクセス

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課題

確度高い案件の獲得

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成果

約3年で事業が急成長

ハードウェアからクラウドへの商材変更で新たな施策に挑む

世界中から最先端のICT技術を発掘、提供する独自の製品選定力で支持を集めるシステムインテグレーターの日商エレクトロニクス株式会社。その経験値を生かし、近年ではマイクロソフト社と連携し、同社クラウドサービス「Microsoft Azure」の導入、運用、活用支援に注力している。

今回は2017年にスタートした「Microsoft Azure」関連事業拡大に向けた、同社のマーケティング施策にフォーカス。専任チームであるプラットフォーム本部 第三プラットフォーム部 MS(マイクロソフト)推進課の課長・近藤 智基氏と同課メンバー、藤村 智史氏、菊地 彩香氏に、具体的な施策内容およびカスタマーサクセスも含めた顧客とのエンゲージメントの取り組みについて聞いた。

同社がAdobe Marketo Engageを導入したのは2014年11月のこと。その中心人物となったのが近藤氏と藤村氏だ。当時、米国から持ち込んだ仮想化基盤「Nutanix」の案件創出、売上拡大を推進すべく、Adobe Marketo Engageを駆使したマーケティング施策を展開。年間の商談創出金額30億円を達成するなど高い成果を上げ、「社長賞」を受賞するまでに至った。

「Microsoft Azure」でのマーケティング施策にも大きな期待を寄せられるが、ハードウェアとクラウドではターゲットとなる顧客も違えば、売り方も価格帯も異なる。「1つ目の課題となったのが、サブスクリプションへと課金システムが変わることでした」と近藤氏。売り切り商材のハードウェアに比べ、導入時の売上は桁違いに低くなる。商社として様々な商材を取り扱う特性上、アカウント営業など、社内でも単価の低い商材を提案することの納得感と理解を得るには時間がかかったという。

2つ目が外部への認知だ。ハードウェアでは一目置かれてきた同社だが、当時、クラウドの分野ではむしろ後発組だった。「日商エレクトロニクスがクラウド事業に注力しているという認知度をどう高めていくかは立ち上げ時の大きな課題でした」と菊地氏は振り返る。

3つ目として連携するマイクロソフト社に対して、いかにマーケティング施策で日商エレクトロニクスのプレゼンスを上げ、案件創出につなげるか。さらに、サブスクリプション商材では必須となるチャーンレート(中途解約率)低下の仕組み化も初めて直面する課題だった。

だが、チーム構成では「Nutanix」での成功体験が生きた。「前回の経験を踏まえ、確度高く営業に案件を渡すことをミッションに、デマンドジェネレーション(デマジェン)、インサイドセールス、マイクロソフト専門営業担当のハイタッチセールスを含めた専任チームを立ち上げました」と近藤氏。後にはカスタマーサクセスも加え、3人を含む8人で取り組みを進めていくこととなる(藤村氏は当初、他部署からデマジェンサポート。2020年4月より専任担当者としてチームに参画)。

まずは専用サイトを設置し、既存のリードを整理。「お客様とのタッチポイントとなる場を作り、Nutanixのマーケティング施策で集めたリードの中から、クラウドサービスと親和性が高そうなリードを整理しました」(藤村氏)。

そこからAdobe Marketo Engageを活用しメルマガ、ステップメールなどのコンテンツ配信を進めていくが、発信法にも同社ならではのひと工夫を加えていく。

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3人は成功の秘訣について、次のようなポイントを挙げる。

1つ目が徹底したプロセス管理だ。リード獲得からクロージングまで、顧客対応のプロセスをしっかり定め、各段階で漏れがないよう最終責任を負うメンバーを設置。KPIとして自身の担当だけでなく、後に続くハイタッチセールスや営業のKPIもしっかり意識するようにしているという。

2つ目は、顧客との密なコミュニケーションだ。チーム全メンバーが、インサイドセールス、カスタマーサクセス活動などを通じ、直接、顧客と対話する機会を持ち、接点をもとにしたカスタマージャーニーの構築、価値の提供を共通認識としている。

3つ目がデジタルを活用し、数多くの施策を効率的に実践している点だ。SalesforceとAdobe Marketo EngageのデータをCDataでつなぎ、Power BIで可視化。アラートにSalesforceで飛ばすなどシステム構築も、日々、改善を加えている。「中途解約率低減についても、サポートチケットに関するデータをAdobe Marketo Engageとつなぎ、スコアリングできないか考案中です」と近藤氏。

さらに、「営業との連携を深め、アップセル、クロスセルまで実現するカスタマーサクセスの仕組みを構築していきたい」(菊地氏)、「Microsoft Azureでの経験値を横展開し、会社としての売上増につなげていきたい」(藤村氏)と、モチベーション高く今後の展望を語る。

新たに加わった成功体験を起点に、次はいかなる施策を繰り出すのか。今後のチャレンジにも期待したい。

2020年12月16日現在

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