マーケティングに起因するB2B売上を2倍に
Panasonic、Adobe Marketo Engage Engageを利用して、グローバルのマーケティング業務を集約し、大きな成果を上げる
51%
マーケティングに起因する2019年のB2B売上の割合
使用製品:
目標
単一の統合基盤を利用して、グローバルなB2Bマーケティングを管理したい
地域や特定のオーディエンスのニーズに合わせて、ターゲットを絞ったタイムリーなキャンペーンを展開したい
ソーシャルキャンペーンやwebキャンペーンとともに、電子メールやニュースレターマーケティングを活用
成果
単一の基盤を利用して、ヨーロッパで年間1,500件のキャンペーンを実施
マーケティングに起因するB2B売上の割合が、26%から51%へと増加
LinkedInキャンペーンのコンバージョン率が 最大5%を達成(平均値は2~3%)
18か月でLinkedInのフォロワー数がゼロから3,000人以上に増加
「顧客の状況に合わせてクリエイティブコンテンツを調整し、よりターゲットを絞った体験を提供する。これこそが、B2Bマーケティングで当社が目指すパーソナライゼーションの姿です」
Joerg Hufschmid氏
Panasonic Business Europe、マーケティングマネージャー
ローカルストーリーの価値を知るグローバルな大手テクノロジー企業
最先端の電気自動車向けバッテリーやストリーミング業界の大手企業が利用している映像制作機器、遠隔授業を支える高性能カメラなど、Panasonicの技術を結集した製品は多岐にわたり、様々なイノベーションを生みだしています。
ハイテク企業から高等教育機関に至るまで、世界中で30万以上の組織がPanasonicのB2Bソリューションを利用しています。しかし、このように多くのソリューションを提供しているにもかかわらず、同社はその功績に満足していません。
「既存の顧客やパートナーは膨大な数に上りますが、未だにリーチできていない、当社の製品から利益を得ることができる見込み客は大勢います。その機会を逃さず、世界規模でのマーケティングをさらに推進するのが私のチームの役割です」と、Panasonic Business EuropeのマーケティングマネージャーであるJoerg Hufschmid⽒は述べています。
世界中に何百もの拠点を構え、各地域にマーケティングチームを有し、それぞれが独自のアプローチで自社のストーリーを発信している同社のような大企業にとって、これは容易なことではありません。さらにそれを複雑にしているのは、同社はほぼすべての業界に対して、非常に幅広い製品を提供しているため、マーケティングキャンペーンの対象がCEOから現場の技術者に至るまで多岐にわたることです。
「どれほど規模が大きくなっても、業界だけでなく、職種ごとに異なる顧客の特徴を意識しておく必要があります。ターゲットを絞って、相手に見合ったクリエイティブなコンテンツを展開すること。それが、B2Bマーケティングにおけるパーソナライゼーションです」とHufschmid氏は述べています。
また同氏は、「Panasonicは、莫大な予算をかけて大規模な消費者キャンペーンを展開できるCoca-ColaやP&Gのような企業ではないということを忘れてはいけません。より戦略的にリーチを拡大し、顧客の複雑なニーズに対応する必要があります」とも語っています。
Adobe Marketo Engage Engageが選ばれた理由
Hufschmid氏と彼のチームが初めてAdobe Marketo Engageを採用したのは2012年のことで、B2Bマーケティングを活性化し、あらゆるアウトリーチを単一の基盤に集約するためでした。また、EUで一般データ保護規則(GDPR)が施行され、企業が顧客にサービスを提供するためにデータを管理、使用する方法を、より詳細に制御することが必要になったことも、導入のきっかけとなりました。
現在、Panasonic Business Europeだけでも年間1,500本のキャンペーンを実施しており、増え続ける顧客や見込み客に配信するパーソナライズされた電子メールやニュースレター、イベントの招待も、それに伴って増加しています。
欧州市場において成果を上げたことで、同社はAdobe Marketo Engageの利用を拡大し、世界規模で見込み客を獲得する計画を進めています。それを実現するために、3つの主要な目的が設定されました。
1)プロセスを自動化し、より効率的に見込み客にアプローチする
2)見込み客の需要を呼び起こし、B2B事業を拡大する
3)ソーシャルチャネル(特にLinkedIn)を通じたリードジェネレーションを開始する
「Adobe Marketo Engageはこれらの目標を達成するのに理想的です。部門間でデータが分散しているのを解消しながら、顧客との距離を縮めていくためには、ローカルレベルでの柔軟性とパーソナライゼーションを可能にする、一元化された基盤を用いて作業をおこなうことが重要です」とHufschmid⽒は述べています。
また、同氏は、多くの顧客グループを区別する細かな差異を理解することが重要であると強調し、「小売企業向けに新製品を展開する際、その企業のチーフマーケターに技術仕様をアピールしても意味がありません。Adobe Marketo Engageで収集したデータにより、こうした要因を自動的にアウトリーチに含められるので、キャンペーンを自動化しても、オーディエンスに響く言葉で語っていることがわかります」と述べています。
さらに、同氏は、Adobe Marketo Engage Engageのスマートリスト機能の高い価値を指摘しています。スマートリスト機能を使用すると、ターゲットリストを絞り込み、個々のオーディエンスに動的に送信するプログラムの作成を単一の基盤上でおこなえます。この機能をもとに、同社はAdobe Marketo Engageに統合されているGotoWebinar機能を利用して、デジタルコンテンツシリーズを成功させました。
「COVID-19が流行し始めた頃、ウェビナーに軸足を移しました。業界の最新技術を知るために、従来はカンファレンスやイベントに足を運んでいた見込み客の多くが、COVID-19のせいで、そのようなイベントに参加できなくなったことに気づいたからです。以前は50人か60人しか集まらなかったオンラインイベントに、突然700人もの参加者が集まるようになりました」とHufschmid氏は振り返ります。
SNSの使い手に
30万の顧客を抱える企業にとって、従来と同じマーケティング手法を使い続けることのほうがよほど簡単です。しかし、同社は常に新しいコミュニケーション手法を模索し、適応しようとしています。Hufschmid氏と彼のチームは、LinkedInなどのソーシャルチャネルが顧客の生活の中で極めて大きな価値を持つことを認識し、そうしたプラットフォームでの存在感を高めることに注力しています。
「2012年以来、私たちは何十万ものコンテンツを制作し、その多くが大きな成功を収めてきましたが、正直なところ、電子メールやニュースレターに固執して安全策を取りすぎていました。今日のオーディエンスは、自分のためにパーソナライズされたメールを期待する一方で、ソーシャルやwebでも関わりを持ちたいと考えています。だからこそ、Adobe Marketo Engageのアウトリーチを拡大し、複数のチャネルを通じてオーディエンスにアプローチしているのです」と同氏は述べています。
同氏のチームは、LinkedInでのプロモーションを開始してからわずか18か月で、フォロワー数をゼロから3,000人まで増やしました。まだ始まったばかりですが、これまでに得られた成果は、今後の発展を十分に予感させるものです。実際、同社のLinkedInキャンペーンの多くは、エンゲージメント率が最大5%に達しており、これは、同プラットフォームの平均値である2~3%を大幅に上回っています。
Adobe Marketo Engageが、ソーシャルリードジェネレーションにどのように役立ったかをさらに説明するために、同氏は、2019年後半に実施した顔認識技術のキャンペーンを挙げています。
この技術は、世界中の空港で入国審査に使用されているほか、欧州のスタジアムでセキュリティや身元確認に使用されています。言い換えれば、デジタル世界のあまり一般的ではない一角で活動するニッチな利用者だけが関心を持つ技術です。しかし、同氏のチームは、Adobe Marketo Engageを使ってターゲットを絞ったLinkedInのプロモーションへ最小限の投資をおこなっただけで、このユニークなターゲットオーディエンスの30%にヒットし、150人の新しい連絡先を営業チームに提供することができました。
「Adobe Marketo Engageに統合されているオーディエンスの傾向とリードのスコア付け機能なしに、自分たちだけでこのキャンペーンをここまで正確にターゲティングして実施することはできませんでした」と同氏は認めています。
数字が証明する
Hufschmid氏にとって、最も説得力のある数字は「51」です。これは、2019年のB2Bの売り上げのうち、同氏のチームのマーケティング活動に起因する割合が「51%」だったからです。同氏と彼のチームは、Adobe Marketo EngageとSalesforceを統合したことで、その成功を測定できるようになりました。
「Adobe Marketo Engageを使ってターゲットし、Salesforceを使って効果を追跡します。マーケティングに起因する売上は、例年26%ほどでしたが、2019年には売上全体の半分以上を占めるようになっていました。この数字の倍増こそが、ツールの導入が正しかったこと、そして私たちが目指す方向性が間違っていないことを裏付けるものです」と同氏は振り返ります。
大規模な組織が新しい道を歩むのは不可能に思えるかもしれません。既に強い立場にいる組織にとってはなおさらのことです。しかし、Hufschmid氏と彼のチームは、キャンペーンを成功させるたびに、それが可能であり、また必要であることを証明してきました。チームを力強く支えるPanasonicのリーダーシップと、その取り組みをサポートする適切なツールにより、同社は既成概念に囚われることなく、常に新しい可能性を探り続けることができるでしょう。
「マーケティングに起因する売上は、例年26%ほどでしたが、2019年には売上全体の半分以上を占めるようになっていました。この数字の倍増こそが、ツールの導入が正しかったことを裏付けるものです」
Joerg Hufschmid氏
Panasonic Business Europe、マーケティングマネージャー