顧客体験の頂に立つ
Rossignol、Adobe Commerceに移行して、オンラインの衣料品売上を倍増する。
目標
単一のコマース基盤であらゆるサブブランドを一元管理したい
受賞歴のあるロイヤルティプログラムを拡大したい
比類のない顧客体験を提供したい
成果
4か月で8か国 に展開
コンバージョンが 70%向上
オンラインストアの売上が 180%増加
老舗スキー用品メーカーが求める将来を見据えた基盤
Rossignolは、100年以上前にフランスで創業された、ウィンタースポーツ界を代表するブランドです。世界で初めてプラスチックスキーを製造販売した企業のひとつである同社は、長年培われた専門性と、世界最高峰のトップアスリートたちとの緊密な関係を原動力として、スキー用ゴーグルやスノーボードなどの優れた製品とウィンタースポーツウェアを生み出してきました。現在同社は、12のサブブランドを擁しており、アマチュアとエキスパートの両方に、アルペンスキー、ノルディックスキー、スノーボード、サイクリング、トレイルランニング関連の商品を提供しています。
多くの老舗ブランドと同様に、同社もまた、顧客のニーズに合わせてブランドイメージを刷新する必要に迫られていました。同社は、山小屋を連想させる牧歌的なイメージから脱却するために、Tommy Hilfigerとのコラボレーションなど、一般消費者をターゲットとした洗練された商品ラインの展開に着手しました。さらに同社は、B2BからB2C中心のビジネスモデルへ転換したいと考えていました。しかし、従来使用していたwebソリューション「RBS Change」では、こうした取り組みを推進することができませんでした。「当社では、CMSとコマースに、それぞれ別の基盤を導入していました。ふたつの基盤を使用してひとつのwebサイトを管理することは、非常に困難な作業でした」と、同社のデジタルマーケティングおよびeコマース担当責任者であるDamien Hars氏は述べています。
これまでにいくつもの難題を乗り越えて成長を遂げてきた同社は、デジタルプレゼンスの変革を推進するために、アドビのソリューションパートナーであるSynoliaに協力を求めました。その目標は、サブブランドを一元管理すること、受賞歴のあるロイヤルティプログラムを拡大すること、比類のない顧客体験を世界規模で提供することでした。「18ヶ月以内に、デジタルコマースで、自社のあらゆるブランドの商品をあらゆる国で販売するという、野心的な計画を有していました」と、Hars氏は述べています。その実現のために、同社はコマース基盤を必要としていたのです。
「ヨーロッパと北米のオンライン販売チームは、同じバックオフィスで日々の作業を進めています。全員がしっかりと連携し、グローバルチームの一員であることを実感していることが、成功への原動力となっています」
Damien Hars氏
Rossignol Group、デジタルマーケティングおよびeコマース担当責任者
「完璧な」コマースツールとの出会い
同社の新しいwebストアは、Adobe Commerceを利用して構築されています。これにより、ブランド間で分断されていた複雑なバックエンドシステムを統合して、一元管理できるようになりました。同社はまず、自転車ブランドであるTimeのバックエンドシステムを、Adobe Commerceに統合しました。「Adobe Commerceは、あらゆる側面から当社のビジネスを支える中心的な存在です。当社のERP、倉庫での梱包および配送用システム、あらゆる商品の詳細データを管理するPIMと、Adobe Commerceを連携させることで、マーケティングから営業、カスタマーサービスに至るまで、あらゆる部門が同じコマース基盤上で作業を進めることができるようになりました。まさに完璧なツールです」と、Hars氏は述べています。
同社は、新たなビジネス戦略を世界規模でスムーズに展開するために、プラグインの実装から着手しました。配送管理には、国別に配送ルールを定義できる拡張機能であるOwebiaを採用しました。また、位置情報サービスのMaxmindと、あらゆる国の決済に対応するHipayも導入しました。これにより、顧客は世界のどこにいても、同社のスキーやスノーボード用品を注文できるようになりました。「Adobe Commerceについて特に評価している点は、さまざまなプラグインとパートナーサービスを容易に追加できることです。業界トップクラスの顧客体験を創出できると確信しています」と、Hars氏は述べています。
「Adobe Commerceは、顧客体験のカスタマイズに長け、クラウドインフラの拡張性を活用できるという、ふたつの長所を備えています」
Damien Hars氏
Rossignol Group、デジタルマーケティングおよびeコマース担当責任者
4か月で8か国に展開
プロジェクトを開始してからわずか4か月後の2017年11月、同社は、8ヶ国、4言語、4通貨に対応するデジタルコマースの運営を開始しました。その成果は目を見張るものでした。「Adobe Commerceのおかげで、グローバルナビゲーションと決済プロセスが、従来の基盤と比べて格段使いやすいものになりました。Adobe Commerceの効果は、コンバージョン率にも反映されています」と、同氏は述べています。さらに、webストアもはるかに管理しやすくなりました。「魅力的なページを容易に作成できるようになっただけでなく、各国の販売チームにより多くの権限を付与しやすくなりました」と、同氏は述べています。
Adobe Commerceを導入したことで、同社の売上は前年の2倍に増加し、オンラインストアの売上目標を25%近く上回りました。同社の新たなコマース戦略は、確かな成果をもたらしています。新しいUXとAdobe Commerceの高い信頼性も相まって、コンバージョン率が70%向上しました。さらに、従来の基盤と比べて応答時間が大幅に短縮されました。これは、同社の壮大な事業拡大戦略の始まりにすぎません。同社は次のステップとして、今年後半に北米のオンラインストアをリニューアルするほか、RaidlightおよびVerticalというふたつの新しいブランドのシステムを、年末までにAdobe Commerceに移行する計画を進めています。「Adobe Commerceは、新しいストアを容易に構築できるだけでなく、チームワークの強化にも貢献しています。当社にとって、これほど理想的なツールは他にありません」と、Hars氏は述べています。
同社は、Adobe Commerceに移行したことで、ロイヤルティプログラム「The Club」の改革も推進できるようになりました。このプログラムでは、特別なオファーやイベントを顧客に提供しています。顧客は、同社の実店舗またはディーラーやパートナー企業を介して商品を購入すると、ポイントを獲得できます。同社は、このプログラムを通じて顧客の購入傾向に関する有益なインサイトを収集し、マーケティング施策のパフォーマンスの最適化に活用することができます。「Adobe Commerceのおかげで、9か月後には顧客ロイヤルティが向上しました」と、Hars氏は述べています。