Adobe Stock の全社導入で、グローバルなデジタルアセットの標準化を目指す

セイコーエプソン株式会社

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株式会社電通デジタル

創業

1942年

従業員数:連結77,642名/単体12,630名

(2022年3月31日現在)

www.epson.jp

導入製品:

Adobe Stock エンタープライズ版(ETLA契約)

課題

・webサイトなどで使用するイメージに合った画像を見つけたい

・部門ごとの利用条件を管理しながら、ストックフォトを全社で使えるようにしたい

成果

・海外拠点、関連会社を含めた全社規模でのデジタルアセット標準化を推進

・高品質かつ豊富な種類のデジタルアセット活用でwebサイト制作のクオリティと業務効率が向上

・素材へのアクセス権を部門ごとに設定、ストック素材利用の法的リスクを低減

・ストック素材の重複購入を防止、運用コストを削減

「全社レベルでデジタルアセットの品質管理およびリスク管理を向上させるのに最適なサービスだといえます」

セイコーエプソン株式会社 DX推進本部 DX戦略推進部 課長

山田 真也 氏

セイコーエプソン株式会社は、プリンティングソリューション 、ビジュアルコミュニケーション、産業用ロボット等の分野においてR&Dから販売まで一括して行っているグローバルカンパニーだ。同社では、社内のデジタルアセットの標準化および有効活用を促進するため、Adobe Stockエンタープライズ版を全社規模で導入。業務の効率化と品質管理の向上を目指している。

画像使用の制限が業務効率とクオリティの低下を招く

セイコーエプソン株式会社は、将来にわたって追及していく“ありたい姿” として「持続可能でこころ豊かな社会を実現する」を掲げ、同社のDNAである「省・小・精の技術」と最新のデジタル技術を活用し、「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」「生活の質向上」といった社会課題を解決するための様々な取り組みを行なっている。そうした同社のビジョンや事業活動などの情報は、webサイトやイントラサイトなどを通して社外および社内向けに発信している。webサイトはほぼ内製化されており、同社のDX推進本部 DX戦略推進部が制作から運用、管理までを行なっている。

昨今、webやSNS上での画像の不正使用に関するトラブルが多発しているなか、同社でもwebサイトなどで使用する画像については、出所が不明な画像やライセンス切れの画像はもとより、著作権が明確になっていない画像などは一切の使用が禁止されている。また、社内に蓄積されたアセットには限りがあるため、その都度イメージに合った画像を見つけ出すのが非常に困難という状況に陥っていた。同社のwebサイトの制作を担当するDX推進本部 DX戦略推進部の鬼頭 伸幸氏は次のように話す。「それまでwebサイトで使用する画像は、主に各部門から支給されるものを使用していたのですが、中にはもう何十年も使い続けていて、ちょっと今の時代に合わないというものもありました。各部門でも画像を見つけるのが難しいということで、こちらで画像を用意しなければならないケースも増えてきていて、そこにだいぶ時間をとられていました」

鬼頭氏は画像を入手する手段としてストックフォトサービスの存在は知ってはいたが、それまで利用した経験がないため、使用範囲や使用期限などについてわからないことが多く、またコストもかけられないという理由で利用を躊躇していたという。

エンゲージメント開発部長 菅谷 慎史氏

セイコーエプソン株式会社 DX推進本部 DX戦略推進部 シニアスタッフ

鬼頭 伸幸 氏

エンゲージメント開発部 エンゲージメント開発グループ 主幹  長野 大作氏

セイコーエプソン株式会社 DX推進本部 DX管理部 課長

寺島 重仁 氏

エンゲージメント開発部 エンゲージメント開発グループ 楠田 亜沙子氏 セイコーエプソン株式会社 DX推進本部 DX戦略推進部 課長

山田 真也 氏

コスト、リスク、管理負荷を低減するエンタープライズ版のメリット

そうした状況のなか、鬼頭氏をはじめとするweb制作チームは同部門の管理部から同社の営業部門が以前よりAdobe Stockを契約しており、既にライセンス購入された画像が使えるという情報共有を受け、そこから少しずつ画像を選んで使用するようになっていった。

「DX戦略推進部のほかにも、画像を使いたいというニーズは社内の様々な部門から出ていました。それなら、Adobe Stockを営業部門だけでなく全社で使えるようにしようという話になり、我々DX管理部の主導のもとで導入の検討を始めました。営業本部が契約していたAdobe Stockエンタープライズ版は、利用規模を拡大してもライセンス契約数は1つのまま、これまで購入した画像も継続して使用できるということで、早速導入に踏み切りました」と、DX推進本部 DX管理部の寺島 重仁氏は当時を振り返る。

同社では、2019年に営業部門が導入したAdobe Stockエンタープライズ版を、2021年春の更新時に全社規模での利用が可能なライセンス形態に移行した。全社規模での利用となると、コンプライアンスリスクを考慮した社内のルール決めが必要となる。その点についても、Adobe Stockエンタープライズ版に大きなメリットがあったという。「Adobe Stockの運用コストは、それぞれの部門の予算から成り立っていますので、どの部門でも好きなだけ使っていいというわけにはいきません。Adobe Stockエンタープライズ版では、部門ごとに購入できる素材の上限を設定したり、購入できる素材を限定したりすることも可能なため、管理がとても楽です。また、一度購入した画像は「ライセンス済み」として管理されるため、他の部門が知らずに重複購入してしまうといった無駄を防げるのも、メリットの1つです」(寺島氏)

画像の選定と調整にかかる時間を短縮。制作のクオリティも向上

webサイトの制作現場において、Adobe Stockを利用するようになってからの変化を鬼頭氏は次のように話す。「Adobe Stockはとにかく種類が豊富なので、ここを探せば何かしらの画像が見つかるという安心感みたいなものはありますね。メインとなるイメージ画像を用意するときなど、それまでは無いところから無理やり探してきて、イメージに合うように細かく加工して、そこにすごく時間をとられていましたが、今では各部門にAdobe Stockの画像を見せればそれでほぼ決まることが多いので、そのあたりのスピードは非常に上がっていると思います」

また、制作物のクオリティについても変化が見えはじめていると鬼頭氏はいう。「特に社内向けのサイトはコストをかけらないということもあり、あまりビジュアルなどに凝らないことが多かったのですが、Adobe Stockの画像を使うだけでだいぶ印象が変わったりします。今後は我々のような部門だけではなく、これまで写真が自由に使えなかったプレゼン資料などにもどんどん活用していってもらいたいですね」

グローバル規模でデジタルアセットの標準化を目指す

Adobe Stockエンタープライズ版の全社導入から1年以上が経過し、利用を希望する部門は着実に増え続けている。今後の展望について、DX推進本部 DX戦略推進部の山田 真也氏は次のように話す。「我々のDXへの取り組みは、お客様やパートナー会社といった対外的なつながりもそうですが、社内のつながりも良くして業務効率を改善していこうという狙いがあります。そこで1つのキーワードになるのが『標準化』です。例えばシステムを標準化すること。色々な事業部が各々個別にシステムを立ち上げて業務を行っていれば、連携がうまくとれずに業務効率は低下します。デジタルアセットの領域においても同様で、社内にあるアセットをどの部署でも簡単に使えるようにして、webサイトにも、販促ツールにも、あるいは営業資料にも展開できるようにすれば業務効率はもっと上がるはずです。そのためには、Adobe Stockエンタープライズ版のような仕組みが今後ますます重要になると思います」

また山田氏は、デジタルアセットの品質管理の面においても、Adobe Stockエンタープライズ版に大きな期待を寄せている。「アセットの品質は、そのまま制作物の品質、さらに言えばブランドの品質につながると思うのです。だからこそアセットの品質管理はとても重要です。各部門がそれぞれ独自に集めたアセットを使用していたのでは、品質にバラツキが生じるだけでなく、著作権違反などのリスク管理もおろそかになってしまいます。そういった意味でも、Adobe Stockエンタープライズ版はデジタルアセットの品質管理およびリスク管理を向上させるのに最適なサービスだといえます」

さらに同社では、海外現地法人でも購入した素材を共同利用できるというETLA契約のメリットを活かし、国内のみならず海外の関連会社にもAdobe Stockの利用範囲を拡大することを検討している。グローバル規模でのデジタルアセット標準化を目指し、セイコーエプソンのチャレンジは続く。

※掲載された情報は2022年8月現在のものです。

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