「特に、異なる企業で働く人がサテライトオフィスを使用する場合、セキュリティは非常に重要です」と、Epson Print Adminのチームリーダーである松本 浩氏は述べています。「顔認識はパスワードやIDカードよりも簡単で、印刷されたドキュメントの機密性を保つことができます。まだ試験段階ですが、今後は多くの場所で顔認識が使われることになるでしょう。」
サテライトオフィスはまた、利用者の手間の削減とセキュリティを高めるために、印刷するためのドライバーやソフトウェアのインストールを必要としない仕組みを求めました。これに対し、エプソンはWebブラウザーで利用できる印刷ページを持つドライバーレスバージョンのEpson Print Adminを提供しました。ただし、初期バージョンはPDFドキュメントしか印刷できず、ビジネスユーザーに人気のあるMicrosoft Officeドキュメントは印刷できませんでした。Microsoft Officeドキュメントを印刷するには、個人のデバイスで事前に PDFに変換する必要がありました。印刷する度に、PDFに都度手動で変換してから印刷する手間があったのです。そこでエプソンは、Microsoft Officeドキュメントを自動でPDFに変換して印刷する仕組みを構築することで、サテライトオフィス利用者の効率と利便性を向上させたいと考えました。
「ドキュメントを迅速かつ正確にPDFに変換する方法についてMicrosoft社に相談したところ、Microsoft社はAdobe PDF Services APIを推奨しました」と、Epson Print Adminの担当課長である富樫 宏規氏は述べています。
PDFの変換機能により、サテライトオフィス利用者はEpson Print Adminの印刷ページでMicrosoft Officeドキュメントを選択するだけで済みます。つまり、利用者は印刷設定を選択して印刷ボタンをクリックするだけです。他のPDF変換ツールで発生しがちなPDFの変換エラー(文字化けやレイアウト崩れなど)も防ぐことができます。
「PDF Services APIを組み込むことで、文書を手動で変換する必要がなくなり、ユーザーにとって印刷がはるかに簡単になります」と富樫氏は言います。「手動のプロセスをなくすことで、印刷作業にかかる時間は半分になります。利用者はサテライトオフィスで本来の仕事に費やす時間を増やすことができます。」
現代のオフィス向けの革新的な印刷サービス
PDF Services API を組み込んで以来、Epson Print Adminが設置されたサテライトオフィスでは、リピートユーザーからの印刷数が増加しており、この革新的な印刷サービスが多拠点で働く人にとってよりより良い仕事場を提供していることを示しています。アドビのAPIはPDFの作成以外にもPDF編集から光学式文字認識(OCR)まで様々あるため、エプソンは将来他のAPIを組み込み、より良いサービスを提供する可能性があります。
「PDF Services API の操作は非常に簡単で、ワークフローにすばやく組み込むことができました」と、セイコーエプソン株式会社のチーフエンジニアである山田氏は述べています。「アドビのサポートを受けて、多拠点で働く人の印刷およびデジタルビジネスのニーズに対応する新しい方法を引き続き開発していきます。」