自動化によって業務が効率化 エプソンは、アドビの技術を活用した高速かつ安全性の高い印刷で、リモートワークをサポートしています。

セイコーエプソン株式会社

創業

1942

従業員数: 79,906
(2023年3月31日時点)

https://corporate.epson/

50%

自動PDF 変換によるMicrosoft Officeの文書の印刷時間の短縮

Products:

Adobe Acrobat Services

Adobe PDF Services API

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目的

サテライトオフィス利用者の安全安心な印刷ニーズに対応

印刷のセキュリティとスピードの向上

ドライバーレスの印刷システムで、Microsoft Officeドキュメントの印刷にかかる実感と手間を削減

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成果

Microsoft Office文書を自動でPDF化し、印刷にかかる時間を半分に短縮

Epson print adminとアドビのAPIを連携しPDF変換機能を追加することで、サテライトオフィス利用者による月間数千ページの印刷をサポート

顔認証技術により、印刷物のセキュリティ確保を支援

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は80年以上にわたり、イノベーションを牽引してきました。同社は時計部品の小さな精密メーカーとしてスタートしましたが、その後、ロボット、プロジェクター、半導体、センサーのトップブランドの1つに成長しました。多くの消費者やオフィスワーカーにとって、エプソンは商業および産業用印刷事業のプリンターや複合機の信頼できるブランドとして最もよく知られています。EP-101は世界初のミニプリンターであり、エプソンの機器は世界中の家庭やオフィスで使用されています。

最近、エプソンはサテライトオフィス利用者へのサポートも拡大しています。利用者は、オフィススペースを数分または数時間借りて、電話会議に参加したり、Wi-Fiを利用して作業を進めたり、簡単なオフライン会議を開いたりすることができます。

これらのサテライトオフィスの一部には、Epson Print Adminを備えたエプソンプリンターが設置されており、利用者はオフィスの外から会議に向かう途中でもドキュメントを安全に印刷できます。また、Adobe Acrobat Services内のAdobe PDF Services APIにより、エプソンは利用者がMicrosoft Officeファイルを迅速、簡単、正確に印刷できるように支援しています。

※Epson Print Admin は、イントラネット上のエプソン製の複合機で、セキュリティ確保、コスト削減、業務効率化を支援する認証システムです。

「リモートワークやサテライトオフィスが一般的になるにつれ、どこにいても信頼性が高く安全に働ける環境がもとめられるようになってきました」とエプソンの技術担当者である峯 達哉氏は述べています。「Adobe PDF Services APIを使うことにより、オフィスビルで行う印刷と同程度の安全性と機能性を、サテライトオフィスでの印刷サービスで提供することができました。」

「ドキュメントを迅速かつ正確にPDFに変換する方法についてMicrosoft社に相談したところ、Microsoft社はアドビのAdobe PDF Services APIを推奨しました。」

富樫 宏規氏

セイコーエプソン株式会社 課長

より安全で簡単な印刷

Epson Print Adminは、ビジネス印刷にとても安全で新しい手法を導入しました。登録済みユーザーのみがドキュメントを印刷、コピー、またはスキャンでき、印刷の実行は、ユーザーがプリンターにサインインしたときにのみ実行されます。サインインは、ユーザー名とパスワードを入力するか、カードリーダーにIDカードをかざすことで行います。しかし、サテライトオフィスは、利用者がパスワードを覚えたりカードを持ち歩いたりすることなく、簡単かつ安全に印刷できるシステムを望んでいました。

エプソンは、パナソニック コネクト株式会社の顔認識システムをEpson Print Adminに組み込みました。利用者は、顔情報を照合するタブレットの前に立つだけでサインインできます

「特に、異なる企業で働く人がサテライトオフィスを使用する場合、セキュリティは非常に重要です」と、Epson Print Adminのチームリーダーである松本 浩氏は述べています。「顔認識はパスワードやIDカードよりも簡単で、印刷されたドキュメントの機密性を保つことができます。まだ試験段階ですが、今後は多くの場所で顔認識が使われることになるでしょう。」

サテライトオフィスはまた、利用者の手間の削減とセキュリティを高めるために、印刷するためのドライバーやソフトウェアのインストールを必要としない仕組みを求めました。これに対し、エプソンはWebブラウザーで利用できる印刷ページを持つドライバーレスバージョンのEpson Print Adminを提供しました。ただし、初期バージョンはPDFドキュメントしか印刷できず、ビジネスユーザーに人気のあるMicrosoft Officeドキュメントは印刷できませんでした。Microsoft Officeドキュメントを印刷するには、個人のデバイスで事前に PDFに変換する必要がありました。印刷する度に、PDFに都度手動で変換してから印刷する手間があったのです。そこでエプソンは、Microsoft Officeドキュメントを自動でPDFに変換して印刷する仕組みを構築することで、サテライトオフィス利用者の効率と利便性を向上させたいと考えました。

「ドキュメントを迅速かつ正確にPDFに変換する方法についてMicrosoft社に相談したところ、Microsoft社はAdobe PDF Services APIを推奨しました」と、Epson Print Adminの担当課長である富樫 宏規氏は述べています。

PDFの変換機能により、サテライトオフィス利用者はEpson Print Adminの印刷ページでMicrosoft Officeドキュメントを選択するだけで済みます。つまり、利用者は印刷設定を選択して印刷ボタンをクリックするだけです。他のPDF変換ツールで発生しがちなPDFの変換エラー(文字化けやレイアウト崩れなど)も防ぐことができます。

「PDF Services APIを組み込むことで、文書を手動で変換する必要がなくなり、ユーザーにとって印刷がはるかに簡単になります」と富樫氏は言います。「手動のプロセスをなくすことで、印刷作業にかかる時間は半分になります。利用者はサテライトオフィスで本来の仕事に費やす時間を増やすことができます。」

「アドビのサポートを受けて、多拠点で働く人の印刷およびデジタルビジネスのニーズに対応する新しい方法を引き続き開発していきます。」

山田 剛史 氏

セイコーエプソン株式会社 チーフエンジニア

現代のオフィス向けの革新的な印刷サービス

PDF Services API を組み込んで以来、Epson Print Adminが設置されたサテライトオフィスでは、リピートユーザーからの印刷数が増加しており、この革新的な印刷サービスが多拠点で働く人にとってよりより良い仕事場を提供していることを示しています。アドビのAPIはPDFの作成以外にもPDF編集から光学式文字認識(OCR)まで様々あるため、エプソンは将来他のAPIを組み込み、より良いサービスを提供する可能性があります。

「PDF Services API の操作は非常に簡単で、ワークフローにすばやく組み込むことができました」と、セイコーエプソン株式会社のチーフエンジニアである山田氏は述べています。「アドビのサポートを受けて、多拠点で働く人の印刷およびデジタルビジネスのニーズに対応する新しい方法を引き続き開発していきます。」