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フィールドサービスによる手厚いサポートを受けCRM強化を迅速に推進

積水ハウス株式会社

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業種:

住宅メーカー

業務内容:

戸建て住宅、賃貸住宅、分譲住宅、分譲マンションなどの住宅事業、都市再開発など

130%

オウンドメディアのクリック率

導入製品:

Adobe Marketo Engage

活用用途:

メールマーケティング、リードナーチャリング

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課題

  • やりたいことや目指す姿は明確だったが、具体的な設計に落とし込むまでの解像度が低かった
  • データを見ながらPDCAサイクルを回し、施策の改善につなげていく仕組みがなかった
  • 一定期間、接触のない滞留リードをリサイクルする体制ができていなかった

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成果

  • フィールドサービスを活用することで、ランクアップのファネル構築などのベースを確立
  • CDPとの連携も進め、データを見ながら施策を改善していく仕組みを構築
  • オウンドメディアの適切な配信により、滞留リードにリーチし、ランクアップする施策を実践

「プレミアサポートを受けたおかげで3ヶ月という短い期間で施策を稼働することができました」

野崎 勝弘氏

コミュニケーションデザイン部 CXデザイン室

住宅=一生モノの買い物ゆえ長期スパンの関係構築が肝心

戸建て住宅や賃貸住宅の建築をはじめ、分譲住宅や分譲マンションなど「住」に特化した事業から、大規模都市開発や海外事業など幅広く手掛ける大手住宅メーカーの積水ハウス株式会社。

住宅購入は“一生モノの買い物”と言われ、求める条件も人によって多岐にわたる。供給サイドも顧客の行動やニーズに合わせたコミュニケーションをすることにより、契約および顧客満足度向上につなげていくCRMの取り組みが欠かせない。

同社では、従来のアナログな営業および、マス中心の広告宣伝を使った集客や顧客マネジメントに加え、会社全体でデジタル強化を推進。その先鋒役としてAdobe Marketo Engage Engageを活用し、オンラインでの顧客のCX向上に取り組むコミュニケーションデザイン部 CXデザイン室の野崎勝弘氏に、具体的な取り組みや目指す世界感について語ってもらった。

LTV 向上を目指す マーケティングの本質を追求

野崎氏が同社に入社したのは2020年4月のこと。前職ではECサイト運営会社などでサイト作成やマーケティング業務に従事していたが、“量獲得”を前提とした売上向上や、費用対効果に追われる日々だったという。

「お客様一人ひとりのご要望に丁寧に対応し、LTV(顧客生涯価値)の向上を目指すような取り組みが求められているのではないか。そんな問題意識を感じる中、デジタルシフトによるCRM強化を打ち出していた積水ハウスに転職を決意しました」

野崎氏が入社した時点で、Adobe Marketo Engage Engageはすでに導入済みだったが、目指すスタイルでの稼働にはまだ距離があり、いくつかの課題があった。

その1つがブランドや部署ごとに複数種類のメルマガが存在しており、個々のリストに基づき配信されていたことだ。資料請求などで同社のサイトにアクセスしてきた潜在顧客を、住宅展示場への見学に誘導していくことを目的に、オウンドメディアのカスタム配信を進めようとしていたものの、「デジタル化に向け舵を切っていこうとする渦中で、マーケティング業務も他の業務と兼任で行われている状況でした」と野崎氏は話す。

さらに、どのようにシナリオを組み、リードのナーチャリングを実践していくのか。同社ならではの事業内容・モデルに対するAdobe Marketo Engage Engageの組み込み方など、目指すイメージの解像度が明確に描けていなかったと明かす。野崎氏は「データを分析しながら収益ステージのランクアップをどう適正化していくのか。大前提としてPDCAモデルが明確な形で構築できていなかったのも課題でした」と振り返る。

コミュニケーションデザイン部 CXデザイン室  野崎 勝弘氏

個別に受けられる手厚いサポートにより、約3カ月でベースを構築

前職ではCRMツールの運用に従事していたものの、MA(マーケティングオートメーション)の運用については初めてのチャレンジとなった野崎氏。自力でリードナーチャリングの仕組み作りなどに取り組むが、半年ほど四苦八苦する。そこでAdobe Marketo Engage Engageのコンサルタントを通じ、着目したのがプレミアサポート(有償)の中の新プログラム、フィールドサービスだったという。

オンラインでの疑問点に対する回答や、トラブル解決といった従来のサポートとは異なり、実際に顧客の元に担当者が出向き、抱える課題に沿った設定や制度設計などをゼロから伴走し、プロアクティブな支援を受けられるのが特徴だ。

「ライフサイクルモデルの中に、どういう定義でお客様データを入れていくのが最適なのか。いかに資料請求いただいたお客様をナーチャリングしていくのか、ランク定義のスコアリングやアクションを起こすフラグ立てについても、明確にしていただいたのはありがたかったですね」と野崎氏。フィールドサービスが入ってからは、約3カ月という短期間で仕組みのベースが完成したという。

現在も、PDCAを回しながら収益サイクルモデルの適正化を図っている最中だが、現在、Adobe Marketo Engage Engageを活用したデジタル施策によって掲げているミッションは大きく2つ。1つ目が、資料請求などでリスト化されたお客様を展示場への初回来場に促すこと。2つ目が展示場まで足を運んだものの2回目の予約につながらず、一定の期間、接触のないお客様に再アプローチし、サイクルモデルに載せることだ。

そこで、一定期間、間が空いてしまったお客様を次のフェーズに引き上げるべく、メルマガやニュースレターなどのオウンドメディアをオンライン上のお客様ニーズに応じてパーソナライズ配信。ナーチャリングしていく仕組みを構築している。

また、リードの流入経路やサイト上でチェックした商材や、エリアなどの特性によってカスタマイズしたメルマガも配信。内容や発信の出し分けを進めることで、当初よりクリック率が130%も向上したという。

「現在は複数の接点を経由して申し込みをされるお客様もいらっしゃるので、メッセージの統一を図るためにメール配信の設計を再構築中です」。PDCAによる成功パターンの作り方、メール開封率やコンバージョンレート向上の道筋が見えてきたのは大きな前進と言える。

CRM の考え方に沿って、「すべてのお客様にフィットしたコミュニケーションと情報をお届けしたいですね」と野崎氏は語る。

営業との協業体制も構築し、滞留リードのリサイクルを推進

さらに、ミッションに掲げる住宅展示場への誘導と、滞留しているリードの活性化に向け、全国の営業チームとの協業体制も構築。

「Adobe Marketo Engageを核とするナーチャリング、ランクアップの仕組みを構築することで、関心が高まったお客様をインサイドセールスがフィールドのセールス担当に自動連携する施策を展開しています」

テクノロジーの活用としては、すでに連携しているトレジャーデータでのID統合、分析やセグメンテーションなどを実施し、施策を打つためのベースを構築。さらにLINEやCXツール、ウェビナーツールなどの連携も見据える。「ウェビナーを展開し、参加されたお客様に対してより役に立つコンテンツ配信などの施策も展開していくべく、現在、構想中です」。

各種施策の適正化に向けては、そもそものオウンドメディアの内容をどうするか。公式サイト、会員サイトとの連携や棲み分け、エリアごとの特性も加味した差別化を実践しつつ、同社として統一したブランドとの整合性をどう取るのか。個別最適と全体最適のバランスを取っていくことも欠かせない。

「アセットも多数あり、やるべきこと、やりたいことはまだまだ山積みです。外部からデジタル人材獲得も積極的に進め、DXを加速化していきたいと考えています」

個人のミッションとしても、現在進めている施策を“点"から“面”に広げていくべく、会社全体のCRMの取り組みを底上げし、お客様にもっと喜んでいただける体験を提供していきたいと野崎氏は語る。

現在進行形でテクノロジーの活用、最適化を進める同社の今後のチャレンジに注目したい。

※掲載された情報は、2021年10月21日現在のものです。

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