#000000

企業の成長に対応できる 「再現性」のあるマーケティング運用を実現

株式会社スマートドライブ

創業

2013年

所在地:東京都

https://smartdrive.co.jp/

導入製品:

課題

・事業フェーズの変化を背景に、個の力による成長から組織力による成長ができる仕組みの構築

成果

・施策毎の投資対効果や成果を詳細に可視化し、これまで以上にデータに基づく意思決定ができるようになった

・Adobe Marketo Engageのマイトークン活用、キャンペーンの複製機能で、成功事例の横展開を実施し、従来の約2倍の施策本数を無理なく実施可能に

・社内デザイン部門との協議を重ね、デザインテンプレートの工夫でコンテンツの量産を可能に

「事業フェーズの変化を背景に再現性を持ったプロセスを構築、テクノロジーを活用し投資対効果を最大化」

石野 真吾氏

CEO補佐 事業開発統括 兼 CMO

株式会社スマートドライブは、事業フェーズの変化にともない、対象とするマーケットの拡大を狙い、テクノロジースタックを見直すことで全社の意思統一と部門を超えた協業ができる体制を構築。同社が目指した「再現性」のあるマーケティング組織の詳細を聞いた。

マーケティング対象の拡大で見えてきた課題

株式会社スマートドライブは、「移動の進化を後押しする」というビジョンの下、国内外において、モビリティデータを活用した顧客企業の業務効率化や生産性向上、既存サービスの高付加価値化、新規サービスの創出等に貢献するべく、事業を展開している。

2019年当時、同社では営業管理とマーケティング管理が一体となったツールを用いていた。アクセスできる人が多く、各自が使いやすいようにカスタマイズを繰り返していた結果、同じデータを後日同じ条件で確認することもできない状態だったという。「この際システムごと入れ替えて、一から作り直そうということになりました」(マーケティング部 マーケティングオペレーション担当 岡桃子氏)

属人化した仕組みから、再現性が高くスケールできるマーケティング体制の構築に向けて、同社が選んだツールはAdobe Marketo Engageだった。同時に営業の情報管理にはSalesforceも導入し、それぞれのツールの役割を明確にした上で連携することを目指した。

Adobe Marketo EngageとSalesforceによるマーケティング環境が導入されてから2年ほど経った21年には、さらなる成長に向け、より幅広い層へのマーケティングアプローチの必要性が増してきた。

「これまでは獲得効率を重視したターゲット選定と施策を行い、成果を上げてきました。事業が成長してきたタイミングで、さらに広いマーケットの獲得を目指し、投資対効果を計測しながら一気にアクセルを踏み込む方針を打ち出しました」と、同社CEO補佐 事業開発統括 兼 CMOの石野真吾氏は語る。

株式会社スマートドライブ
CEO補佐 事業開発統括 兼
マーケティング責任者

石野 真吾 氏

株式会社スマートドライブ
マーケティング部
マーケティングオペレーション担当

岡 桃子 氏

株式会社スマートドライブ
デザイナー

谷口 春奈 氏

ただ、マーケティング部門の限られた人員で、単純に施策の量を増やすことには限界がある。さらに組織的にもwebページのディレクションやデザイン、コンテンツの制作など、役割が明確に分担されており、通常の業務を回すために最適化されていたことから、臨機応変に施策を追加することには向いていなかったという。

また、当時の運用は、経験豊富な中途採用の社員の力量に頼っていた部分が大きかったと岡氏は話す。「従来の環境で仕事が回らなくなっていたわけではないのですが、やや無秩序に自由度が高いところがあり、その場その場で最適なものを追加してきたことで、再現性が失われていました。新たな仕組みでは、自由度と統制のバランスを決めておくことが重要だと考えました」

石野氏も、「マーケティング対象の裾野を広げるということは、従来のようにアプローチするだけでは不十分です。どういうコンテンツに興味を持った人がどう反応しているかを理解できなければいけません。見込顧客の数も増えることが見込まれる中で、先手を打って改革に着手する必要がありました」と語る。

マーケティングを中心に、社内のベクトルをそろえる

マーケティング基盤再構築のプロジェクトは、21年末からスタート。マーケティング、営業管理、そしてデザインの部門からメンバーが集まって検討が開始された。同社では、デザインを重視しており、デザイン要素はすべて社内で作成している。マーケティング施策の本数が増えれば、デザインが必要な案件も増加する。スピーディな施策の実行にはマーケティング企画とコンテンツ制作は一体で考えなければいけなかったのだ。

新たなマーケティング基盤では、シンプルで誰にでも分かる仕組みを目指していた。そして施策実施段階でも、Adobe Marketo Engageを活用して再現性を高めていったという。

「標準的なキャンペーンテンプレートを作っておき、マイトークンを使うことで、トークンの中身を変えてキャンペーンを量産することができます。さらに、一度実施したスマートキャンペーンを複製し、手直しすることですぐに成功パターンを繰り返し実施することができます」(岡氏)

また、前述したように施策の実施にはAdobe Creative Cloudを使いこなす社内のデザインチームが深くかかわる。デザイナーの谷口春奈氏は、「施策の数が増えていく中で、コンテンツの中身が変わっても表示が崩れにくいように工夫してテンプレートを作成しました」と語る。また、自らも共通テンプレートで使える色違いのボタンのデザインなどをマーケティング部門に提案し、効果を高めるためにできることは何かを常に意識したという。

新たなインフラは、構想から構築まで3カ月で完了

新しいインフラの構築は、22年1月から本格的にスタートし、ほぼ3カ月という短期間で完了した。4月からスタートした新しいマーケティング体制から約半年が経ち、実施している施策の数は2倍以上に増加している。

そして標準化したプロセスと評価指標を採用しているため、狙い通り施策の件数が増えても運用負担が大きく増えることは起きていない。

石野氏は、新しい仕組みの下で、現場の部門横断的に進捗を確認しながら改善が進められている点を実感している。

「デザインチームからの提案で、デザインテンプレートの標準化も実施しました。それまでは1つの施策を実施するためにはサイズ違いの画像データを複数用意しなければならなかったのですが、テンプレートを変更することで、1つの画像を汎用的に利用できるようになりました」

また、部門間で共通の評価指標を持てるようになったことで、マーケティング部門は単に営業への送客だけを考えるのでなく、商談、さらには受注につながるマーケティング施策にこれまで以上に選択と集中ができるようになったという。

「定義されていないものは改善できません。共通の評価指標を持つことで、売り上げに貢献するマーケティング施策は何か、お客様になっていただくにはどの施策が効果があったのか、ということを考えることができるようになりました」(石野氏)

チームの力でさらなる成長へ向かう

同社では、今回のプロジェクトによって、従来の役割別組織から、今は各メンバーが数字に責任を持ち、それぞれの担当で業務を進めることができている。

「マーケティングチーム内では『T型人材化』と呼んでいますが、強みとしての専門領域を持ちながら、すべてのメンバーが企画から実行、その後の検証、売上の貢献までリードしていけるような一人ひとりが商売人である組織を目指しています」(石野氏)

Adobe Marketo Engageは、事業のフェーズが変わっていくのに合わせて仕組みを変えていくことがやりやすいツールだと石野氏は言う。「汎用性が高いため、最初に社内の共通認識を作っておけば、組織や担当者が変わっても使い続けることができます。当初目標にしていた、再現性のあるオペレーションを実現するインフラの一部として定着しています」

同社は、このプロジェクトの成功が評価され、2022 Adobe Marketo Engage Championの「Marketing Team of the Year」を受賞。3人は、チームとして受賞できたことが何よりうれしいと声をそろえる。

「当社の社内だけでなく、社外のパートナー企業にもプロジェクトチームの一員として多大な協力をいただきました。そしてチームの成功が、当社の事業成長につながっていることを喜ばしく思います」(石野氏)

「デザイン部門が何をしているのか分からないと言われることが多かったのですが、受賞によって、チームとしてどう動いているのかを知ってもらうきっかけになったと思います」(谷口氏)

マーケティングインフラが確立できたことで、今後はオフライン、オンラインの施策を効果的に組み合わせて、さらに幅広い層へのアプローチを進めていきたいと石野氏は話す。スマートドライブはこれからも、自社の成長フェーズに合わせてマーケティング施策を変化させ、チーム力で顧客を獲得していく。

※掲載された情報は2022年11月現在のものです。

関連するトピックス

https://main--bacom--adobecom.hlx.page/jp/fragments/customer-success-stories/cards/d1097f1905b08be881180faf4ddaf80d

その他の関連トピックスを見る