
100年の歴史を有する企業がB2Bコマース基盤を再構築
Steelcase、Adobe Commerce(旧名称:Magento Commerce)を利用してモダンなコマース基盤を構築し、B2B顧客のニーズに応える

1,000
開発中のB2Bサイト数
使用製品:
目標
個人消費者やディーラー、企業顧客に対応するため、柔軟なeコマースアーキテクチャを採用したい
自社のストアと顧客の電子調達システムを統合したい
数千に上るカスタマイズされたwebサイトをまたいで非常に複雑な商品カタログを管理したい
成果
2.5京 にも上るSKUからの受注生産に対応
1,000以上のB2Bサイト を開発中
B2B売り上げの**90%**がオンラインチャネルから
大手家具メーカーがデジタル変革に臨む
Steelcaseは過去1世紀にわたり、人を中心とした刺激的な職場を創造することで、オフィス家具業界をリードしてきました。同社のビジネスモデルは非常に複雑で、完璧なオフィスチェアを探している個人顧客から、オフィスビル全体の改装を検討している大手グローバル企業まで、あらゆる規模の顧客にサービスを提供しています。広範なディーラーネットワークを通じて商品を販売し、様々な選択肢があるオーダーメイド商品の提供もおこなっています。最近の監査により、2.5京を超えるSKUが存在していることが明らかになりました。
しかし、同社の既存のeコマース基盤では、急速に変化するeコマース市場に対応できませんでした。そこで、自社ブランドと技術的なビジョンに適合する、モジュール型で柔軟かつモダンなeコマース基盤を探すという戦略的な決定を下しました。様々な製品を比較検討した結果、同社はAdobe Commerce(旧名称:Magento Commerce)とそのテクノロジーパートナーであるPunchOut Catalogsを選択しました。
2015年5月、同社の新しいeコマース基盤のローンチは、3つのフェーズに分けて計画されました。第1フェーズでは、同社のeコマースビジネスの約10%を占める個人消費者を対象に運営するための中核的機能を設定しました。第2フェーズでは、webサイトやチェックアウト機能で標準的な操作を求めるB2B顧客に焦点を当てました。第3フェーズでは、B2Bビジネスの約90%を占める、より技術的に複雑な電子調達(e-procurement)に取り組みました。そしてこの第3フェーズが最大の課題になると予想されました。
「 Adobe Commerceは、柔軟性の高いモダンなeコマース基盤です。当社の複雑な商品をわかりやすい方法で顧客に提示することができます。それは、当社と顧客の両方が、モダンなショッピング体験として期待しているもの、まさにそのものです」
Eric Zillmer氏 Steelcase Inc.、eビジネスプラットフォーム担当マネージャー
1,000を超すカスタムサイトの基盤
Steelcaseは、 Adobe Commerceを既存顧客の電子調達システム(Ariba、SAP、Jaggaerなど)と統合する必要がありました。これらの大規模顧客は、社内の電子調達システムから開始して、同社のwebストアとシームレスに連携する「パンチアウトカタログ」機能を利用できます。これにより、同社のwebストアの使いやすいインターフェイスを使用して、商品を閲覧および検索し、買い物かごに追加することが可能です。買い物かごの中身は自動的に自社の電子調達システムに返され、そこで購入が承認されて請求書が作成されます。
顧客のサイトをセットアップする際、同社は顧客やディーラーと協力して、カスタマイズされたオンラインカタログに掲載する商品を契約内容から特定します。また、 Adobe Commerceを利用して、シンプルな商品にカスタムオプションを適用します。たとえば、顧客がベースの椅子を選択すると、その商品のIDに付随する様々なオプション(カラー、生地、キャスタータイプ、アームタイプなど)を選択できるようになるという具合です。このように、ひとつの商品IDで何千ものバリエーションを持つことが可能です。
優れたB2B販売体験の構築
Steelcaseでは、 Adobe Commerceを使用し、非常に複雑な商品カタログを、専門のカタログ構築システムと直接統合して管理しています。この統合により、同社はあらゆる基本要素を網羅した製造業向けカタログと、家具のプロフェッショナルではない人を対象とした、より使いやすい選択肢を提供するマーケティング向けカタログを作成できるようになりました。このマーケティング向けカタログは、同社の顧客webサイトで使用されています。顧客がオンラインで商品を選択すると、選択内容がカタログ構築システムに送信され、ディーラーによって利用されている製造定義に変換されて注文を実行します。
ショッピング体験をカスタマイズし、注文を適切にルーティングするために、同社は、対話形式の選択機能を構築しました。顧客に様々な質問をして、ディーラーや請求方法、カタログのどの部分を参照するかなどを決定する仕組みです。たとえば、ある企業がいくつかの施設を保有していて、それぞれで異なる商品シリーズが採用されている場合、顧客は特定の施設での使用が承認された商品しか参照できません。アーム付きの黒革の椅子で揃えられている施設のために新しく購入する商品を検討する場合、アームなしの赤い布地の椅子の表示は不要です。顧客は適切なカタログから商品を選択し、事前に承認された支払いプロセスを使用して、適切なディーラー経由でチェックアウトできます。
同社の顧客サイトでは、オンラインの見積もり依頼にも対応しています。見積もり依頼はディーラーのビジネスシステムに転送され、ディーラーは見積書を作成して Adobe Commerceに返します。そうして顧客は、迅速なチェックアウトプロセスで購入を完了することができます。また、あらかじめビジネスルールを設定しておくことで、注文の中に追加の作業が必要な特定の商品が含まれている場合や、数量や価格がしきい値を超えている場合に、注文書を強制的に見積書に変更するなどの対応も可能です。