デジタル変革の必要性を訴える
Gassler氏のチームは、時代を先取りし、顧客に最先端のデジタル体験を提供することの重要性を認識していました。最初のステップは、顧客の期待とその対応方法を詳述したデジタルマニフェストを作成し、社内のサポートを強化することでした。経営陣もまた、デジタル体験が機器レンタルのライフサイクル全体に貢献していることを認識し始めました。そこで同社は、デジタル変革のアイデアを実現するための取り組みに着手しました。
同氏はその勢いに乗り、包括的なeコマース体験を推進するために、eコマース分野で15年以上の経験を有するTyler Stafford氏をチームに迎えました。Stafford氏は、顧客に役立つ情報を提供し、いつでもソリューションの検索や機器の予約を行える、操作しやすいコマースサイトを立ち上げるという目標を掲げました。また、建設現場や倉庫の作業現場でモバイルデバイスを活用し、業務効率を強化したいと考えました。
Sunbelt Rentalsは、Adobe CommerceとAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceを活用してAdobe Experience Cloudのフットプリントを拡大し、従来の対面による販売モデルを、最先端のスケーラブルなマルチチャネル体験へと転換する、強力なプラットフォームを構築しました。
「アドビは、現在および将来にわたってマルチチャネルのデジタル体験を創出するために必要なあらゆる機能を備えた、すぐに使える包括的なアプリケーションを提供しています。当社は、デジタル体験を成長市場に届けるための変革を実現するために、計画を進めています」と、Sunbelt Rentalsの製品管理担当シニアディレクターであるStafford氏は述べています。
最先端のデジタル体験をすばやく提供
Sunbelt Rentalsの新しいデジタル戦略は、顧客を中心に据えています。新しいwebサイトは、高速で応答性の高いオンラインストアフロント、最新情報、探しているものをすばやく見つけられる直観的なナビゲーションなど、顧客の期待とニーズに重点を置いています。Adobe Experience Manager Sitesを活用すれば、ページの読み込み時間が最大3倍速くなり、サイトのパフォーマンスを向上できます。コンテンツチームは、再利用可能なテンプレートとエクスペリエンスフラグメントを活用し、webページを迅速かつ一貫性のある方法で作成できます。
同社は、Adobe Experience Manager Assetsを通じて3つのデジタルアセット管理(DAM)を統合し、単一の基盤を構築しました。これにより、webサイトやモバイルアプリをまたいでコンテンツを保存し、再利用可能なコンポーネントの活用できるようになりました。
「制作者は、開発者やIT担当者のサポートを必要とせずに、数週間ではなく数時間でコンテンツを制作できます。これにより、コンテンツの市場投入までの時間が大幅に短縮され、顧客が期待する体験を提供できます」と、Stafford氏は述べています。
コンテンツ制作のサポートに要する時間が減ったため、同社のエンジニアは、プロセスを見直す余裕ができました。Gassler氏とStafford氏は、リリースサイクルの速度と頻度を向上させるために、クイックスプリントをベースとしたアジャイル開発のマインドセットを推進しました。以前は、webサイトの更新頻度は年に数回のみでしたが、現在は月に1回程度の頻度で更新しています。また、パートナー企業であるPublicis Sapientのサポートにより、わずか120日でMLP(minimum loveable product:愛用最小限の製品)を開発し、新しいモバイルアプリを配信できました。同社はまた、より多くの顧客からのフィードバックに対応できるようになりました。開発者は、webサイトとアプリの重要な修正のみに専念するのではなく、通常2回のリリースサイクルであらゆる顧客のリクエストに対応しています。
「建設業界では、オフィスではなく現場で作業する従業員が多いので、モバイルフレンドリーであることが重要でした」と、Stafford氏は述べています。「そこで、Adobe Experience Managerのダイナミックメディア機能の出番です。この機能により、膨大なバリエーションの作成と管理に時間を費やすことなく、あらゆるサイズの画面に合わせてビジュアルを自動的に最適化できます」