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- 1 行動前の「あと一歩の迷い」を解消せよ。見込みの高いB2B顧客を確実に落とす5つの方法
行動前の「あと一歩の迷い」を解消せよ。見込みの高いB2B顧客を確実に落とす5つの方法
【POINT】
- 顧客の検討商品が「正しい選択」であると確信させるコンテンツを提供する
- 相手の購入サイクルをよく理解し、受注タイミングの遅れや失注を防ぐことが大切
- 情報や知識を総動員して、顧客それぞれの状況を考慮したメッセージを作成する
ゴールまであと一歩のリードに働きかける

アメリカンフットボールでは、20ヤードラインとゴールの間、つまり得点の可能性が高いエリアを「レッドゾーン」と呼ぶ。B2Bの場合も、製品やサービスを評価中のリード(見込み客)が、「購入する可能性が非常に高い」状態にあるとき、営業とマーケティングの「レッドゾーン」に達したと言っていいだろう。
商談化ないし受注まであと一歩のリードに対して働きかけを強化することは、競合に勝って売上を伸ばし、営業とマーケティングの業績アップにつなげる、理にかなった戦略だ。
リードコンバージョンを高めるためには
レッドゾーンがどこにあるかは、企業や商材、市場環境や時期など様々な要因が影響するため、一概には言えないが、何らかの仮定を持って設定する。例えば、80%以上の確率で受注が見込め、失敗すれば競合に取られる状態にあるリードがレッドゾーン、という具合だ。リードがこの段階に達した経緯を分析してみれば、キャンペーン、メディア、コンテンツ、営業リソースといったものに、多大な投資がなされているとわかるはずだ。この段階で失注すれば、それまでの投資は無駄になり、実際に受注した別の案件にコストを吸収してもらわなければならない。B2Bリードの場合、こうしたコストは非常に高くつく。
これはB2Cの一部、一般消費者向けの高関与商材ビジネスにもあてはまる。家具、自動車保険、コンピューター、ファッションといった商材の場合、リード獲得コストは高い傾向にある。それがeコマースやオンラインのリードならば、タイミングが重要だ。あるいは、停滞したリードに対する素早い対応も欠かせない。
レッドゾーンのリードコンバージョン(見込みから受注への成約率)を高めるには、リードの置かれた状況をよく理解し、購入への障壁を取り除かなければならない。そのためには、リードの状況と関連性の高いメッセージをタイミング良く発信することがカギとなる。
では、レッドゾーンのリードコンバージョンを上げる5つの方法を見て行こう。
見込みの高いリードを確実に落とす方法 1:状況に合わせたコンテンツ活用

コンテンツ制作に投資しているなら、リードがレッドゾーンに入った時こそ、その資産を活用すべきだ。顧客の検討している商品が「正しい選択」であると裏付けるようなコンテンツとは何か、考えてみよう。「利用者の声」を紹介する記事、ケーススタディ、第三者によるレビュー、顧客レビュー、オファー、品質や機能に関する記事など、説得力のあるコンテンツで「あと一歩の迷い」の解消に努めよう。
見込みの高いリードを確実に落とす方法 2 :予測アナリティクスの活用

これまでの営業データを参考に、最も見込みの高いリードを特定しよう。そして案件化をはかるために、リマーケティング、インサイドセールス(内勤営業)からの再コンタクト、トリガーベースのメール送信、といった施策に労力をかける。
ただし、見込みの低いグループも無視してはならない。受注/失注の分析から得られる知見は、このグループに的を絞ったメッセージの開発に役立つ。
たとえば、価格が購入のネックになっているリードには、魅力的な特別オファーを提示する、あるいはマージンを確保できる複数製品セットを提案する。いつも同じ競合に負けている場合は、自社製品のメリットを強調するメッセージを発信する、といった方法が考えられる。
見込みの高いリードを確実に落とす方法3:トランザクションの簡素化

法人向けECであれば、既存客の購入履歴や、配送先や決済方法といったデータを有している。そこで、オンライン注文は非常に簡単に済むこと、在庫があることなども顧客に知らせるようにしよう。最後の一押しが受注につながる可能性を意識し、カートのデータも頻繁にチェックすべきだ。
- パス分析:これは、レッドゾーンに達したリードを把握する上で貴重なツールとなる。サイト内のタグ付けをきちんと行えば、「購入まであと一歩」という顧客の発するサインがすぐわかるようになる。この「コンバージョンスポット」に誘導するような顧客体験を作り出そう。
- オンラインチャット:注文確定までの最後の段階を、手取り足とり案内する用意があることを、リードに知らせよう。
見込みの高いリードを確実に落とす方法4:B2Bバイヤーの購買サイクルを理解する

バイヤーの経済事情を知ることは大切だ。顧客の購買サイクルをよく理解していないがために、受注のタイミングが遅れる、失注する、といったことがよくある。法人による購入の場合、ビジネスリーダーをはじめ、IT、財務、調達といった複数の部署が関わっている。購入契約の締結、調達部との支払い条件確認といった点をカバーしておくことが大切だ。客先の社内で自社製品を押してくれている担当者には、ケーススタディ、価格、納品の詳細を明記したSOW(作業範囲記述書)、ROI(投資利益率)予測などの資料を渡しておこう。レッドゾーンでは、見積もり、提示価格、条件の説明といった要素が、商談成立を左右するようになる。
見込みの高いリードを確実に落とす方法 5:リードそれぞれに特化したアピール

手の内にある情報や知識を総動員して、顧客それぞれの状況を考慮したメッセージの作成に努めること。見込み客がレッドゾーンに達する頃には、そのリードの購買ジャーニーを促進するために役立つデータがあるはずだ。発信するメッセージのトーンや様式も重要な要素となる。強引な印象を与えることなく、購入の意思を固めてもらうには、誠実なメッセージを伝えることが大切だ。
現在のマーケターは、デジタルマーケティング、アナリティクス、パーソナライズツールなど、営業の心を掴めるツールを手にしている。最大限の成果を上げるには、レッドゾーンのリードを優先的に攻略していこう。長期的にも、そして短期的にも有利な結果が得られるはずだ。
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