デジタル広告を取り巻く3つのリスクと、その回避策

2018年07月12日



【POINT】

  • 全デジタル広告配信のうちBotへの配信比率は全体の11%にものぼる    
  • 意図しない広告配信による「ブランド毀損リスク」に対する関心が高まっている    
  • 不適切なメディアへの広告出稿を回避するためには、透明性と独立性を備えた仕組みが欠かせない
 

デジタル広告に潜む3つの潜在リスク

「アドフラウド」の問題が注目を浴びて久しい。アドフラウドは、直訳すると「広告不正」「広告詐欺」などとなり、日本語にすると広告主の出稿した広告そのものが不正であるようなニュアンスに聞こえる。しかし、広告そのものが問題なのではない。広告出稿先メディアによる不正や、不適格なメディアに広告を配信してしまうリスクについて問われているのだ。とはいえ広告主は、それを不可抗力として座視することはできない。デジタル広告の出稿にはリスクが潜んでいるという事実を認識し、リスク回避を検討するのが望ましい。

 

企業の広告出稿担当者が、デジタル広告に潜むリスクとして頭を悩ませるケースは、大きく3つある。

 

・「その広告が本当に“人”に届いているのかどうか」

・「掲載費を支払った広告がきちんと表示されているかどうか」

・「ブランド毀損につながるメディアに掲載されてしまわないか」

 

それぞれについて見ていこう。

・デジタル広告のリスク(1): 「その広告が本当に“人”に届いているのかどうか」

デジタル広告はメディアを通じて人に届けるためのもの。しかし、「人が見ていないメディア」が存在するとしたらどうだろうか。実際、Bot(ボット)と呼ばれる不正なプログラムが使われているメディアは実在する。これがアドフラウドの問題だ。

例えば、Botにメディアを巡回させてページビューを増やし、掲載する広告をクリックさせるという手口。自らのメディアの訪問数(=広告在庫)を大きく見せるとともに、広告クリックによる収入を不正に得るというものだ。

White Ops社の調査によれば、ディスプレイ広告配信のうちBotへの配信比率は、全体の11%にものぼるという(White Ops, “The Bot Baseline: Fraud in Digital Advertising, December 2014)。

・デジタル広告のリスク(2): 「掲載費を支払った広告がきちんと表示されているかどうか」

デジタル広告が配信されると、メディアのどこかに掲載される。しかし、掲載された箇所が人の目に触れない状態だとしたらどうだろうか。これがビューアビリティ(Viewable Impression、広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出するかどうか)の問題だ。特にブランディング目的の広告の場合、多くの人に見られることが目的となるため、掲載されたこと、表示されたことが課金単位となる。しかし、“掲載したこと”にして課金だけする不正なメディアは、やはり実在する。人の目に触れないような箇所に掲載する、Botで掲載数を水増しするなど、手口も様々だ。広告主にしてみると、大切な広告予算が想定しない第三者に盗まれているのと同じことになる。

2014年12月6日、Googleは全インプレッションの56.1%はViewable Impressionになっていない、という調査結果を公表した。そして2015年9月に同社は、ビューアビリティを保証する仕組みへと移行している。ただ、すべての広告枠がこうした仕組みとは限らない。

・デジタル広告のリスク(3): 「ブランド毀損につながるメディアに掲載されてしまわないか」

デジタル広告の掲載枠のあるメディアには、よく知られたブランドが運営するものから、個人が開設したものまである。そして、公序良俗に反するメディアやページにも、広告枠はある。どの掲載枠に届くかは配信方法に依存するが、配信を任せている広告枠販売業者がDSPなどを通じて、不適切な掲載枠に広告を配信してしまうかもしれない。これが広告主のブランド毀損の問題だ。広告主の掲載意図の有無とは関係なく、一般の目からは、その不適切なメディアの主張に「広告主が賛同している」と受け取られかねない。特定主体への「利益供与」とみなされれば、さらなるリスクとなる。

問題は不適切なメディアだけでない。信頼できるブランドのメディアであったとしても、コンテンツと広告メッセージとの不幸な衝突も発生しうる。例えば、最新のオンラインチャット接客技術の採用と店舗統廃合を報じるニュース記事の隣に、窓口来店を促す銀行の広告が表示されたとしたら、読者はどう感じるだろうか。物流を担う人材不足に関するコラム記事の下に、ECサイトの広告が表示されたとしたら。

・デジタル広告のリスク(3): 「ブランド毀損につながるメディアに掲載されてしまわないか」

広告出稿リスクを排除する難しさ

広告出稿リスクを排除する難しさ

デジタル広告配信リスクの問題で、もっともホットなトピックになっているのが、3つめの「ブランド毀損リスク」だ。2018年6月、人種差別的なコンテンツを配信するメディアへの広告出稿を、大手アフィリエイトASPが打ち切ったことが話題になった。こうした問題には、業界全体で取り組まなければならない。なぜなら、広告主の多くは、自社の広告がどこに配信されているか、その詳細まで把握しきれないためだ。

 

具体的には、広告主が契約するのは広告枠販売業者だ。そして、広告枠販売業者がさまざまな提携先メディアに広告を出稿する。最終的に広告主は結果レポートを受け取るが、広告掲載メディアまでは把握できないか、閲覧できたとしても、膨大な掲載先メディアの1つひとつに注意を払うことはまれだろう。

広告出稿リスクを排除する難しさ

広告主の多くは、自社の広告がどこに配信されているか、詳細を把握しきれていない    

広告出稿と成果についての目標設定の問題もある。広告主にとって人々への幅広いブランド認知が成果である場合は、インプレッション数の最大化が重要となる。また、広告主にとってクリック後の訪問が成果である場合は、クリック単価を抑えることが重要な要素になる。この場合には「バナー広告を見てもらうことでブランディングする」ことよりも、「広告という手段を通じて自社サイトに接触してもうことでロイヤルティを高める」ことに意識が向く。その結果、「広告がどこに出稿されたのか」ではなく、「どの広告枠販売業者が優れたROIを提供してくれたか」が価値判断の基準になる。

 

広告枠販売業者としても、すべての提携先メディアのすべてのコンテンツをチェックすることは現実的ではない。提携先メディアの登録時に審査プロセスがあったとしても、審査をクリアしてからメディア側が内容をがらりと変えるかもしれない。結果として、いたちごっこが続くことになる。

 

こうしたブランド毀損の問題を回避するには、透明性と独立性を持った第三者の提供する仕組みが欠かせない。その仕組みを通じて、第三者に仲裁してもらい、精査された広告掲載メディアを使う訳だ。こうした仕組みなしに解決するには、信頼できるメディアだけを指名して出稿するか、メディアのコンテンツをすべてチェックするしかない。

透明性と独立性を持った第三者は存在する

透明性と独立性を持った第三者は存在する

第三者の仕組みの代表例が、Adobe Advertising Cloudだ。アドビは外販広告枠のある自社メディアを持たないため、広告枠に対するバイアスを持たず、利益誘導することがない。そのため広告主の意向を最大限に反映し、独立性を保った運用が可能だ。また、広告掲載メディアとそれぞれのパフォーマンスも詳細に開示でき、透明性にも優れている。広告配信によるサイト流入やアプリ利用促進といった成果目標の測定にAdobe Analyticsと併用すれば、さらに透明性を高められる仕様だ。

 

接続できるSSPやAd Exchangeも豊富であり、ディスプレイ広告、動画広告、モバイル、SNSの主要なプレイヤーを網羅している。そして、ここまで説明した3つのデジタル広告リスクに対する保護機能も提供する。

 

それでも、アドフラウドなどを完全に排除することは難しい。現時点でAdobe Advertising Cloud経由の広告出稿におけるアドフラウドの割合は1.5%。いたちごっこの続く現状を考えれば、これでも平均(IAS社の調査では6.7%)よりかなり低い数字だ。

 

アドフラウドやブランド毀損などのリスクを最小化しつつ、適正なコストで成果を挙げる。広告主の利益を最大化するために、Adobe Advertising Cloudがあるのだ。    

 

UNITE編集部


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