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NVIDIA :AIのリーダーが「Adobe Sensei」を選択する理由
2019年11月22日
【POINT】
- CXM(顧客体験管理)において、さまざまな場面でAIの活用が求められている
- AIプラットフォーマーとして名高いNVIDIAは、顧客体験の最適化にAdobe Senseiを選択
- 同社はAdobe Experience Cloud採用からわずか3年で、Adobe Senseiを使いこなし顧客体験を次のレベルへと引き上げようとしている
AIが広く注目を集め、多くのIT企業が独自のAIソリューションを提供している。
顧客体験がビジネスの最重要事項に据えられる今、CXM(顧客体験管理)においても、さまざまなAIの活用が求められている。顧客行動をきめ細かく分析して最適なオファーを提案する、広告出稿先の最適な配分を自動化するなど、その可能性は幅広い。
CXMを実現するためのソリューションとして活躍するのが、Adobe Experience Cloudに含まれている人工知能およびマシンラーニングのフレームワーク、Adobe Senseiだ。アドビのソフトウェア群に組み込まれているAdobe Senseiは、膨大なデータを縦横無尽に分析し、人間には及びも付かないような処理を実現してくれる。
そんなAdobe Senseiを、AIの研究機関も擁する半導体メーカー、NVIDIAが活用しているという。NVIDIAにとって、Adobe Senseiはどのような価値をもたらしてくれる存在なのだろう。
Adobe Experience Cloud採用からわずか3年でAIの活用へ

NVIDIAは、高名な半導体メーカーだ。同社が発明し、主力製品となっているGPU(グラフィクス プロセッシング ユニット)は、CPUとは異なり、膨大なデータの並列処理を短時間でこなせるという特長があり、ビッグデータを使ったAIの学習に向いている。同社は、このGPUを提供することでAI分野におけるエコシステムを牽引しながら、自社でもAIソリューションを開発している。中でも自動運転制御のAIでは、数多くの自動車メーカーから採用され、世界的な名声を得る。
このようにAIプラットフォーマーとしての地位を確立し、社内にAIエンジニアも数多く抱える同社だが、マーケティング分野においては、Adobe Senseiを使って顧客体験の最適化を推進している。
理由は極めてシンプルだ。
「Adobe Senseiは、使い慣れたAdobe Experience Cloudと完全に統合されていて、すぐに機能を利用することができます」エヌビディア合同会社 エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャー 藤山 裕子氏はこう話す。
「そして、ゲームから研究開発まで、多様なビジネスニーズに合わせて容易にチューニングすることができます」。

NVIDIAがAdobe Experience Cloudを採用したのは2016年。アジャイルかつ迅速にデジタルエクスペリエンス基盤を完成させ、最適なメッセージを、最適な人へ、かつ最適なタイミングで届けることが目的だった。それからわずか3年で、Adobe Senseiを使いこなしてデジタル顧客体験を次のレベルへと引き上げようとしている。

藤山氏は、同社のアドビとのパートナーシップについて次のように語った。
「私たちは、アドビと同じく顧客にテクノロジーを提供する企業です。そして、戦略的なゴールも一致しています。それは、顧客に優れたソリューションを提供することに対して真剣に努力し、驚くべき体験を提供したいと望んでいることです」
地域性の違いをマーケティング活動に役立てる

同社のこの取り組みは複数の分野で行われている。顧客を深く知ることでクロスチャネルマーケティングを最適化するAttribution AI、顧客行動分析により高度にパーソナライズした体験を提供するCustomer AI、および最適な顧客に最適なタイミングで最適なメッセージを届けるJourney AIを組み合わせ、多くの成果を生んでいる。
その代表例が、複数のチャネルを使ったマーケティング活動において、顧客の反応を知り、最も効果的なチャネルを探る取り組みだ。顧客の目に触れた度合いや売上につながった金額など、さまざまな指標を軸に、コピーやクリエイティブについても精査し、正確に評価する。すると、最適なやり方を地域レベルでも突き止めることができることが浮かび上がってきた。
「たとえば、カンファレンスの集客においてキャンペーンを最適化したことで、低い投資金額で目標どおりの集客ができました。ここでは、北米、日本、ヨーロッパとアジア太平洋地域とおおきな枠をあげましたが、もしかすると東京と大阪では全く違うかもしれません」(同氏)。
ビジネスにおいて、すでに成果が現れている分野もある。メールを一斉送信するのではなく、顧客が開封してくれそうなタイミングで送るようにしたのだ。セグメンテーションの例でよく使われる手法ではあるが、AIを使うことで一人ひとりの粒度で相手にとって最適な時間を予測し、個別にメールを送信するところが新しい。その結果、開封率は14%向上、クリックスルーレートもリニアに向上した。
ゲームを熱心にプレイしてくれる顧客を予測する

同社はゲーマー向けにも、Adobe Senseiを適用している。頻繁に利用してくれている顧客とそうでない顧客を切り分け、「どんな理由でゲームを楽しんでくれているのか」「どうすればゲームに興味を持ってもらえるのか」といったインサイトをつかもうとする施策だ。その一環として、国ごとにゲームのプレイスタイルを分類する取り組みにも着手している。
現在NVIDIAは、極めて深いレベルでのパーソナライゼーションを実現するためにどのようにCustomer AIを活用するかに注力している。そして、顧客の行動変化をAIが学習することで、将来熱心にプレイしてくれるか、もしくはあまりプレイしてくれなくなってしまうかを予測する精度は96%に達した。
目標は、「すべての顧客の体験を個別に把握し、最適なタイミングで最適なオファーを届ける」こと。モデルはでき上がっており、今後は、熱心な顧客を増やす施策を企画立案し、実行するフェーズになる。
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このように、AIの活用はビジネスを大きく飛躍させる。ただしAIはあくまで“手段”だ。「何を実現するために活用するのか」という視点を持ち、目標の達成に最適なAIを選択し活用することが重要だろう。
UNITE編集部
関連資料
NVIDIAは、迅速でデータドリブンな意思決定するためAIを活用し、個人向けと法人向け市場の双方で獲得したインサイトにもとづいて、ユーザーの将来動向を予測し、各施策を最適化しました。
ビジネスを成長させるには、顧客の期待を理解し、それに応じて体験を最適化させる必要があります。人工知能は、膨大な顧客データを紐解き、多彩なコンテンツをすばやく適切に選び、提供するという領域で活躍してくれます。具体的にどのような価値が導かれるのか、ご紹介します。
アドビがお手伝いします
企業のデジタル変革は、組織横断の幅広い取り組みとなります。これには、新たな経営戦略、組織編成と人材育成、ビジネスプロセスの刷新、そして「顧客体験のための企業システム基盤」の構築などが含まれます。
アドビはこれまでも、グローバルで多様な業界のブランド企業のために、テクノロジーとサービスを提供してきました。それが、顧客体験管理(CXM)のためのプラットフォームであるAdobe Experience Cloudと、アドビコンサルティングサービスです。顧客インテリジェンスやDMP(データ管理プラットフォーム)、リアルタイムCDP(カスタマーデータプラットフォーム)といったデータ基盤の構築、パーソナライゼーションに欠かせない膨大なコンテンツを生成し活用するためのコンテンツ基盤の構築にご興味をお持ちの方は、アドビへご相談ください。