この記事を共有する:

- 1 CIOによるデジタル変革推進に欠かせない基幹技術Adobe Experience Platformの真価
CIOによるデジタル変革推進に欠かせない基幹技術Adobe Experience Platformの真価
2020年4月27日
顧客体験がビジネスの中心となったいま、エンタープライズアーキテクチャの中心は、顧客をデータとして把握し、すばやく対応するための顧客体験管理(CXM)基盤の整備にある。CMOをはじめとする事業部門のミッションが「顧客の期待にすばやく対応すること」であるのに対し、CIOの率いるIT部門のミッションは、高度なCXM基盤によって、「新たなビジネス課題に応え、事業継続と成長を支えること」だろう。
IT部門は、基幹系や情報系システムのテクノロジー選定、構築、維持管理に携わる機会が多く、顧客体験に関わる領域でも、顧客データシステムやデジタルチャネル関連テクノロジーなどに関与する。テクノロジートレンドの知識だけでなく、顧客体験に関わる事業部門のニーズ、事業環境、顧客トレンドに対する知識も求められる。
一方、事業部門は、デジタルチャネルの重要性の高まりに対応し、優れた顧客体験を追求する役割を担う。直感や手作業に頼るのではなく、リアルタイムに顧客データを把握し、効果的かつ効率的な施策を実行するため、テクノロジーの支援を求めている。
「魅力的な顧客体験を提供するには、CMOとCIOの緊密なパートナーシップが不可欠」と語るのは、アドビのCEOシャンタヌ ナラヤンだ。
「ITはより顧客中心になり、マーケティングはよりデータドリブンになってきました。経営陣が顧客中心の概念を共有し、連携が取れていることが重要です。CMOとCIOが最高のパートナーになることで、企業はすべての顧客に対して、より魅力的な顧客体験を提供できるようになるでしょう」(シャンタヌ)。
その連携の仲立ちの基幹となる技術基盤が、Adobe Experience Platformだ。
アドビのソリューションを検討する企業はこれまで、Adobe Experience Cloudに含まれるアプリケーション群を検討対象として、各機能が自社のニーズに対応しているかを判断し、採用してきた。その検討対象はいま、アプリケーションを大きく超え、エコシステムへと成長を遂げている。この進化の方向性を如実に示しているのが、このAdobe Experience Platform と言える。
社内外に分散する顧客体験データを一元化

Adobe Experience Platformは、社内外に分散する顧客体験データを一元化し、統合顧客プロファイルとして統合するための共通基盤だ。既存のシステムは、「サイトへのアクセス」「販売取引の完了」などの「トランザクション」を軸にしてデータを記録される。対してAdobe Experience Platformは、「匿名のAさんの商品X閲覧」「既存客のBさんの来店」などの「ひとりの体験」を軸にしてデータを記録する。既存客だけを対象とするCRMとは異なり、匿名段階の潜在客、見込客も含むすべての顧客について把握できるのだ。
体験データはどこから来るのか。その答えは、データ化できるあらゆる顧客接点だ。よってデータソースも、あらゆるシステムが考え得る。そこで大事なのは、データ接続のオープン性だ。Adobe Experience Platformは、アドビ製アプリケーションは言うに及ばず、原初的なファイルのインポートから、データベースやクラウドストレージ、ERPやCRMなどのとのネイティブ接続、APIによるリアルタイムストリーミングまで、実に多様なデータソースと接続可能なオープン性を備えている。
一元的にデータ分析し、アクションを実行
ERPやDWHのような従来のシステムは、所定のビジネスプロセスのためにデータを扱ってきた。しかし顧客体験のためのシステムは、顧客のためにデータを扱うという部分で設計思想が異なる。従来のシステムでは、設計されたデータ処理や分析、施策実行などの範囲を超えて対応するのが困難になりがちだった。いわゆる「システムのサイロ」の問題だ。システム間統合には再投資を要するし、タイムラグの発生のような制約も致し方がない。

一方、顧客体験のためのシステムであるAdobe Experience Platformは、任意のデータソースからのデータ取得、高度なデータ処理、任意のアウトプットを可能としている。

また、低頻度で大量のバッチ処理から、高頻度で低遅延のリアルタイム処理まで、データソースの用途や種別に応じたデータ設計を実現できる。

こうした様々な構造化データや非構造化データを格納する場所を「データレイク」と呼ぶが、データは自由に活用しなければ意味が無い。そこで、顧客データの自由な活用のために、CDP(顧客データプラットフォーム)と呼ばれるシステムも登場してきたが、これまでのCDPは接続性や活用性に欠け、何よりも、顧客体験を届ける上で必要な「リアルタイム性」を欠いていた。それに対してAdobe Experience Platformは、データ取得とデータ活用の双方に特色を備えているのだ。
データ活用の面ではまず、Adobe Campaign、Adobe AnalyticsといったAdobe Experience Cloudのアプリケーション群が、Adobe Experience Platformと統合されている。また同様に、サードパーティアプリケーションや自社開発アプリケーションを通じたデータを活用するアクションも、オープンなAPIを通じて実行できる。多様なデータをリアルタイムに集約し、顧客接点に関わるあらゆるシステムを通じてリアルタイムに活用できるのだ。
顧客プロファイルは日々リッチに

データ取得を続けていくと、顧客プロファイルは日々リッチになっていく。最初はwebからのアクセスで、匿名のCookieデータだったとしても、顧客との信頼関係が結ばれれば、会員登録やキャンペーンへの応募を通して、氏名やメールアドレスを教えてくれる。顧客がwebサイトを何度か訪問してくれれば、自社の商品やサービスについての興味や関心とその度合いも理解できる。自社アプリをダウンロードしてもらい、アプリ内で関心に合いそうな情報を提供し、その反応を得ることで、より満足度を高めていくこともできる。顧客とのやり取りを重ねることで、より深く顧客を理解し、顧客体験を向上させていくことができるのだ。
従来のCRMでは、個人情報を取得済みの既存客ばかりに焦点が当たっていた。しかしCRMで管理できる体験データの幅には自ずと限りがある。顧客の属性はデータ化できても、感情まではつかめない。そして、将来顧客になってくれるかもしれない、現時点では匿名状態の潜在客や見込客には対応できない。様々なシステムに膨大なデータが蓄積されていたとしても、それが有機的に繋がり、一人ひとりの「顧客」という視点から活用できなければ、デジタル時代以前の顧客対応からの進歩は得られない。
いまこそ、企業の抱える膨大なデータを、顧客を中心に活用すべきときなのだ。そのときCIOが、Adobe Experience Platformを新たな基幹システムに据えたなら、その新たな可能性を拓く鍵を手にいれることができるだろう。
UNITE編集部
関連資料
デジタル時代の機運を捉えて成長している先進企業は、顧客体験の質によって差別化を進めています。組織全体でこれを実現するには、全社を支えるシステム基盤の見直しが欠かせません。基盤をどう見直すべきでしょうか。
アドビがお手伝いします
企業のデジタル変革は、組織横断の幅広い取り組みとなります。これには、新たな経営戦略、組織編成と人材育成、ビジネスプロセスの刷新、そして「顧客体験のための企業システム基盤」の構築などが含まれます。
アドビはこれまでも、グローバルで多様な業界のブランド企業のために、テクノロジーとサービスを提供してきました。それが、顧客体験管理(CXM)のためのプラットフォームであるAdobe Experience Cloudと、アドビコンサルティングサービスです。顧客インテリジェンスやDMP(データ管理プラットフォーム)、リアルタイムCDP(カスタマーデータプラットフォーム)といったデータ基盤の構築、パーソナライゼーションに欠かせない膨大なコンテンツを生成し活用するためのコンテンツ基盤の構築にご興味をお持ちの方は、アドビへご相談ください。