CXMに関する注目すべき15の統計値

2020年5月18日


顧客体験に対する期待が高まり続けている。そのため多くの企業が、エンドツーエンドの顧客体験を管理するための、「舞台裏」となる基盤の構築に力を入れている。

実際、CXM(顧客体験管理)を最優先事項にする企業は増え続けており、多くの企業がそのために、相応の予算とリソースを割いている。

その成果は、おのずと収益に現れるが、それ以外の形でも得ることができる。例えば、顧客ロイヤルティ、ブランド好感度、口コミなどに影響を及ぼす。顧客をより詳細に理解するため、顧客体験に関する予算が増額され、作業を自動化するテクノロジーの採用が拡大していることは、企業が「その重要性を理解している」ことの表れと言えるだろう。

そこでCXM投資のトレンドを示す15の統計値を紹介する。

注目すべき統計値(1)

顧客体験を重視し、効果的に管理している企業は、そうでない企業に比べ、2019年に「主要なビジネス目標を大幅に上回る業績を上げた確率」が3倍に達している。

(出典:アドビ/Econsultancy

注目すべき統計値(2)

顧客体験における先進企業では、「顧客ロイヤルティを構成する要素」のうち、3分の2以上が顧客体験に関連し、「ブランドと価格に関する要素」を上回っている。ただし、それらの企業の70%以上が、「顧客ロイヤルティを高めて成果を実現するプロジェクトの設計に苦慮している」と回答している。

(出典:Gartner

注目すべき統計値(3)

消費者の70%以上は、最も重要な体験の要素として「スピード」「利便性」「親切な従業員」「親しみやすいサービス」と答えている。これらを適切に実現している企業は、最新のテクノロジーを導入することよりも、こうした利点の価値を高めたり提供したりできるテクノロジーを優先している。

(出典:PwC

注目すべき統計値(4)

調査回答者の約3分の2は、顧客体験担当のシニアリーダーと、一元化された顧客体験チームを配備していると回答している。こうした一元化されたチームを有する企業の3分の1は、顧客体験に関する業務を担当するフルタイムの従業員が11名以上在籍している。

(出典:Qualtrics

注目すべき統計値(5)

テクノロジー業界の先進企業では、顧客体験について「学ぶ」段階にある企業と比べ、「顧客関係の構築」と「将来を見据えたテクノロジーに関する情報収集や導入動向の把握」に36%多くの時間を費やしている。

(出典:Bain & Company

注目すべき統計値(6)

顧客体験の改善は大きな価値を生む可能性がある。例えば、自家用自動車メーカーでは、「顧客体験に関する指標のスコア」を1ポイント上げることで、売上が10億ドル以上増加する可能性があることが明らかになっている。

(出典:Forrester

注目すべき統計値(7)

顧客体験は、顧客の声(VoC)からカスタマージャーニーマッピング、ユーザーエクスペリエンスに至るまで、様々な取り組みが対象となり、これらがマーケティングの取り組みとして統合されることが増えている。それらの顧客体験への取り組みに対し、マーケターの49~56%は「単独で取り組む責任がある」と回答している。

(出典:Gartner

注目すべき統計値(8)

マーケティング専任担当者の約3分の2(65%)は、「顧客維持率と顧客満足度の測定」が、最も効果的な顧客体験指標であると考えている。また、調査回答者の41%は、顧客生涯価値も効果的な指標であると回答している。

(出典:Ascend2

注目すべき統計値(9)

世界の消費者の42%は、「フレンドリーで心温まる顧客体験」に対して、より多くの対価を支払っている。また、米国の消費者の65%は、優れた広告よりも、良質なブランド体験による影響の方が大きいと回答している。

(出典:PwC

注目すべき統計値(10)

企業の基本的な方針を抜本的に変革し、顧客を重視して、業務やITを改善することで、顧客満足度が20~30%、従業員満足度が10~20%高まる可能性がある。

(出典:McKinsey

注目すべき統計値(11)

革新的で将来を見据えている企業のうち、CDP(顧客データプラットフォーム)では53%、リアルタイム意思決定エンジンでは45%が利用しており、詳細な顧客理解に取り組んでいる。

(出典:Pega

注目すべき統計値(12)

AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)の導入は、顧客体験における先進企業や大企業にとって最優先事項のひとつになっている。先進企業の36%は、そうしたテクノロジーを「既に利用」しており、28%は「投資する予定がある」と回答しています。大企業(年間売上1億8,100万ドル以上)の33%は、AIやマシンラーニングを「既に利用」しており、39%は「投資する予定がある」と回答している。

(出典:アドビ/Econsultancy)

注目すべき統計値(13)

先進企業の65%は、顧客体験を向上しつつ、従業員のエクスペリエンスも向上させることが「非常に重要」または「不可欠」だと回答している。一方、そうでない企業の場合は、48%に留まっている。

(出典:Qualtrics

注目すべき統計値(14)

B2Bの顧客体験の専任担当者に、「どのようなアクションや投資が顧客に対して最も効果的か」を質問したところ、約3分の2(62%)が、「個々のニーズや課題」「今後の方向性」など、顧客ごとの特性を理解することを挙げている。また58%は、「製品やプロセスを簡略化すること」に重点を置いた取り組みを挙げている。

(出典:Walker

注目すべき統計値(15)

大きな成果を生み出している先進企業では、そうでない企業に比べ、「複数の情報源からのデータを統合し、チャネルをまたいで顧客とのやり取りを分析して、エンゲージメントを最適化している」と答えた割合が9倍以上にも達している。

(出典:Pointillist

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