ABB、Adobe Expressを活用して世界中のチームの制作スピードを加速
Kristen Smith氏は、意図的なデザインと視覚的な創造性を軸にキャリアを築いてきました。ABBのクリエイティブ＆ビジュアルストーリーテリングチームのディレクターとして、世界中のコミュニケーションチームと連携しながら、ブランドに即しつつ、独自のアートとデザインの感覚も取り入れたメッセージを生み出しています。
ABBは140年の歴史を持つ多国籍企業で、電力機器や自動化システムにおける世界的なテクノロジーリーダーとして、持続可能で資源効率の高い未来の実現に取り組んでいます。同社のソリューションは、エンジニアリングとソフトウェアを連携させて、製造、移動、電力供給、操作のあり方を最適化します。10万5千人以上の従業員が、産業の変革を加速するイノベーションを推進しようと全力で取り組んでいます。
同社のこうしたビジョンは、社員と顧客の両方に効果的なメッセージとなるよう、世界中のコミュニケーションを専門とする担当者たちの手により配信されています。
ABBのコミュニケーション担当者の多くは、異なる国の小さなチームで働いており、使用するリソースは様々です。Smith氏はこのような背景を考慮し、作業スピード、創造性、管理の適切なバランスを実現するためにAdobe Expressを導入しました。同社チームは、このオールインワンのコンテンツ制作アプリケーションと、他のAdobe Creative Cloudアプリケーションやサービスを併せて使用することにより、各地域に合わせた高品質でブランディングされたコンテンツを、これまで以上に迅速に提供できるようになりました。
SNSエンゲージメントの記録を更新
先日、Smith氏はAdobe Expressを活用して、ABBのサステイナビリティへの貢献を訴求する1週間のアースデイカウントダウンキャンペーンをLinkedIn向けに制作しました。LinkedInでの表示に最適なサイズのテンプレートを使って、基本的なインフォグラフィックのパネルを作成しました。ビジュアルには、Adobe Illustratorで作成したインフォグラフィック、企業の写真、そしてAdobe Stockから選んだAI生成画像と従来の画像素材を使用しました。また、動画には、ビルトイン機能を使って字幕を生成しました。これにより、数分でリーチとエンゲージメントを向上させることができました。
Smith氏は次のように語っています。「キャンペーン期間中のエンゲージメント率は、最大21％を達成しました。これは、通常のエンゲージメント率の6倍です。この成功の一因は、Adobe Expressの使い方を短期間で習得できたことです。よりクリエイティブなデザインを探る時間を多く得て、制作物の質を高めることができました」
またSmith氏は、従来よりも大幅に少ない時間とコストで、このキャンペーンをノルウェー語とフランス語にローカライズできました。ローカライズ作業では、通常、時差の異なる地域のベンダーと何度かレビューと相談を繰り返します。Adobe Expressを導入するまでは、Smith氏がすべてのデザインを編集していたため、翻訳版の最終アセットを現地チームに届けるまでに、最大8日かかっていました。
アースデイのキャンペーンでは、Smith氏はテキストを自動翻訳し、インフォグラフィックスをPDFファイルとして書き出しました。この合理化されたワークフローにより、各地域のレビュー担当者に、わずか30分でファイルを送信することができました。
「時間の節約は、値が付けられないほど価値のあるものです。アセットのローカライズについて言うなら、文字通り『イエスかノーか』の違いです」とSmith氏は述べています。
企業のブランディングの維持
Smith氏は、ABBのチーム内におけるAdobe Expressの普及を推進しています。特に、ライブラリやテンプレートを開発することにより、外部の助けを借りることなくより多くのアセットを作成できるという利点を強調しています。
マーケティングとコミュニケーションのスペシャリストで、電化スマートビルグループをサポートするNinoska Tippet氏は、ソーシャルメディア向けのショート動画の制作にAdobe Expressを使い始めました。Tippet氏は「ライブラリのおかげで、ほとんど労力を費やさなくてもコンテンツをブランドに沿ったものにできます。私たちが会社を表現する方法に、確実に一貫性を持たせられるのです」と言います。現在は作業効率のさらなる向上を期待して、背景の削除機能など、Adobe Fireflyを活用した生成AIツールの探求を進めています。
https://vimeo.com/954407852
テンプレートには、ブランディングを確実にする効果だけでなく、誰でも優れたデザインアセットをごく短時間で作成できるというメリットもあります。Jim Saulsbury氏は、ABBの大学関係および早期人材プログラムのマネージャーです。同氏は、ソーシャルメディアを活用して大学の取り組みを紹介しています。同氏はテンプレートについて、洗練されブランドに即したソーシャルメディア投稿を作成し、同社の複数チャンネルで使用するための貴重なツールであると評価します。
「Adobe Expressの使いやすさと、他のツールをはるかに超える堅牢さには驚きました。「テンプレートの存在と、こうした使いやすさのおかげで、独自のコンテンツを制作する機会が増えています」（Saulsbury氏）
舞台裏で、アドビとの技術的な関係の橋渡しをしているのは、グローバル情報システムグラフィックス＆マルチメディアツールマネージャーのAnna Janas氏とABBグローバルISチームです。「世界的なレベルでの採用促進を含め、このソリューションをABBが活用できるようにするために、裏では多くの作業が行われました。また、トレーニングの提供や、Adobe Expressに追加済みのテンプレートなどをブランドポータルに統合する作業にも取り組んでいます」
Creative Cloudエコシステムとの連携
Expressは一つのアプリ内に、コンテンツ制作に必要なすべてを集約していますが、デザイナーはCreative Cloudエコシステムの製品やサービスを活用することも可能です。マルチメディアプロデューサーのJulie Macie氏は、モーションシステムを駆使して、企業のアイデアに注目を集めるための動画を数多く制作しています。
Macie氏は、長くて複雑な編集にはAdobe Premiere Proをよく使っていますが、シンプルな動画やソーシャルメディアのプロジェクトにはAdobe Expressを使うようになりました。Premiere Proからはシーケンスを、IllustratorからはベクターをAdobe Expressに読み込んで、そこにアニメーション、トランジション、ナレーションを追加しています。
Macie氏は次のように語っています。「私たちのチームは、複雑なアイデアをクリエイティブな方法で説明できる動画の持つ力を受け入れ始めました。アニメーションや動画の需要が高まる現状において、Adobe Expressは私たちの時間を大幅に節約するでしょう。特にアセットのサイズをすばやく変更できる機能は、ソーシャルメディア投稿の制作スピードを3倍にします」
ストーリーテリングの力で強化
Adobe Expressの導入以来、ABBの様々な部門で、多くの社員がクリエイティブでブランドに合ったコミュニケーションをより早く、より少ない労力で提供する力を獲得しつつあります。
「Adobe Expressの本当に素晴らしい点は、これまでできなかったことを試してみる時間を与えてくれることです。これはクリエイターとしての力を得る以上のことで、革新的ともいえる変化です。Adobe Expressは、私たちが成長し、ABBのコンテンツをより多くの人々に届けることを可能にする鍵です」とSmith氏は語っています。
ビジネス向けのAdobe Expressの詳細については、こちらのページをご覧ください。
