アカウントベースドマーケティング(ABM)の基礎攻略法を解説

Adobe Experience Cloud

10-13-2020

アカウントベースドマーケティング(ABM)は、ポケモンGOほど、広まっていないかもしれませんが、B2Bマーケティング業界では、その次ぐらいに人気があります。ところで、マーケターにとってABMとは何でしょうか?ABMについて、知っておくべきことはなんでしょうか?なぜ、それほど重要なのでしょうか?どのようにしてABMが貴社に合っているかどうかを判断できますか?疑問はたくさんあります。ではここで、その答えをお話しましょう。

ABMを理解するための簡単な方法をご説明します。デマンドジェネレーションでは、最終的に2つの主要戦略にまとめられます。

従来のB2Bマーケティング では、多くの場合、リーチ範囲が広いキャンペーンが行われます。多くのマーケターが、さまざまなオウンド/アーンド/ペイドのマーケティングチャネルを駆使して、できるだけ広く遠くへリーチしようとします。その目的は、いわば巨大な罠をしかけて、できるだけ多くのコンテンツを配信し、それをマーケティングマグネットにして、多数のリードをファネルに取り込むことです。

一方、アカウントベースドマーケティング(ABM)では、ほとんどが真逆です。ここでは、プログラム予算や人員(営業とマーケティングの両チームを含む)など、すべてのリソースの連携を取りながら共同で業務を行い、特定の顧客にアプローチし、コンバージョンを促します。

ところで、ABMは採用すべき戦略でしょうか?どちらの戦略にもそれぞれの長所があります。したがって、各自の目標や対象市場、製品/プライスポイントに応じて決める必要があります。一般的には、対象市場が広く、何百、何千という見込み客が存在し、価値の高い顧客に絞る必要がある場合には、ABMが向いています。ABMでは、対象顧客向けにパーソナライズされたキャンペーンの実施に、時間と労力を集中的に費やします。

ABMを採用するかどうかを決めることから始めます。それが各自の目標と合っていると判断した後、考慮すべき点がいくつかあります。ここで、5つのシンプルな手順に沿って、ABMの基本を紹介します。

目次

  • 対象顧客を特定する
  • ペルソナを作成する
  • 適切なコンテンツを見つける
  • マルチチャネル戦略にABMを統合する
  • 測定と最適化

対象顧客を特定する

当たり前のことですが、対象とする顧客がわかっていなければ、本格的なABMを実施することはできません。これをきちんと把握するには、営業との密接な連携が必要です。営業の参加なしにABMは成り立ちません。ここでは、マーケティングと営業の両方のリソースを結集して、対象顧客の定義を行う必要があります。営業と一緒に最初のリストを作成できれば、リードスコアリングを使って各顧客をランク付けし、成約の可能性の高い顧客に対して、チーム全体で重点的に働きかけることができます。

ヒント:プレディクティブスコアリング には多くのオプションがあります。それらを十分に調査するようにします。適切なソリューションがあれば、顧客リストの優先順位付けに大いに役立ちます。

ペルソナを作成する

次は、それらの顧客をマーケティングペルソナにマッピングし、どの区分を対象とすべきかを判断します。その顧客が直面している業務上での課題や、組織内での意思決定の仕組み、さらに決定権を持つ人を把握する必要があります。ABMに効果的に取り組むには、これらの情報は不可欠です。ホワイトスペースの構築へのアプローチはさまざまです。したがって、これには継続的な取り組みが必要となります。

**ヒント:**期限を設けて、選択した対象顧客を固定します。対象顧客プログラムは、多くの場合、効果が表れるまで時間がかかります。したがって、顧客の変更はあまりしないようにします。

適切なコンテンツを見つける

対象顧客は、自分に向けて特別に作られたコンテンツに関心を持つ可能性が高いです。MarketingSherpaによれば、82%の見込み客が、自分の業界向けに特別に作られたコンテンツを高く評価し、さらに67%が、自分の職務向けに特別に作られたコンテンツを高く評価しています。そしてABMはもともとパーソナルなものなので、各自の事業やカスタマージャーニーのステージに関連性があり、顧客が共感するコンテンツやメッセージを対象顧客の見込み客に提供することができます。

**ヒント:**すでに作成済みのコンテンツを有効に活用し、そのコンテンツやサービスがオーディエンスの関心を惹くことができるように、必要に応じて若干の調整を行うようにします。たとえば、特定の業界の顧客を対象にしている場合、より一般的な内容のeBookを再利用して、そこに同業者の事例やケーススタディを追加します。

マルチチャネル戦略にABMを統合する

結局のところ、毎日数多くの異なるチャネルにアクセスしているという点で、対象顧客と他の購買者は似ています。顧客に効果的にリーチし、関係を構築するには、前の手順で作成したパーソナライズされたコンテンツを活用して、異なるチャネル上の対象顧客の適切な担当者をターゲットにした、マルチチャネルキャンペーンを実施する必要があります。また、密接に営業と連携を取りながら、実施する必要があることを忘れないでください。それによって営業は、各対象顧客の見込み客と、どのようにして関係を構築したのかを把握することができます。

**ヒント:**他の顧客(ティア1やティア2など)には、実施されないプログラムの対象になっている特定の顧客(上位ティア)が明確になるよう、実施フレームワークを設定するようにします。たとえばMarketoの場合、上位ティアの一部の顧客にはダイレクトメールを送付しますが、ティア2の顧客には送付しません。

図1

測定と最適化

繰り返しになりますが、マーケティング活動中には、時間経過とともに成果の測定と分析を行うようにします。それによって、キャンペーンを常に最適化できます。1つの指標の話ではない のです。事業目標に関係のある一連の指標が必要です。

例A:ABMおよび対象顧客:
ビジネス成果 = 対象顧客での成約

図4

**ヒント:**さまざまな時点で成果を確認することが理想的です。それにより、その都度必要に応じて調整ができます。パイプラインや収益などの一部の指標は、成果が反映されるまでには時間がかかるので、時間経過とともにキャンペーンを測定することで、全体像をつかむことができます。キャンペーン開始時、実施中、終了時、さらには3~6か月後に測定を行います。

さらに詳しい内容に興味ありますか?さらに詳しい情報は、ABMに関するeBook、「効率的なアカウントベースドマーケティング(ABM)の****レシピ」 をご覧ください。

*この記事は、2016年7月にHeidi Buloockが投稿した内容を翻訳した記事です。

次のステップ

MA分野のリーダーであるAdobe Marketo Engageについてより詳しく知りたい場合は、アドビにお問い合わせください。

https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/page-request-consultation-marketo-engage