クリエイティブブリーフについて知っておくべきこと

Adobe Experience Cloud Team

03-28-2025

モダンで活気のあるワークスペースのテーブルについて、スマートフォンとノートパソコンを同時に使用している笑顔の男性。その横には、プロジェクトの種類を選択するオプションを表示するインターフェイスの要素が浮かんでいます。

クリエイティブプロジェクトを成功させるには、明確なロードマップが不可欠です。クリエイティブブリーフは、プロジェクトに関わる全員が共通の目標に向かって作業を進めるためのロードマップとしての役割を果たします。クリエイティブブリーフは、クリエイティブプロジェクトの羅針盤や地図のようなもので、プロジェクトの開始から方向性と明確さを提供します。

この記事の内容:

クリエイティブブリーフとは

クリエイティブブリーフは、プロジェクトの範囲と目標を定義し、主な要素をまとめたドキュメントです。クリエイティブチームのためのロードマップとしての役割を果たし、全員が同じ認識を持ち、共通の目標に向かって作業を進めるための明確な指示やガイドラインを提供します。クリエイティブブリーフは、具体的なコンセプトではなく、方向性を示すことに重点を置くべきということを覚えておくことが重要です。クリエイティブチームのためのフレームワークとガイドラインを提供し、そのパラメーターの中でアイデアを探求し、コンセプトを開発できるようにする必要があります。

クリエイティブブリーフが重要な理由

クリエイティブブリーフは、プロジェクトがうまくいくかどうかの分かれ目となる強力なツールです。効率的なワークフローを実現し、コミュニケーションのミスを最小限に抑え、最終的な成果物を確実にすばらしいものにする鍵となります。クリエイティブブリーフは、次のような理由から不可欠です。

プロジェクト管理の重要なコンセプト(チームの連携、効率的なプロジェクト実行、リスク軽減、ブランドの一貫性)を表す、4つのシンプルなアイコン。各アイコンの下には短い説明文が記載されています。

チームの連携

クリエイティブブリーフにより、クライアント、クリエイティブチーム、プロジェクトマネージャーなど、すべての関係者がプロジェクトの目標、要件、成果物について共通の理解を持つことができます。

効率的なプロジェクト実行

明確なクリエイティブブリーフは、最初から明確な方向性を示すことでクリエイティブプロセスを合理化し、誤解を最小限に抑え、修正や遅延の可能性を低減します。

リスク軽減

クリエイティブブリーフは、潜在的な課題や制約を事前に特定することで、リスクを軽減し、プロジェクトを順調に進めることができます。

ブランドの一貫性

クリエイティブブリーフは、すべてのクリエイティブ成果物がブランドのアイデンティティやメッセージのガイドラインに沿うようにすることで、ブランドの一貫性の維持に役立ちます。

クリエイティブブリーフはいつ使用すべきか

クリエイティブブリーフは、様々な形、規模、スタイルのプロジェクトを対象としています。そのため、プロジェクトに階層システムを採用して、必要なブリーフィングのレベルを示しています。階層1、2、3の説明は次のとおりです。

  1. 階層1: 非標準的で反復的ではない、非常に概念的な作業。この作業は曖昧になりやすい傾向があるため、クリエイティブブリーフが必須です。そうしないと、チームメンバーがどこから手をつけてよいのかわからず、間違った方向に進んでしまうリスクが高くなります。例として挙げられるのは、広告キャンペーン全体で、チームが作業を開始する前に、クライアントから多くの指示を受ける必要があります。
  2. 階層2: これまでの作業を成果物全体にわたって実行。既に定義され、完了した作業であるため、階層1のクリエイティブブリーフのような詳細な説明は必要ありません。しかし、まったく使用しなければ、チームはリスクを負うことになります。例としては、社内クライアント向けのwebサイトのランディングページなどが考えられます。おそらく、このようなページは既に何十も作成しており、期待される内容の大まかなイメージは持っているでしょう。しかし、作業を開始する前に、必要な情報がすべて揃っていることを確認しておくことは常に重要です。
  3. 階層3: テンプレート化された作業の編集、修正。このレベルでは、最も短いブリーフで済みますが、単純であってもプロジェクトの説明は必要です。さらに、クリエイティブブリーフのような形式を要求せずに、付箋や雑談で細かいことをやり過ごしてしまうと、すぐに問題が発生します。

クリエイティブブリーフの書き方

包括的で効果的なクリエイティブブリーフを作成する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクトとその目的を定義する: プロジェクトの目的、背景、目標など、プロジェクトの概要を説明します。会社の簡単な沿革と企業価値提案、主要製品、競合他社、顧客などを含めるといいでしょう。

    次に、プロジェクトで達成すべき目的を明確に定義します。クリエイティブプロジェクトの目標を策定する際には、タイミング、予想される結果、目標設定、測定可能なデータなどの重要な点を考慮するようにします。
  2. ターゲットオーディエンスを特定する: デモグラフィック、サイコグラフィック、ニーズ、問題点など、ターゲットオーディエンスの詳細な説明を提供します。ターゲットオーディエンスに関する情報が詳細であるほど、クリエイティブチームは、このオーディエンスの共感を呼ぶ作品を作成できる可能性が高まります。
  3. 説得力のあるメッセージを作成する: ターゲットオーディエンスに伝えたい重要なメッセージを決定します。主なポイントは何か?どのようなトーンで表現すべきか?
  4. 成果物の概要を示す: 形式、サイズ、仕様など、クリエイティブチームに期待する具体的な成果物のリストを明記します。必要なファイル形式(JPG、PNG、PSDなど)、サイズ情報(300x250ピクセルなど)、および適切なクリエイティブアセットの納品に必要なその他の重要な詳細情報を記載するようにします。
  5. スケジュールと予算を決定する: 各段階の期限とクリエイティブ作業のための予算を明確にした、現実的で明確なプロジェクトスケジュールを設定します。ほとんどのクリエイティブブリーフには、マイルストーンと成果物の期限を含むプロジェクトスケジュールが含まれています。
  6. 主要な関係者および責任を決定する: プロジェクトに関与する主要な関係者を特定し、その役割と責任を明確に定義します。マーケティングチームとクリエイティブチームは、クリエイティブブリーフの実行に欠かせない存在ですさらに、ソーシャルメディアチーム、web開発者、外部代理店、クライアント、パートナーも、すべてのプロジェクトにおける重要な関係者です。これらの関係者(およびその責任)をすべて概要に明記してください。

クリエイティブブリーフの例

参加者、範囲、規模に応じて、プロジェクトによって必要な情報は異なります。作業を開始しやすいように、様々なタイプのプロジェクトにおけるクリエイティブブリーフの例をいくつか紹介します。

Webサイトデザイン

Webサイトの目的、ターゲットオーディエンス、必要な機能、全体的な見た目に焦点を当てます。サイトマップ、ワイヤーフレーム、デザインのインスピレーションなどの詳細も記載します。

マーケティングキャンペーン

キャンペーンの目標、ターゲットオーディエンス、チャネル、コンテンツ戦略、主要業績評価指標(KPI)の概要を示します。成功したマーケティングキャンペーンの例や競合他社分析も記載する場合があります。

ビデオ制作

ビデオの目的、ターゲットオーディエンス、主要なメッセージ、スタイル、配信チャネルについて詳しく説明します。また、ビデオの長さ、フォーマット、脚本、撮影、編集に関する具体的な要件などの情報も含みます。

効果的なクリエイティブブリーフを書くためのベストプラクティス

これらのベストプラクティスを参考にすることで、ブリーフを明確かつ実行可能にし、戦略的目標と整合させることができます。これにより、チームはスムーズかつ効果的なプロジェクト実行に向けて準備を整えることができます。効果的なクリエイティブブリーフを作成する際に留意すべき重要な原則を次に示します。

誰がクリエイティブブリーフを記入すべきか

クリエイティブブリーフを記入するチームメンバーは、会社によって異なります。代理店やインハウスエージェンシーの場合は、クライアントサービス担当の代表者または担当アカウントマネージャーがクライアントと面談し、クリエイティブブリーフを確認するのがベストプラクティスです。プロジェクト要件を全員が確実に理解するために、クリエイティブディレクターも参加してもらうとよいでしょう。

社内のクリエイティブサービスチームの場合は、チームのワークフローに最適なプロセスを決定する必要があります。クリエイティブディレクターが社内のクライアントと面談してブリーフを完成させるのが最も理にかなっているでしょう。チーム内に、その役割をより適切に果たせるトラフィックマネージャーや制作マネージャーがいるかもしれません。

いずれにしても、クライアントにドキュメントを送って、クライアント自身に記入してもらうことは避けましょう。これは、次のような問題につながる可能性があります。

時間の節約と苛立ちを回避するために、代理店でも社内チームでも、クライアントと最初のミーティングを行い、クリエイティブブリーフを一緒に記入し、必要に応じて要点を明確にしておきましょう。

別の方法としては、クリエイティブブリーフがビルトインされたAdobe Workfrontなどのマーケティング作業管理ソフトウェアを使用します。このソフトウェアでは、クライアントは最初の依頼時に、チームに必要な情報を提供する必要があります。この場合でも、ベストプラクティスとしては、制作を開始する前に、時間をかけてクライアントとミーティングを行い、全員が同じ認識を持つようにすることをお勧めします。

よくある課題と落とし穴

クリエイティブブリーフはプロジェクトの成功に不可欠ですが、避けるべき一般的な課題がいくつかあります。

明確さに欠ける

最大の課題の一つは、ブリーフが明確、簡潔、そして理解しやすいものであるようにすることです。曖昧さを避け、プロジェクトの目的、ターゲットオーディエンス、成果物を正確に表現する言葉を使用するようにします。

詳細不足

詳細が不足しているブリーフは、誤解や手戻りの原因となります。プロジェクトの背景、ターゲットオーディエンスのデモグラフィック、メッセージのガイドライン、具体的な成果物など、必要な情報はすべて含めるようにします。

過度に規範的

明確な方向性を示すことは重要ですが、過度に規範的にならないようにします。クリエイティブチームに、定義されたパラメーターの中でアイデアを探求し、革新的なソリューションを開発するための柔軟性を与えてください。

共同作業の欠如

クリエイティブブリーフの作成プロセスに主要な関係者を関与させないと、方向性のずれや不満が生じるおそれがあります。関係するすべての関係者が意見やフィードバックを提供する機会を必ず設けるようにします。

これらの課題を回避したクリエイティブブリーフを作成して、プロジェクトを効果的に進め、成功に導きましょう。

クリエイティブブリーフの技術を習得する

綿密に作成されたクリエイティブブリーフは、クリエイティブプロジェクトを成功させる基盤となります。明確なロードマップとガイドラインを提供することで、クリエイティブチームは、クライアントの目標を満たし、ターゲットオーディエンスの共感を呼ぶ高品質の成果物を提供できます。このガイドで説明する手順に従うことで、クリエイティブブリーフの技術を習得し、クリエイティブプロジェクトを成功に導くことができます。

クリエイティブブリーフのプロセスを合理化し、共同作業の強化を希望している場合は、Adobe Workfrontがクリエイティブプロジェクトの管理と実行のための強力なプラットフォームを提供します。Workfrontを活用すると、ワークフローの自動化、進捗のリアルタイム追跡、プロジェクト関連情報の一元管理が可能になり、クリエイティブブリーフにいつでもアクセスでき、常に最新の状態に保つことができます。