累積フロー図(CFD)とは?

Adobe for Business Team

05-23-2025

ノートパソコンを操作する女性の上に、12のアクティブなプロジェクトを示す累積フローチャートが重ねられている。

累積フローダイアグラム(CFD)は、アジャイル型のプロジェクト管理手法であるカンバン方式で使われる分析ツールです。チームに対してワークフローとプロジェクト全体の進捗を可視化して示します。CFDはチームがワークフローの安定性を監視し、ボトルネックをより正確に予測するのに役立ちます。

このフロー図は、作業がどのようにプロセスを流れていくかを示します。横軸(X軸)は時間を、縦軸(Y軸)は作業項目の数を表します。グラフ上の各色の帯は、ワークフローの特定のステージに対応しています。これらのステージには、たとえば以下が含まれます。

累積フローダイアグラムはソフトウェア開発の現場で広く使われています。また、輸送などの他業界でも利用され、サイクルタイムの分析、仕掛かり作業(WIP)の上限管理、チームのスループット向上に活用されています。

累積フローダイアグラムは何を示すのか?

累積フローダイアグラムは、3つの主要な指標を可視化します。「ロック」と「閉じる」の説明は以下のとおりです。

この記事の内容:

CFDを活用するメリット

CFDはワークフローをより明確に可視化できるため、業務効率の向上やボトルネックの削減につながります。CFDを利用する主な利点は次のとおりです。

累積フローダイアグラムの主要構成要素

累積フローダイアグラムには4つの主要な構成要素があります。それは時間(X軸)、作業項目(Y軸)、ワークフローの状態、スループットラインです。それぞれがどのような役割を果たしているのかをもう少し詳しく見てみましょう。

累積フローダイアグラムの読み方

提案中、進行中、解決済み、クローズ済みのプロジェクトタイムラインを示す累積フローダイアグラム。

累積フローダイアグラムは、プロセスタイムラインのどの時点でもワークフローの各ステージのタスク数を明らかにします。タスクは縦軸に、プロセスタイムラインは横軸に表示されます。

異なる色の帯は、カンバンボード上にあるワークフローの各ステージを表しています。帯を見ることで、特定の時点でプロセスの各ステージにどれだけのタスクがあるかがわかります。

各帯の上端は各タスクがカンバンボードのそのステージに入った時点を、下端はそこから出た時点を示します。この2本の線の間隔が一定であれば、ワークフローは安定していることがわかります。

累積フローダイアグラムで注視すべき点。

グラフ下部の「Done(完了)」列は、各期間にチームが完了した作業を示します。2点間の帯の傾きは、チームの平均スループットを表します。

累積フローダイアグラムの作成方法

累積フローダイアグラムを作成する手順を示すチャート。

累積フローダイアグラムの作成に複雑な手順を踏む必要はありません。初めに、以下の手順を実行します。

  1. フローダイアグラムの目的を定義する。 CFDで分析するプロセスを特定する。達成したいものを明確にする。
  2. タスクを特定する。 タスクは時系列順に整理する必要があります。すべてのステップを理解するには、実際のプロセスを観察し、ドキュメントを確認することが必要になる場合があります。
  3. タスクを整理する。 作業フローの図形記号を使い、適切な形で機能をラベル付けします。たとえば意思決定にはひし形、作業の流れには矢印を使います。
  4. チャートを作成する。手書きでも、 Adobe Workfrontのようなデジタルツールを使ってもかまいません。
  5. フローダイアグラムを確認する。 実際にそのプロセスに関わっている人たちと手順を一緒に確認し、正確性を確かめます。
  6. 作業を追跡する: タスク、ユーザーストーリー、バグなど、すべての作業項目をプロジェクト管理ツールで追跡します。
  7. ワークフローのステージを定義する: 作業項目が通過するステージを明確に定義します。例:「未開始」「進行中」「レビュー」「完了」。
  8. データを収集してプロットする: 各ステージの作業項目の累積的な流れを、時間経過に沿って定期的にデータ収集して可視化します。

アジャイル手法における累積フローダイアグラム

アジャイルの枠組み(Kanban、SAFe、LeSSなど)では、CFDは複数チームやプロジェクトをまたいだワークフローの可視化と管理にますます活用されています。累積フローダイアグラムとバーンダウンチャートはいずれもアジャイル開発で使われますが、目的は異なります。CFDはタスクが各ステージをどう進んでいるかを追跡し、バーンダウンチャートはタスクの完了数を時間の経過とともに追跡します。

高度なCFD分析

CFDは基本機能に加えて、より深い分析にも活用できます。代表的な応用例は次のとおりです。

累積フローチャートの種類。

CFDは目的ごとに異なる種類のフローチャートに分類できます。たとえば:

フローチャートの一種とみなされる関連図には次のようなものもあります。

CFDを正しく使えば、ワークフローの安定性や改善すべき課題を特定できます。累積フローダイアグラムを正しく分析・監視すれば、継続的なプロセス改善のために注力すべき領域が明確になります。つまり、累積フローグラフはチームやプロジェクト全体の生産性と効率を高めるためのツールです。

累積フローダイアグラムツールを使い始める

CFDの作成・管理を支援するツールは複数あります。Workfrontのように、CFD機能を組み込んだプロジェクト管理ソフトも含まれます。専用のCFDツールは、CFDの作成と分析に特化しています。

ツールを選ぶ際には、次の要素を考慮してください。

クラウドベースのワークマネジメントソリューションAdobe Workfrontは、チームによるリソースの計画、追跡、管理を支援します。アジャイルを含む複数の手法に対応しています。Workfrontはプロジェクト管理を一元化し、部門横断でのタスクを効率化します。

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