A3プロセスとは:概要と利点を解説

Woman learns about A3 problem solving on her computer.

アドベンチャー環境では、企業は常に複雑な問題に直面しています。チームは長期にわたってこれらの問題に取り組み、貴重な時間とリソースを費やさなければならず、本来果たすべきタスクの進捗を妨げています。チームには、混乱を脱し、全体的な状況を把握して、問題を迅速に解決するための、シンプルで効率的な手法が必要です。

A3プロセスは、多くの企業にとって、複雑な課題を簡潔にまとめて、実践的な解決策を提案するための優れた問題解決手法となります。この記事では、A3プロセスの概要、利点、活用方法を解説します。

主な内容:

A3プロセスとは?

A3プロセスとは、問題の概要と考えられる解決策をA3用紙1枚にまとめる、体系化された問題解決手法です。「A3」という名前は、プロセスを文書化するために従来使用されている、標準サイズのA3用紙(297mm×420mm)に由来しています。 問題の概要と解決策を簡潔なフォーマットにまとめることで、チームや組織内の明確なコミュニケーションと効果的な意思決定プロセスを促進できます。

A3プロセスは、リーンマネジメントの先駆者であるトヨタによって生み出されました。現在は製造業だけでなく、さまざまな分野で採用されています。A3プロセスは、1960年代にトヨタ生産方式(TPS)を構成する要素のひとつとして考案されました。このプロセスは、同社が生産プロセスを継続的に改善し、社内のあらゆるレベルで問題解決の文化を育むうえで、重要な役割を果たしました。

A3プロセスは、複雑かつ多様な課題に対応する優れた汎用性により、さまざまな業界で普及しています。非効率なプロセス、品質上の欠陥、プロジェクト管理の問題、顧客からの苦情、組織的な課題など、どのような課題であれ、その課題に対する共通認識を促進し、効果的な解決策を見つけるための当事者意識と集団的責任感を醸成できます。

A3プロセスに携わる主な役割は、次のとおりです。

A3プロセスとは、問題の概要と考えられる解決策をA3用紙1枚にまとめる、体系化された問題解決手法です。

A3プロセスの利点

A3プロセスを活用すれば、組織やチームが複雑な課題により効果的に取り組み、持続可能な改善を実現できるようになります。この体系化されたアプローチは、次のような利点をもたらします。

A3プロセスを活用するための8つのステップ

A3プロセスでは、リーン手法の PDCAサイクルにもとづいて、体系的な問題解決プロセスを推進します。次の8つのステップに従うことで、A3プロセスの効果を最大化できます。

  1. 問題の特定: 問題とは、組織の運営方法と現在の状況との違い、つまりギャップのことです。まず、問題や改善の機会を明確に定義することから始めましょう。問題の概要を簡潔に説明し、組織の目標と目的に合致するようにします。問題の重要性と影響を強調しながら、チームメンバー間で問題に関する共通認識を確立します
  2. 現状の把握: 関連するデータ、事実、分析結果など、全体的な状況を把握し、チームメンバーに提示します。このステップでは、既存のプロセス、システム、問題の根本原因を徹底的に分析します。図表などの視覚要素を使用して現状を視覚化することで、問題の背景を把握しやすくなります
  3. 目標の設定: 望ましい成果や解決策を表す、明確で測定可能な目標を設定します。目標は、SMARTの法則に従って、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限付き)である必要があります。このステップは、共通の目標の達成に向けて、チームの施策を調整するのに役立ちます
  4. 根本原因の分析: 詳細な根本原因を実施し、問題の根本原因を深く掘り下げます。5Why分析、フィッシュボーン図、パレート図などのさまざまな問題解決手法を利用して、問題の主要原因を特定します。これにより、効果的な問題解決のために、優先的に対処する必要がある問題について、有益なインサイトを獲得できます
  5. 解決策の立案: ブレインストーミングをおこない、根本原因に対処するための対策を立案します。クリエイティブな発想を促し、さまざまな視点を考慮しながら選択肢を広げる必要があります。各対策の実現可能性、影響、設定された目標との整合性を検証します
  6. 実行計画の策定: 選択した対策を効果的に実行するための、詳細な計画を策定します。対策を成功させるために必要となる施策、責任、スケジュール、リソースを決定します。計画を管理可能なタスクに分割し、進捗状況を追跡するためのマイルストーンを設定します
  7. 効果の測定: 対策を実行し、その効果を詳細に追跡します。データを収集して分析結果を検証し、実行した対策が望ましい成果を生み出しているかどうかを判断します。このステップでは、現状と目標を比較し、プロセスをどの程度改善できたかどうかを検証します
  8. 作業標準の更新: 測定結果にもとづいて、標準プロセス、作業指示、ガイドラインを更新し、改善された慣行を反映します。更新された標準を文書化し、関係者に通知します。このステップにより、問題解決プロセスから得られた知識を制度化し、継続的な組織改善策に組み込むことができます

A3報告書

The A3 report

A3報告書とは、問題解決プロセスを簡潔にまとめた文書です。A3報告書には、次の要素を含める必要があります。

  1. 問題の特定
  2. 現状の把握
  3. 目標の概要
  4. 根本原因の分析
  5. 解決策
  6. 実行計画
  7. 評価
  8. フォローアップ

まず、A3報告書の上部に、タイトル、日付、チームリーダーとチームメンバーの名前を記入します。

ページの左上から、問題の概要と問題解決プロセスを順番に記入します。ページの左側には、最初の4つのステップを記入します。これらのステップでは、問題を徹底的に分析します。分析はページの半分を占めます。これは、問題解決プロセスに要する時間の約半分を費やす必要があるためです。

最初の4つのステップを完了したら、ページの右上に移動し、残りの4つのステップを記入します。ページの右側では、改善策のアイデア、実行計画、評価、フォローアップなど、解決策を詳細に説明します。

A3報告書を使用すれば、A3プロセスを簡素化し、迅速な問題解決に向けた、体系的かつ集中的なアプローチを実現できます。

A3プロセスに取り組む

A3プロセスでは、A3用紙1枚を活用して複雑な問題を簡潔に説明し、意思決定プロセスの合理化、チームワークの促進、継続的かつ持続可能な改善を実現できます。

A3プロセスに取り組む準備ができたら、アドビのA3報告書のテンプレートをご活用ください。A3プロセスをスムーズに導入し、複雑なビジネス課題に取り組むことができます。

Adobe Workfrontを利用すれば、問題解決プロセスをさらに合理化できます。A3報告書などのデジタルプロジェクトを最適化して一元管理し、部門間の連携とコラボレーションを促進して、チームメンバーがどこにいても解決策を実行できるようになります。

Adobe Workfrontの詳細については、製品ツアーおよび動画をご覧ください。