2010年代、投資家のジョン・ドーアは、企業が目標を達成するための新しい方法として「OKR」(目標と主要な成果)を提唱し、普及させました。
OKRは、最終目標とそこに到達するためのロードマップを定義するだけでなく、個人とチームの取り組みを、事業全体の目標と連携させ、全員が「成功」という一つの事柄に集中し続けることを目指します。
適切に実施されれば、OKRは企業のあらゆる階層の従業員が同じ重要な課題に焦点を当て、パフォーマンスと成果を向上させ、透明性と 責任を全社的に確保するのに役立ちます。
以下では、OKRの仕組みをより詳しく解説し、企業で実践するためのヒントをご紹介します。
この記事の内容:
OKRとは?
OKR(目標と主要な成果)は、シンプルでありながら強力な目標設定のフレームワークであり、企業の成長と高いパフォーマンスを実現するための重要なアプローチとなり得ます。
これにより企業は、何を達成したいのか(O:目標)、そして、その成功をどのように測定するのか(KR:主要な成果)を明確に理解できます。正しく活用すれば、測定可能で重要な目標に向かって、社内の全員の意識を統一し、エンゲージメントを高めるための効果的なツールとなります。
組織内に明確さをもたらし、あらゆるレベルの従業員を企業の最も重要な ビジネス目標 に結びつけるように設計されたOKRは、明確な成果を伴う、挑戦的で協力的な目標を設定することに主眼を置いています。
- OKRにおけるO(目標)は、「戦略的テーマ」、つまり、達成すべきことを示す、包括的で定性的な見出しのようなものだと考えてください。
- O(目標)に対するKR(主要な成果)は、KPI(重要業績評価指標)に似ています。KR(主要な成果)は、指標または測定可能なマイルストーンのいずれかとなります
OKRのパイオニアであるジョン・ドーアは、ハーバード・ビジネス・レビュー のインタビューで 次のように述べています。「O(目標)とは、私が達成したいと望むものです。KR(主要な成果)とは、それを達成するための方法です。O(目標)は、通常、より長期的なものです。目標は、大胆で、意欲的なものでなければなりません。KR(主要な成果)は野心的ですが、常に測定可能で、期限が定められ、その数は限定的でなければなりません」
OKRの簡単な歴史
OKRの歴史には、米国の企業史を彩る錚々たる顔ぶれが登場します。
- 1954年、現代経営学の父と称される経営の第一人者、ピーター・ドラッカーが、自身の「目標による管理(MBO)」フレームワークによって、OKRの基礎を築きました。
- しかし、MBOには、質より量 を重視するという欠点がありました。
- 数十年後、シリコンバレーで急成長していたハイテク業界で、IntelのCEOであったアンディ・グローブがMBOを導入しました。包括的な目標よりも個々の主要な成果を重視する考え方を加え、Intel向けに「目標によるIntel経営(IMBO)」としてMBOを独自に発展させたのが、このグローブでした。
- そして、今日私たちが知るOKRを主流にしたのが、当時Intelでグローブの部下として働いていたジョン・ドーアです。Googleの主要な投資家として、1990年代後半に創業者であるラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンにOKRを注目させたのも、ドーアの働きかけでした。
- LinkedIn、Twitter(現X)、Uberといった有名企業がそれに続き、2010年、ドーアは自著 『Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ)』 で、OKRの第一人者としての地位を不動のものとしました。
OKRのメリット
経営目標設定システムおよび方法論として、OKRは、全員の取り組みを最重要課題に集中させ、従業員の仕事を組織にとって本当に重要なことへと結びつけるように設計されています。
OKRが広く採用されている理由は、ジョン・ドーアが「F.A.C.T.S.」と呼ぶ5つの主要なメリットに集約されます。

一つ一つを説明していきましょう。
- フォーカス(焦点) 企業が結果を求めるシンプルな目標を設定すると、従業員は明確な フォーカス を持つことができます。従業員は、自分の仕事の目的が何かと疑問に思う代わりに、組織のミッションに自分がどう貢献しているかを正確に把握できます。公式サイト「What Matters」によると、目標は一度に3つまでとし、各目標につき3〜5個程度の主要な成果を設定するのが最善だとされています。これは、優先事項に集中するための優れた方法です。
- アラインメント(連携) 達成すべき明確で高いレベルの目標リストを作成することで、組織全体の認識を統一することができます。チームや部門が 連携 することで、設定された目標を達成するために、より効果的に協業できます。
- コミットメント(主体的な貢献) 企業の最終的な目標と、それを達成するための自分の役割を全員が理解すれば、従業員はより積極的に、そして 主体的 に職務に取り組むようになります。逆に、明確に定義された目標がなければ、従業員のエンゲージメントや士気は低下しかねません。
- トラッキング(追跡) OKRのフレームワークでは、組織は目標を設定すると同時に、それに関連する主要な成果を選び出す必要があります。そのため、企業はより簡単に目標を追跡し、成長に向けた取り組みの効果を測定することができます。
- ストレッチ(挑戦) OKRの主要な成果を選ぶ際、組織は ストレッチ 目標(挑戦目標)として機能する指標を1つか2つ選ぶことができます。これは、最重要ではないものの、企業が常に意識しておくべき目標です。ただし、これらの主要な成果は、達成可能で、かつ企業全体のミッションに関連するものでなければなりません。
さらに、アジリティ(俊敏性) というメリットもあります。OKRが他の目標設定手法と異なるのは、一度設定したら変更できないわけではない、という点です。OKRは通常、短期的な目標期間と包括的な目標に焦点を当てるため、ビジネスのニーズに合わせて、より俊敏に進化させることができます。
OKRの公式 — O(目標)とKR(主要な成果)の定義
アプローチを分かりやすく定義すると、次のようになります。
- O(目標) とは、達成したいゴールそのものです。シンプルで、行動に移しやすいものでなければなりません。明確な目標を定めることで、チーム内の混乱を避け、全員が共通のゴールに向かって連携することができます。
- KR(主要な成果) とは、目標に到達しているかどうかを判断するための指標ですKR(主要な成果)は具体的かつ測定可能でなければなりません。そうでなければ、目標に対する進捗度を正確に判断することはできません。たとえば、自社のビジネスを成長させたい、という目標があるとします。その場合のKR(主要な成果)としては、「収益を200万ドルに増加させる」「新製品をリリースする」「1年以内に25,000件の新規リードを獲得する」などが考えられます。
ジョン・ドーアが提唱した以下の公式から始めると良いでしょう。
「私は『Y』(KR:主要な成果)によって測定される『X』(O:目標)を達成する。」
この公式を使えば、O(目標)を、四半期や年間の企業目標とすることができます。そして、それらはKR(主要な成果)によって測定されます。これらは明確で、野心的かつ、意欲をかき立てるものでなければなりません。そうすることで、あらゆるレベルの従業員が企業の主要なゴールを理解し、一丸となって取り組むことができます。
年間など、特定の期間に対するO(目標)とKR(主要な成果)を決定したら、次にそれらを自社のビジネスと連携させることを考える必要があります。大企業の場合、チームごとに優先順位や働き方が異なるため、これは当然ながら難しい課題となります。
そこで登場するのが「カスケードOKR」です。これは、全社レベルの大きなKR(主要な成果)を、チーム単位の小さなKRへとブレークダウンしていくプロセスです。一般的には、次のようなプロセスをたどります。
- まず、高次のOKRが部門長、マネージャー、その他の従業員に説明されます。
- 次に、各担当者が特定のKR(主要な成果)のオーナーシップを持ち、それを達成するための最善の方法を決定します。
- そして、そのKRが一つ下の階層のO(目標)となり、タスクが完了するまで、このプロセスが繰り返されます。
このプロセスが、あまりに「トップダウン」的、あるいは一方的だとみなされるのを避けるため、ドーアは、あらゆるレベルの従業員が自身のKRを設定し、プロセスへの参加とオーナーシップを確保することを推奨しています
OKRの種類と活用法
大まかに言うと、OKRは「学習」「コミット」「挑戦」という3つの基本的なカテゴリーと、ビジネス構造への適用方法に影響する、さまざまな種類に分類されます。

さらに詳しく見ていきましょう。
学習OKR
学習OKRは、あらかじめ定義された目標とは対照的に、新しい知識やスキルの習得を優先し、実験と継続的な改善に焦点を当てます。新しいアプローチを模索する上で価値があり、それが将来のOKRに反映されることもあります。
コミットOKRと挑戦OKRの比較
コミットOKRは確固たるコミットメント(必達目標)であり、事前に定義された指標に対して、サイクルの終わりまでに合格点を達成することが期待されます。一方、挑戦OKR(「ストレッチ目標」や「ムーンショット」とも呼ばれる)は、完全な達成が保証されていなくても、限界を押し広げる野心的な目標です。
トップダウンOKRとボトムアップOKRの比較
トップダウンOKRでは、包括的な目標を中心にチームを連携させます。逆に、ボトムアップOKRは、現場レベルのチームや個人から生まれ、企業全体の戦略と連携しつつも、創造性とオーナーシップを育みます。
個人OKR
OKRのフレームワークは、仕事の場面だけに限定されるものではありません。個人OKRを使えば、同じ原則を個人の目標に適用し、自己成長を促進したり、個人の目標と仕事上の目標を連携させたりすることができます。
プロジェクトOKR
プロジェクトOKRは、特定のプロジェクトのゴールを、より大きな組織の目標と連携させます。これにより、個々のプロジェクトが、企業全体の戦略的な方向性に確実に貢献するようになります。
四半期OKR、年間OKR、ローリングOKR
OKRの期間は柔軟で、組織のニーズに合わせて調整できます。四半期OKRは短期的な集中をもたらし、年間OKRは長期的な方向性を定め、ローリングOKRは継続的なレビューと適応を可能にします。
クロスファンクショナルOKR
クロスファンクショナルOKRでは、複数の部門やチームが共通の目標に向かって協力し、サイロを打破して、部門間の連携と協力を促進します。
OKRの例
企業ごとに、さまざまなOKRがあります。しかし、ここでは、自社のOKRを設定する際のヒントとなるよう、さまざまな業界の例をいくつかご紹介します。
営業チームのO(目標):新しい顧客コミュニティを立ち上げる。
KR(主要な成果):
- ベストプラクティスに基づく顧客コミュニティ戦略を作成する。
- 四半期中に60本の記事を公開し、6,000以上のページビューを獲得する。
- 顧客の30%をコミュニティに参加させる。
コミュニティ管理のO(目標):業界の専門家やソートリーダーにコミュニティを認知させる。
KR(主要な成果):
- 第1四半期に、12人の業界専門家やソートリーダーにアプローチする。
- 彼らにインタビューを行い、インタビュー記事をコミュニティサイトで公開する。
- 業界レポートとインフォグラフィックを調査・作成し、コミュニティで公開する。
CEOのO(目標):ビジネスを成長させる。
KR(主要な成果):
- 収益を300万ドルに成長させる。
- 新製品を発売する。
- カスタマーサクセスを通じて、年間解約率を5%未満に削減する。
PR・アナリスト担当のO(目標):強固な関係を構築する。
KR(主要な成果):
- 第1四半期に、アナリスト向け説明会を2回実施する。
- アナリストレポートへの申請を行う。
- ウェビナーに2人のアナリストを登壇させる。
- アナリスト向け電話会議を2回開催し、新製品の最新情報を提供する。
パートナーマーケティングのO(目標):パートナーとリセラーのコミュニティを構築する(MQLの創出)。
KR(主要な成果):
- 第1四半期までに、パートナー向けの新しいホワイトペーパーを5本公開する。
- パートナーの教育を目的としたウェビナーを7回開催する。
- パートナー向けに、5都市で「ランチ&ラーン」イベントを実施する。
全社的なO(目標):グローバルな法人向けビジネスを成長させる。
KR(主要な成果):
- 全世界での売上目標である1億ドルを達成する。
- EMEA地域で、前年比100%の売上成長を達成する。
- 全社平均の案件規模を(アップセルによって)30%拡大する。
- カスタマーサクセスを通じて年間解約率を5%未満に削減する。
デマンドジェン(需要創出)担当のO(目標):顧客獲得を最適化する。
KR(主要な成果):
- 新しいマーケティングオートメーションのプロセスを改善する。
- 第3四半期に、顧客獲得コストを20%削減する。
- ROIを分析するため、新しいトップダウンおよびボトムアップのExcelモデルを構築する。
OKRテンプレート の詳細をご覧ください。
OKRとKPIの違い
OKRとKPI(重要業績評価指標)はある程度関連していますが、両者には重要な違いがあります。
- OKRは、包括的な目標設定のフレームワークです。これまで見てきたように、OKRはO(目標)とKR(主要な成果)の両方で構成されます。
- 一方、KPIは、組織の成功に必要となる要因を決定するものです。たとえば、「第2四半期までに売上を50%増加させる」といったものがKPIにあたります。
重要なのは、KPIはOKRの中に含まれる、という点です。具体的で実行可能な指標を含むKPIは、KR(主要な成果)の中に自然に組み込むことができます。
OKRを効果的に導入し管理する方法
OKRの導入を成功させるためには、継続的な改善へのコミットメントと、体系的なアプローチが必要です。
ステップごとに見ていきましょう。目標設定や主要な成果の定義から、レビュー、調整、そしてその先まで順を追って進めます。
効果的な目標を設定する。
インパクトがあり明確な目標を掲げること。それが優れたOKRを築くための基盤になります。
目標は次のような特性を持つべきです。
- 明確かつ簡潔であること。 専門用語や曖昧な表現を避け、わかりやすい言葉で記述すること。部署や役職に関わらず、組織の誰もがOKRを理解できるようにすべきです。不明確で拙い目標は、後々混乱を招きます。
- 野心的でありながら達成可能であること。 目標は、組織のチームや個人が成長できるよう十分なチャレンジ性を持つ必要があります。ただし現実的であることも重要です。過度な野心は、かえってチームのモチベーションを下げてしまう恐れがあります。能力を押し広げつつ、手の届く範囲にある「ストレッチゴール」が理想です。
- 会社の戦略と一致していること。 目標は、企業全体の戦略的方向性を直接的に支えるものでなければなりません。これにより、全員の努力が組織の長期的ビジョンの達成に結びつきます。この整合性が欠けると、OKRは分散し、効果を失います。
- 数を限定すること。 チームに過大な負担をかけないように、四半期ごとの目標数は絞り込むべきです。一般的には、最も重要な優先事項にリソースと注意を集中させるために、目標数を3つから多くても5つに抑えることが望ましいでしょう。
よく書かれた目標の例を3つ紹介します。
- 「顧客満足度を15%向上させる」
- 「顧客のフィードバックを基に、製品に新しい機能を3つ追加する」
- 「対象市場でのシェアを10%拡大する」
測定可能な主要な成果を定義する。
主要な成果(KR)は、目標達成に向けた進捗を示す具体的なステップです。効果的なKRは、多くの場合SMARTの原則に従います。
- 具体的であること: 達成すべきことを明確に定義し、曖昧さを排除します。
- 測定可能であること: 客観的に進捗を追跡できる数値指標を含めます。たとえば、数値目標(売上増加・顧客獲得)、パーセンテージ(市場シェアの拡大・顧客満足度)、または完了率(プロジェクトのマイルストーン)などが考えられます。
- 達成可能であること: 野心的であっても、設定された期間内で実現可能でなければなりません。
- 関連性があること: 各KRは、その目標の達成に直接結びついている必要があります。
- 期限があること: 各KRには明確な締め切りを設け、責任を明確にし、進捗を管理できる枠組みを作ります。
定量的および定性的な主要な成果の例。
- 定量的な例:「Webサイトのトラフィックを20%増やす」「新規売上を100万ドル創出する」「顧客離脱率を5%削減する」
- 定性的な例:「包括的な市場分析を完了する」「成功するマーケティングキャンペーンを実施する」「顧客のオンボーディングプロセスを改善する」
各KRには、進捗管理と責任を担う明確なオーナーを設定する必要があります。この担当者がKRの進捗を更新し、状況を報告します。
OKRレビューのリズムを確立する。
定期的な進捗確認と進捗レビューは、モメンタムを維持し、必要な調整を行うために欠かせません。これには次の要素が含まれます。
- 頻度: OKRは通常四半期単位で設定されますが、進捗を確認し課題を把握してサポートを行うには、週次や隔週の進捗確認が重要です。
- 効果的な会議: チェックインの場は焦点を絞って効率的に行い、進捗状況の共有や課題解決、必要に応じたアプローチの調整に活用します。
- フィードバックと調整: 定期レビューはフィードバックを取り入れ、改善点を見つけ、OKRを現実的で有効なものにする好機となります。この反復的なアプローチこそが、OKRシステムが最大の効果を発揮するためのポイントです。
四半期を通じて、スタッフとの定期的な進捗確認を行い、状況を把握することが重要です。OKRは企業の最重要課題に沿って設定し、正しい目標に向かって進んでいることを確認します。
OKRの可視性、整合性、進捗を維持することが、成功に直結します。Adobe Workfront のようなシステムを使えば、進行中の業務とOKRを戦略的に整合させ、目標達成を加速し、成果を高められます。
OKRとその他の目標管理手法の比較。
OKRがご自身や組織に合わないと感じる場合には、他にもさまざまな目標設定手法を利用できます。
OKKRとMBO(目標による管理)の比較。
両者の大きな違いは対象範囲(スコープ)にあります。OKRは、組織全体に影響を与える挑戦的で高い理想を掲げ、測定可能な成果を重視します。MBOは、個人の業績に基づいた、より具体的な目標の設定と管理に焦点を当てます。
MBOは状況変化への対応力に欠ける傾向がありますが、OKRは柔軟に調整可能です。この柔軟性の多くは、設定サイクルの違いに由来します。OKRは四半期ごとの目標と定期的な進捗確認を強調しているのに対し、MBOは年単位で運用されることが多いのです。
OKRとSMARTゴールの比較。
両者はいずれも「具体的で測定可能」という要素を含みますが、焦点を当てるポイントに違いがあります。OKRは、定性的で高い理想を掲げつつ、主要な成果が測定可能である目標を優先します。これにより、野心を促し、組織全体の整合性を高めます。
SMARTゴールは、特定可能で達成可能かつ追跡可能な目標に焦点を当て、より限定的なアプローチをとります。
OKRとKPI(主要業績評価指標)の比較。
KPIは、あらかじめ設定した目標に対する実績を追跡するための指標です。一部のKPIは、OKRの枠組みにおいて主要な成果として機能することもありますが、両者は同一ではありません。
KPIは主に業績や業務効率を測定します。OKRは、より広い視点から野心的な成果を掲げ、戦略的な変革を推進します。
OKRとバランススコアカードの比較。
バランススコアカードは、財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の観点を考慮した、より広範な戦略的計画とパフォーマンス管理の枠組みです。OKRはバランススコアカードと互換性がある一方で、特定の期間内における目標設定と進捗管理に特化した、より実践的な手法を提供します。
バランススコアカードが組織全体のパフォーマンスを俯瞰的に示すのに対し、OKRは具体的で測定可能な目標の達成に焦点を当てます。
OKRでよくある間違いと、その回避方法
OKRを活用する際に陥りがちな落とし穴をいくつか紹介します。

- 曖昧で不明確な表現。 主観的な言葉や不明瞭な言い回しは避けるべきです。進捗を追跡するためには、定量的で測定可能な目標が不可欠です。
- 非現実的な期待。 過度に野心的な目標を設定すると、モチベーションの低下を招き、進捗を妨げる恐れがあります。
- 「サンドバッギング」。 これは逆に、プレッシャーを避けるために控えめな目標を掲げ、実績で大きく上回るやり方を指します。しかしこの方法は、キャパシティ計画に支障をきたし、野心不足にもつながる恐れがあります。
- 整合性の欠如。 会社全体の戦略と整合しない目標は、労力の無駄や集中力の欠如を招きます。
- 多すぎる目標。 多くの目標を同時に設定すると、焦点がぼやけ、OKRシステムの効果が薄れてしまいます。
- レビュー不足。 目標や主要な成果の進捗を把握しないままでは、年間の目標を達成できなくなります。定期的な進捗確認が不可欠です。
OKR導入の始め方。
OKRを効果的に活用すれば、業務はより効率的かつ高パフォーマンスになり、組織全体に明確さと責任感をもたらします。
Adobe Workfront には、OKRを効果的に作成および追跡するために必要なツールとリソースがすべて揃っています。今すぐ詳細を確認し、自社での導入を始めましょう。
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