営業のDXが求められる背景
これまで、営業は対面が前提で、DXとは最も縁遠い職種のように思われてきました。近年、営業のDXが求められる背景には、どのような理由があるのでしょうか。
顧客行動のデジタル化
営業のDXが求められる背景のひとつとして、顧客行動のデジタル化が挙げられます。
インターネットが普及したことで、顧客は営業の情報提供を待たずにみずから情報を検索し、商品の選定や意思決定を終えるようになりました。これにより、「営業が訪問して情報を提供し、コミュニケーションをとって受注につなげる」という従来の営業プロセスを見直さざるをえなくなり、営業のDXが進んでいます。
今後は、テレアポや飛び込みといった直接的で非効率なアプローチは減り、顧客の購買プロセスと購買意欲の変化に沿って求められる情報を提供した上で、タイミングを見極めてアプローチしていくスタイルが主流になっていくでしょう。
リソース不足
労働人口が減少し、人手不足に悩む職種は少なくありません。中でも営業職は、前述したインターネットの普及に伴う顧客行動のデジタル化や業界の構造見直しなどもあり、2000年代の初めをピークに減少の一途をたどっています。昔のままの人海戦術ではリソースが不足してしまうため、少人数で高いパフォーマンスを発揮できる仕組みづくりが求められています。
具体的な戦略として挙げられるのが、営業戦略としての分業制です。見込み顧客をホットリードに育てるインサイドセールスや、既存顧客とのより良い関係の構築を目指すカスタマーサクセスを導入し、一人ひとりが担当する業務を限定することで活動の量と質を高め、効率的に受注につなげます。
デジタルサービスの増加
営業が取り扱う商材のデジタル化や、ビジネスモデルそのもののデジタル化も、営業にDXが求められる理由のひとつです。
デジタルの製品やサービスを扱いながら、営業方法が訪問営業のみでは顧客への説得力がありません。サービスの変化に合わせて、業務フローやプロセスもデジタル化していく必要があります。
対面営業の制限やリモートワークの普及
コロナ禍では、当たり前に行われてきた訪問営業はもちろん、展示会やセミナーといった対面式の顧客接点が厳しく限定されました。その結果、オンラインでの営業活動が増加し、多くの企業がウィズコロナの世界でも営業プロセスのオンライン化を継続しています。
リモートワークが普及し、営業活動をしようとしても、「顧客の担当者が出社していない」といったケースが増加していることから、100%対面型に戻る企業は少ないと考えられます。
BCP
BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)とは、地震、台風、津波などの災害が起きても、これまでどおり事業を継続していける仕組みのこと。リモートワークで業務を続けられる体制を整えておくことの重要性を、新型コロナウイルス感染症による出社自粛時に感じた企業は多いでしょう。
これまでの教訓を活かして、平時にこそDXによるBCPを進めておくことが大切です。
マーケティング情報が活用されるプロセスの増加
近年、情報収集段階だけでなく、評価や検討、購入の段階でも、非対面チャネルであるマーケティングの情報を信頼して、意思決定の参考にする人が増えています。
このことから、情報収集から購入に至るすべてのステップでデジタルを活用し、優れた顧客体験を提供することで、顧客の意思決定を促すことができるといえるでしょう。