FacebookのオフラインコンバージョンAPIを使用してキャンペーンを最適化する4つの方法

Facebookが先日行ったオフラインコンバージョンAPI(Offline Conversions API)の発表は、マーケターたちの間で、良い意味で多くの騒ぎと反響を引き起こしました。この新しいAPIにより、店舗や小売業者は、オフラインのコンバージョンと デジタルキャンペーン を関連付けて、Facebookのキャンペーンを見た後にオフライン購入を行った人の数を確認できるようになりました。さらにこのオフライン行動を利用して、広告キャンペーンと広告費を最適化することもできます。

Facebookのマーケティングパートナーであるマルケトは、API公開の発表にたいへん喜びました。さらに喜ばしいことは、Marketoとの連携機能によって、オフラインコンバージョンの考えを、BtoBマーケターを含む全マーケターに該当する幅広いユースケースに拡張することが可能になったということです。新しいオフラインコンバージョンAPIをMarketoのシステムで利用する方法を細かく見る前に、まずは基本的な事柄をいくつか押さえておきましょう。

目次

  • オフラインコンバージョンイベントとは?
  • MQLを増やす
  • スコアリングモデルを最適化する
  • 訪問予約の件数を増やす
  • 広告の効果をトラッキングする

オフラインコンバージョンイベントとは?

この場合「オフライン」コンバージョンイベントとは、データベース内の見込み顧客が、Facebookでは測定できないチャネル上で目的の行動を取ることを指します。

Facebookが発表を行ったとき、ビジネス関連の出版社(ForbesAdWeek など)は、小売業者のユースケースを主に取り上げました。確かにこれはオフラインコンバージョンイベントの大部分のユースケースに該当しますが、私はマーケターに影響を与える「オフライン」コンバージョンイベントの可能性はもっと大きいと考えています。実際、マーケターは、オフラインコンバージョンイベントを利用することで、完全なオムニチャネルビューを用意して、どのような場所やチャネル、キャンペーンでも、Facebookにアトリビューションが可能な売上とコンバージョンを確認することができるのです。

思い浮かぶオフラインコンバージョンの例をいくつか挙げます。

以下ではさらに具体的に、オフラインコンバージョンイベントを利用してマーケティングキャンペーンを改善するユニークな方法を4つ紹介します。

MQLを増やす

たとえば、あなたがSaaS企業のデマンドジェネレーションチームのBtoBマーケターであるとしましょう。ファネル上層部の集客を促進するためにFacebookリード獲得広告(リード広告)を購入するならば、入力フォームからのコンバージョン率を中心としてキャンペーンを最適化するだけで終わらないようにしてください。フォームからのコンバージョン数でははなく、社内の指標である「フォームからのコンバージョンにより促進されたMQLの数」に関連付けましょう。

どのリードも事前に定義された基準に従いMarketoのシステムで採点され、営業チームに送客できるかどうかが判定されます。そして適切な資格を満たしているリードだけがMQLと見なされます。MQLはトラッキングすべき重要な指標です。営業チームがさらに選定してSQLとするためです。SQLは最終的に新規有望見込み客となり収益を生みます。

以下の画像は収益モデルの例です。リードがファネル上層部に「ネーム」として流入してきます。その後、貴社とのエンゲージメントが高まるにつれて、ファネルを進んでいきます。フォーム送信数ではなくMQLに合わせてFacebookのキャンペーンを最適化することで、コンバージョンの数を増加して、ファネルの先に送り込む優良リードを増やすことができます。

スコアリングモデルを最適化する

BtoBマーケターの方や一部のコンシューマーマーケターの方は、流入してきたリードや見込み顧客を選定するためのスコアリングモデルをMarketoのシステムで設定している(または設定することを検討する)かと思います。スコアリングモデルは、ブランドと購買者の間で起こるさまざまなオンラインおよびオフラインのエンゲージメントイベントに重要度を付与するものです。

FacebookのオフラインコンバージョンAPIとMarketoを連携すれば、スコアリングモデルを最適化できるため、さまざまなインタラクションの組み合わせによりリードが特定のリードスコアに達した場合に、そのスコアに達したことをコンバージョンイベントとして定義することができます。これにより、たとえばリードがコンテンツをダウンロードしたりイベントに参加したりしなくても、コンバートしたと見なすことが可能になります。

以下に示したのは、マーケティングオートメーションで収益サイクルをモデル化する方法の例です。チャネル間にまたがる行動、キャンペーンに対するエンゲージメント、リードスコア、さらには、CRMシステム内のデータの変化など、それぞれの顧客がブランドとどのように交流したかということによって管理されています。

特定のスコアに達したかどうかをトラッキングして、コンバージョンイベントを通知することで、キャンペーンを最適化し、広告をキャンペーンに合わせて適切にカスタマイズすることができます。たとえば、MQLよりもはるかに高いスコアを持つ既存顧客の場合でも、スコアリングのしきい値を識別して、クロスセルが見込めるということを通知することができます。

訪問予約の件数を増やす

たとえば窓周りの装飾など、家庭に訪問して相談する必要がある製品を販売している企業の場合は、広告で訪問相談の予約件数を増やすことを目指してFacebook広告を最適化するとよいでしょう。

オンライン予約の件数と訪問相談の実施件数との間にはズレがある場合もあると思いますが、これまでは、この種のデータはトラッキングが難しいため、追求することが困難でした。しかし今は、Facebookとの連携により、販売コンサルタントがMarketoのシステムに「訪問した」という履歴を残すことで、そのデータはオフラインコンバージョンイベントとしてFacebookに送信されます。そしてペイドメディアの担当チームでキャンペーンを再評価して、広告費を最適化する方法を把握し、訪問相談の実施件数をさらに増やすことができます。

広告の効果をトラッキングする

自動車販売業者のデジタルマーケターの場合は、見込み客のショールームへの訪問件数と試乗件数を増やすことなどを、活動の1つとして実施しているでしょう。これまでは、見込み客のオンラインフォーム入力を促進するためにFacebook広告を使用していたかもしれませんが、最初に関心を持ったときの施策(広告)を実際の試乗と結びつけることは困難でした。しかし今は、FacebookのオフラインコンバージョンをMarketoと統合することで、Facebook広告が対面の相談件数と試乗件数に及ぼした効果を把握できるようになりました。Facebookの広告費を車の試乗件数と直接関連付けることができるため、広告を最適化し、最終的に売上を伸ばすことができます。

このように、Facebookの新しいオフラインコンバージョンAPIは、小売や対面販売だけでなく、あらゆるマーケターが非常に幅広いユースケースで利用できるものです。Marketoと併用することで、ペイドメディアのキャンペーンとその他のキャンペーン間の連携を促進して、成果とROIを改善し、より優れた顧客体験を提供することができます。

*この記事は、2016年7月にMike Stockerが投稿した内容を翻訳した記事です。

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