クリエイティビティの新しいパートナー
Syneos Health Communicationsは、健康分野を専門とした広告、ブランディング、医学コミュニケーション、市場参入、広報を手掛ける業界特化型のエージェンシー集団です。その親会社であるSyneos Healthは、近年急成長している統合型バイオ医薬品ソリューション企業であり、全世界に事業所を展開し、27,000人を超える従業員が健康、テクノロジー、クリエイティビティの交わる領域で事業に従事しています。ヘルスケア業界のニーズに特化した専門サービスを多岐にわたって提供しているSyneos Health Communicationsのクリエイティブチームは、クライアントの要件やさまざまな疾患の特性に合わせてプロジェクトを展開する必要があります。また、クライアントの目標に最適な方法で、画像やビデオ、アニメーション、3Dなどの情報をすばやく作成し伝達するという俊敏性も求められます。さらに、細かな編集作業や社内でのフィードバックループに膨大な時間を取られることは避けなければなりません。
これはまさしくAdobe Creative Cloudが役立つ状況です。Syneos Health Communicationsは、生成AIモデルのAdobe Fireflyを搭載した、業界随一の実績を誇るアドビのソフトウェアによって、カスタマイズされた高品質のコンテンツを従来よりも短期間で制作できるようになりました。限られた時間で生産性を高め、貴重な時間を節約し、チームやチャネルをまたいでブランドの一貫性を確保した結果、クライアントに対して確かな成果を上げ、プロジェクトの進行を速めることができました。
ヘルスケア業界の複雑な需要を探る
Syneos Health Communicationsのビデオ制作チームやプレゼンテーションデザインチームは、果敢にクリエイティビティの新時代へと歩を進め、ワークフローを改めて、質の高いコンテンツ制作の新しい標準を制定する取り組みを進めています。
Syneos Health CommunicationsのスタジオであるBoldSky Creative Studioのバイスプレジデント兼プレゼンテーションデザインディレクターであるDeanna Morgan氏は、Fireflyを活用したワークフローをAdobe StockとAdobe Photoshopで積極的に推進しています。
Morgan氏のチームはこのような生成AIツールを駆使して、新しいビジネスの獲得に欠かせない独自のプレゼンテーション資料を作成しています。その成果物は、多様な専門トピックに関する高品質のマーケティングコンテンツを生み出すBoldSkyの能力を証明するものでもあります。クライアントは、デモグラフィックを指定したり、特定の医療問題を取り上げたり、視聴者が抱くであろう感情を反映させたりするなど、特定のビジュアルを必要とすることがよくあります。要件が細かくなると、検索してもちょうど当てはまるストック画像はなかなか見つかりません。
Morgan氏のチームは、プロジェクトを非常に短期間で完了させる必要があることが多く、画像の制作や加工に数日を要する場合には困難が生じます。「利用できる画像が少ない短期間のプロジェクトは、頭痛の種でした。強い印象を与えるビジュアルを作る時間が、毎回与えられるわけではないのです」とMorgan氏は語ります。
多様なニーズに向けたコンテンツのカスタマイズ
チームの抱えた困難を解決するために、クリエイティブで新しい方法を探していたMorgan氏は、Adobe StockとPhotoshopに組み込まれたFireflyの生成AI機能に注目しました。
Photoshopの生成塗りつぶし機能を使うと、簡単なテキストプロンプトで画像に対するコンテンツの追加や削除を実行し、主要なデザイン要素をすばやくカスタマイズできるようになりました。「Adobe StockとPhotoshopに搭載されているFireflyで、最適な画像を生成し、手早く調整を加えることができました。以前は初期コンセプトの構想に12時間ほどかけていましたが、今では半分の時間で済んでいます」と、Morgan氏は語ります。
クライアントの製薬会社が開催した多様性、公平性、受容に関する会合のプロモーションでは、Morgan氏はStockのテキストから画像を作る生成AI機能を利用しました。多様な背景を持つ40代から50代の人々をプロンプトで指定することで、クライアントのブランドが有するルックアンドフィールを損なわずに、それぞれのデモグラフィックを表現したのです。
「非常に具体的なAIプロンプトを指定することで、プレゼンテーションに必要なあらゆる年齢層とデモグラフィックの画像を入手することができました。このプレゼンテーションの半分はAIが作ったようなものです」とMorgan氏。
こうした新機能の力を借りて、Morgan氏のチームは高品質のプレゼンテーションを作り上げ、Syneos Health Communicationsの業績拡大に大きく貢献しました。
「Adobe StockとPhotoshopに搭載されているFireflyで、最適な画像を生成し、手早く調整を加えることができました。以前は12時間かかっていた初期コンセプトの構想が、今はその半分の時間で完成します」
-Deanna Morgan氏、
BoldSky Creative Studio、バイスプレジデント兼プレゼンテーションデザインディレクター
厳しい納期でも大きな成果
Morgan 氏のチームは、ヘルスケアマーケティング固有の課題を解決するために生成AIを活用しましたが、BoldSky Creative Studioのコンテンツ制作責任者であるHarvey J. Austin氏も、動画制作チームで同様の成果を上げています。
BoldSkyは、Syneos Healthの広告代理店であるGSWから、新時代の到来を告げるビデオの制作を請け負っていました。そのビデオのコンセプトは「Wondermore」(もっと不思議を)。クリエイティブなイメージと医療のイメージをかけ合わせて魅力的なビジュアルストーリーを生み出し、医学と人間の想像力が交わる地点を描くことで、未知への好奇心を喚起するコンテンツです。
エージェンシー全体のイメージを塗り替えるビデオという、大きな責任を伴う案件を前にして、チームはAdobe After Effects、Adobe Premiere Pro、そしてアドビのビデオ編集共同作業ソリューションであるFrame.ioに搭載されているダイナミックなクリエイティブツールを活用することにしました。
チームはいつも時間に追われていました。GSWブランドの新しいルックアンドフィールを隅々まで作り込みながら、厳しい納期を守る必要があったからです。
「当初は、約3か月という制作期間が設定されていました。ところがスケジュールが変更され、46日間に短縮されたのです。質の高い成果物をすばやく完成させる以外に、他はありませんでした」とAustin氏。
「FireflyとFrame.ioなどのツールを取り入れると、市場投入の時間を最大で50%も短縮できるとわかったのは収穫でした」
-Harvey J. Austin氏
BoldSky Creative Studio、コンテンツ制作責任者、
テクノロジーの統合とイノベーション
このプロジェクトを始めるにあたって、BoldSkyはGSWのバイスプレジデント兼デザインディレクターのDaniel Vuyovich氏と緊密に連携し、Wondermoreの世界を描き出す詳細なプレゼンテーションを作成しました。
GSWはAdobe Fireflyのテキストから画像を生成する機能を活用して、独自のストーリーボードの生成とプリビジュアライゼーションを行いました。AIを活用したアプリで、GSWの紡いだストーリーを関係者に効果的に伝えることにより、内部承認プロセスが効率よく進められました。
「素材イメージを眺めて構想を練るのに40時間もかける必要はありません。Fireflyがあれば、はるかに短い時間で内部承認までたどり着けます。実に驚きです」とVuyovich氏。「生成AIとのやり取りは、クリエイティブな会話に似ています。まるで高度に進化した鉛筆を使っているかのように、アイデアを形にしながら、より速く、よりダイナミックにプロセスを進めていけるのです」
次に待っているのは、3Dアニメーションやオーディオデザインなどを含む制作工程です。BoldSkyのポストプロダクション責任者でモーショングラフィックスを手掛けるPasquale Chieffalo氏が、この工程の指揮を執りました。
Chieffalo氏は豊富な知識を活かして、各地のアニメーターが参加するチームを主導し、ブランドのビジョンに命を吹き込むという目標に向かって、After Effectsによる複雑な3Dモデルやアニメーションの制作を進めました。
「3Dアニメーターはリモート勤務ですので、Frame.ioでポストプロダクションの環境を整え、ワークフローを効率化しました。そうすることで、各地に散らばっているメンバー間で円滑に共同作業を進めることができました。FireflyとFrame.ioなどのツールを取り入れると、市場投入までの時間を最大で50%も短縮できるとわかったのは収穫でした」と」とAustin氏は述べています。
大きな成果と明るい未来
生成AI機能が統合されたアドビのクリエイティブツールが、大きな成功に貢献しました。Syneosはこの機能を活用して、市場投入を迅速化し、共同作業や承認プロセスを効率化するとともに、強い印象を持つ多彩なビジュアルを作成し、よりクリエイティブに発想しています。
「私たちは今後もワークフローにFireflyを取り入れていくつもりです。生成AIを利用して、常識にとらわれない新しい方法でクリエイティブな思考を巡らせることが、私たちを成長させ、未来のデザインに適応していくことにつながるのです」とMorgan氏は語ります。
Syneos Health Communicationsのクリエイティブリーダーは、このような最先端のツールを積極的に導入し、ヘルスケアマーケティングの分野で可能なことの幅を広げつつあります。
Adobe Fireflyでクリエイティブを強化して、自社のワークフローを改善しましょう。