金融機関が最新のB2B体験を提供する方法

How financial services firms can deliver modern B2B experiences marquee image

有望なのB2Bアカウントを獲得するあたり、マーケターは、これまでのやり取りを踏まえた上で、営業部門と連携して活動することが求められます。このアプローチにより、見込み顧客との関係が深まるだけでなく、購買委員会のメンバーや他の購入に影響を与える可能性のある関係者も巻き込むことができ、最終的により確実な契約締結を促進します。

この新しいアプローチでは、見込み顧客を引き留めておくために、あらゆる購買グループとのコンタクトにパーソナライゼーションが求められます。これは、金融機関のように規制が厳しく、複雑な業界では特に重要です。

本記事では、これらの課題に対処し、アプローチを最適化するための4つの重要な戦略について説明します。

Consolidate account buying group members such as CFO, treasury manager, controller, and more in a single unified profile

CFO、財務部長、経理部長など、アカウント購入グループのメンバーを単一の統合プロファイルにまとめる方法

B2B購買プロセスは複雑で、多くのステークホルダーが関与します。B2Cの見込み顧客は、数分で当座預金口座や普通預金口座を開設できますが、大規模な不動産開発プロジェクトの融資を申し込む企業の場合、販売サイクルは6~12カ月に及ぶ可能性があります。

B2Bの見込み顧客や顧客の体験を向上させるには、個人データとアカウントデータを単一のプラットフォームで管理する手段が必要です。そうしたデータが別々のサイロ化されたシステム内に残っている場合、より優れた体験を提供するためにデータを活用するためには、手作業による断片的な作業が必要となり、時間がかかります。

顧客データプラットフォーム(CDP)は、顧客データの管理を合理化することで、顧客や見込み顧客の特定、必要としている事項、すでに利用しているサービスや評価しているサービス、主要な意思決定者などを把握するのに役立ちます。リアルタイムで行動データを収集するCDPは、個々の顧客との関係を維持しながら、アカウントの購買準備状況を包括的に把握するのに役立ちます。特定の顧客がwebサイトのどのページを閲覧したか、どの広告のクリック回数が最も多いかなどのインサイトを得ることで、アカウント全体にわたって個々の顧客の関心に直接訴えるコンテンツやメッセージを提供することができます。これにより、個々の顧客との関係を維持しながら、アカウントの購買準備状況を包括的に把握することができます。

業界をリードするCDPは、CRM、マーケティングオートメーションプラットフォーム、web解析ツール、メールマーケティングシステム、ソーシャルメディアチャネルなど、営業部門やマーケティング部門が利用しているあらゆるプラットフォームからのデータを統合し、顧客および見込み顧客の包括的なプロファイルを構築することができます。このプロファイルにより、中小企業(SMB)向けサービスにおけるアップセルキャンペーンをタイムリーに開始することもできます。そのため、認証済みの中小企業のユーザーが特定のクライアントアカウントのビジネス当座預金口座を開設した際には、そのアカウントが特定のオファーの対象となるかどうかを、そのユーザーの製品所有状況、企業信用格付け、標準産業分類(SIC)または北米産業分類システム(NAICS)コードなどに基づいて確認し、適切なタイミングでオファーを提示することができます。

B2B購買委員会のメンバーに直接語りかける方法

データを統合すれば、それぞれの顧客や見込み顧客を明確に把握でき、製品への関心や購買プロセスの段階に基づいて購買グループに分類することができます。これにより、どのグループの価値が高く、どのメンバーの購買意欲が最も高いかを判断することができます。マーケターは、ジャーニー管理ソリューションを活用することで、購買プロセスにおける顧客の立場や役割と関連性が高く魅力的なコンテンツを、購買グループのメンバーに的確に提供することができます。

たとえば、ユーザーのひとりが貴社webサイトを訪問したとします。CRMデータを利用して、このユーザーが貴社の提供サービスを必要としている企業のCFOであることを特定します。すると、マーケティングオートメーションシステムが、貴社のサービスに関するCFOの具体的な質問に答えるコンテンツを配信するために、マルチチャネルキャンペーンを編成します。これには、CFOのニーズに応えるケーススタディ、ウェビナー、ホワイトペーパーなどが含まれます。その後、ソーシャルメディア広告でそのCFOをターゲットとし、検討中のサービスに関連する機能でwebサイト体験をカスタマイズすることができます。行動トリガーにより、営業部門にアプローチすべきタイミングを知らせることもできます。

営業担当者は、営業電話をかける前に、ダッシュボードにアクセスし、CFOやほかの購買委員会メンバーとの最近のやり取りをすべて確認することができます。有望な見込み顧客をファネルの次の段階に進めるのに、どのやり取りが役立ったかを追跡することで、エンゲージ戦略を最適化しながら、営業部門とマーケティング部門が連携して取り組むことができます。このプロセスを企業の購買委員会の各メンバーに対して繰り返し適用することで、個々のニーズや懸念事項について話し合うことができます。

B2B顧客のカスタマージャーニーを明確に把握する方法

How to gain a clear view into the B2B customer journey

顧客のカスタマージャーニーを把握するには、webサイトへの訪問、広告のクリック、メールの開封、対面での会話など、あらゆるやり取りをリアルタイムで追跡する必要があります。これには、複雑なB2B購買ジャーニーを明確化するのに役立つ、クロスチャネルの顧客分析ツールから始める必要があります。見込み顧客がファネルのどの段階から流入しているか、どの顧客接点で購入に近づいているか、どこで離脱しているかを確認できます。これにより、チャネルへの投資、見込み顧客とのコミュニケーション、顧客体験の向上に関するデータ主導の意思決定が可能になります。

また、リードベースのキャンペーンから生成されたエンゲージメントデータを活用して、新たに獲得した連絡先とのエンゲージメントを深めるために、購買グループの潜在的なメンバーをさらに絞り込むこともできます。

たとえば、顧客分析により、既存製品の使用状況に基づいてサービスを推奨された見込み顧客は、追加サービスを利用する可能性が2倍高くなることが判明した場合、追加サービスの推奨に重点を置いたり、営業プロセスのより早い段階で推奨するようにすることで、コンバージョン率をさらに向上させることができます。

金融機関向けのアドビ製品の導入方法

B2B向けの金融機関では、パーソナライズされたアカウントベースの体験を提供することが成功の鍵となります。金融機関は、データを統合顧客プロファイルに集約し、購買委員会のメンバーに直接働きかけ、カスタマージャーニーを明確に可視化することで、マーケティング部門と営業部門の取り組みを大幅に強化することができます。顧客データプラットフォーム(CDP)と分析ツールを活用することで、カスタマイズされた体験の構築やエンゲージメント戦略の最適化を実現でき、最終的にはより確実な契約の締結が可能になります。業界が進化を続ける中、競争力を維持し、B2B顧客の固有のニーズに応えることを目指す金融機関にとって、こうしたアプローチの導入は不可欠です。

アドビは、顧客を把握し、そのデータを一元管理し、セールスサイクルを通じて顧客とのやり取りの全段階で魅力的で関連性の高い体験を提供するための統合プラットフォームを提供しています。

Adobe Real-Time CDP は、リアルタイムの体験を実現するためのプロファイルを構築するCDPです。様々なソースからのデータを統合し、任意の場所で活性化できる顧客プロファイルとアカウントプロファイルを構築できます。

Adobe Marketo Engage は、B2Bマーケティングのオートメーションツールであり、営業部門とマーケティング部門の連携を支援します。顧客の獲得、育成、拡大、維持のためのクロスチャネルキャンペーンを統合し、実行することができます。

Adobe Customer Journey Analytics は、顧客のオンラインとオフラインの行動を素早く把握し、優れたリアルタイム体験を大規模に提供するためのインサイトを提供する顧客分析ソリューションです。

Adobe Journey Optimizer B2B Edition は、AIを搭載したカスタマージャーニーツールであり、マーケティング部門と営業部門の連携を促進し、ターゲットアカウント内の購買グループへのパーソナライズされたジャーニーの提供を可能にすることで、より正確な需要創出を実現します。

金融機関に対するアドビの支援について、詳細はこちらをご覧ください。

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