Adobe Digital Price Index:2022年12月のオンライン価格は4か月連続の下落、前年同月比で1.6%減

Adobe Analyticsで分析した、米国における最新のAdobe Digital Price Index(DPI)を紹介します。

全体的な傾向

2022年12月のオンライン価格は、前年同月比1.6%減となり、オンライン価格が前年同月比で低下したのはこれで4か月連続となりました。また、アドビがDPIで追跡している18カテゴリーのうち半数が前年同月比ベースの価格下落を示しています。前月比ベースでは、感謝祭(11月24日)からサイバーマンデー(11月28日)まで5日間のサイバーウィークを中心に記録的な値引きが見られた2022年11月から1.1%増と、オンライン価格は上昇に転じました。12月の前年同月比ベースの価格下落は、サイバーウィーク後も続いた大幅な値引きなど、ホリデーシーズンに伴う値引きが原因です。

カテゴリー別分析

2022年12月時点において、DPIで調査している18カテゴリーのうち9カテゴリーで前年同月比の価格が下落しており、中でも花・関連ギフトは20.5%と最も値下がりしました。一方で、9カテゴリーにおいて、前年同月比ベースの値上がりが観測されています。

18カテゴリーのうち、前月比ベースで値下げが見られたのは6カテゴリーだけですが、11月の記録的な値引きの後であることは注目に値します。

注目の商品カテゴリー

家電製品の価格は前年同月比2.1%減(前月比3.8%増)と、2.9%減だった11月から2か月連続の下落となり、2020年12月の7.1%増をピークに30か月連続した前年同月比ベースの値上がり傾向が反転しています。

エレクトロニクスの価格は前年同月比で過去最大の値下がり幅(13.4%減)を記録した11月に続き、12%減(前月比1.9%増)でした。エレクトロニクスはEコマースにおける最大のカテゴリー(2021年の消費額シェア18.6%)であるため、その価格変動は全体のインフレ率に大きく影響します。

食料品の価格は前年同月比13.5%増(前月比0.5%増)ですが、この3か月間で上昇率は鈍化しています。2022年1月(前年同月比5.8%増)から9月(同14.3%増)まで連続して過去最高記録を更新した後、2022年10月には前年同月比14%増と、前月を下回る上昇率にとどまりました。続く11月でも前年同月比13.7%増と、値上がり傾向の鈍化が続いています。

パーソナルケア用品の価格は前年同月比ベースの価格は1.6%増(前月比2%増)と、今年の最高値である3%増を記録した2022年10月以降、11月の1.8%増から2か月連続で価格上昇率が減速しています。

調査方法:DPIは、米国労働統計局が発表している消費者物価指数をモデルとしており、オンライン価格の追跡にはFisher Ideal Price Index(フィッシャー理想物価指数)を使用しています。

アドビは、Adobe Analyticsを使ったこの調査を実施するにあたり、AI/機械学習フレームワーク「Adobe Sensei」と手作業を組み合わせ、CPI Manual(消費者物価指数マニュアル)で定義されたカテゴリーに準拠して商品分類をおこなっています。

※本記事は、2023年1月10日に米国本社から発表されたメディアアラートの抄訳です。