分散していたデジタルアセット管理を統合。

グローバルスポーツブランドとしての成長を支える

ロゴ

創業

1949年

従業員数:8,900名

神戸市

https://corp.asics.com/en

世界各地で同じ製品画像を使用することで、ブランド力を強化

導入製品:

Adobe Experience Manager Assets ›

Adobe Creative Cloud ›

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目標

グローバルマーケティングチームに一貫性のある方法でデジタルアセットへのアクセスを提供したい

製品画像をグローバルに調整する際のムダを排除したい

チームがデジタルアセットをより速く簡単に見つけて使用できるようにしたい

eコマースサイトやテキストメッセージを含め、あらゆるチャネルをまたいでデジタルアセットを配信したい

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成果

アセットの一元管理により、必要なデジタルアセットがすぐに見つかる

世界各地で同じ製品画像を使用することで、ブランド力を強化

バージョン管理を強化し、陳腐化したデジタルアセットを使用するリスクを低減

開発に使用する3Dモデルなどの社内アセットを共有

日本を代表するスポーツブランドであるアシックスは、現在、グローバルブランドとして大きな飛躍を遂げています。同社は、世界中の顧客にシューズ、アパレル、スポーツ用品、各種サービスを提供しています。トップアスリートだけでなく、スポーツを楽しむあらゆる人々の運動と健康をサポートするために、研究開発に尽力しています。

ビジネスのグローバル化が加速する中、同社はマーケティング体制を大きく見直しました。その一環として取り組んでいるのが、デジタルアセットの統合管理です。製品画像の撮影から管理に至るまでのプロセスを一元化することで、必要なデジタルアセットがすぐに見つからない、地域によって使用しているデジタルアセットが異なるといった課題を解決。ムダな業務の削減とブランド力の強化を実現しています。

左から:IT統括部 デジタルサプライチェーン部 水本 貴博 氏、デジタルサプライチェーン部 石崎 健 氏、IT統括部 デジタルサプライチェーン部 大橋 辰也 氏

ビジネスのグローバル化を受けてデジタルアセット管理を見直し

「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」というビジョンを掲げるアシックスグループ。現在、同社は「デジタルドリブンカンパニー」になることを戦略に据えており、シューズやアパレル、各種スポーツ用品に加えて、デジタルを活用した多様なサービスを提供しています。

例えば、アプリなどのデジタルチャネルを通じて、トレーニング計画や足型と走り方に適したシューズウェアを提案。顧客にパーソナライズされたスポーツ体験を提供しています。

そのベースには、各製品の持つ強みがあります。人間の動きを深く分析し、独自開発した素材や構造設計技術を採用した同社の製品は、トップアスリートだけでなく、スポーツを楽しむあらゆる人々の運動を最適にサポートします。その品質が高く評価され、現在、アシックス製品のユーザーは日本だけでなく世界中に広がっています。

「2010年代の中頃から海外市場でのビジネスが急成長。現在は売上の約70%が海外売上となっています」と、同社のデジタルサプライチェーン部に所属する水本貴博氏は述べています。

こうしたビジネスのグローバル化に伴い、同社はマーケティング体制を大きく見直しました。具体的には、グローバルマーケットを日本、北米、欧州、中華圏、オセアニア、東南アジア、南アジア、その他(南米および韓国を含む)に分け、神戸のグローバル本社が司令塔として各エリアの市場ニーズを分析し、地域特性に応じたマーケティング活動を推進しています。

このグローバルビジネスに最適化した環境の中で、同社はデジタルアセット管理の仕組みも大きく見直しています。

「店頭ポスターやEC、webカタログなどに使用する製品画像などのデジタルアセットは、マーケティングのための重要なアセットですが、以前は適切に管理できていませんでした。例えば、保管場所が統一されておらず、場合によっては担当者のPCで保管していました。販売パートナーから『あの製品の画像を支給して欲しい』と依頼されたものの、誰が管理しているのか、どこに保管されているのかすぐにわからないということもありました。また、世界共通で販売している製品であっても、各地域で個別に撮影していたため、同じ製品なのに微妙に色味や印象が違うということも発生。管理の効率性とブランド保護の両面で課題を感じていました」と、同社のデジタルサプライチェーン部に所属する大橋辰也氏は述べています。

「デジタルアセット管理の全社統合を実現したことで、マーケティングはもちろん、設計や開発など、幅広い用途でアセットの共有や活用を行いやすくなりました」

水本 貴博 氏

アシックス、デジタルサプライチェーン部

日本での導入実績を通じてアドビのソリューションを高く評価

課題を解決するために、同社はデジタルアセットのグローバル統合管理の実現に向けた検討を開始。最終的に、米国のコンテンツチームに製品画像の撮影、編集、統合管理の役割を一本化した上で、デジタルアセット管理の基盤も全社で統合。各地域はその世界共通DAM(デジタルアセット管理)基盤を通じて、製品画像を入手するという新体制の構築を決めました。同社がDAMに採用したのが、Adobe Experience Cloudの一部であるAdobe Experience Manager Assetsです。

「もともと日本では、デジタルコンテンツの配信基盤として、現在はAdobe Experience Manager Assetsに統合されているDynamic Mediaを使用しており、豊富な機能や使いやすさを評価していました。アセット管理を行うDAMは配信基盤との親和性が高い方が有利と考え、Adobe Experience Manager Assetsの採用を決めました」と、同社のデジタルサプライチェーン部に所属する石崎健氏は述べています。

必要なデジタルアセットを検索し、すぐに使用できる

「デジタルアセット管理の全社統合を実現したことで、マーケティングはもちろん、設計や開発など、幅広い用途でアセットの共有や活用を行いやすくなりました」と、水本氏は述べています。

同社は、関連するシステムの移行タイミングを考慮しながら、約4年かけて撮影などの業務、およびAdobe Experience Manager Assetsをベースとするデジタルアセット管理の統合を図りました。現在は、世界中から撮影対象となる製品が米国のスタジオに送られ、そこで一元的に撮影や編集などの制作作業を実施。それらのデジタルアセットは、Adobe Experience Manager Assetsを通じてグローバルに共有されています。1年間で約40,000にものぼる新しいデジタルアセットがAdobe Experience Manager Assetsに登録され、トータルでは約70万ものデジタルアセットが管理されています(図を参照)。

「アセット制作を専門チームに集約したことで、マーケターなどの利用者は、アセット検索の窓口となる『ブランドポータル』を通じて、すぐに必要なアセットを検索し、入手できます。ブランドポータルは、キャンペーンごとに必要なアセットをまとめて入手できるようにするなど、様々なオプションを提供しています」と、石崎氏は述べています。

この仕組みにより、デジタルアセットを効率的に活用できるようになっただけでなく、全地域で同じ製品画像が使用されるように統制を図り、グローバルブランドを強化できるようになりました。以前は、製品画像のバージョン管理を徹底するのが難しく、旧デザインの製品画像を誤って使用してしまうというミスも発生していました。新しい仕組みでは、そのようなミスも抑止できます。「グループ全体で見れば、同じ製品を何度も撮影していたわけですが、今ではそうしたムダもなくなりました。20~30%のムダの削減につながっていると考えています」と、大橋氏は述べています。

DAMの統合によるメリットは、マーケティング以外の業務にも波及しています。例えば、設計および開発業務では、プロトタイプの開発リードタイム短縮を目的として、開発担当者が海外の各製品企画担当者に向けて、360度回転が可能な3Dデジタルモデルを展開。設計担当者は共有されたモデルを使用して、設計のブラッシュアップを図っています。「プロトタイプよりも3Dモデルの方がスムーズに共有できます」と、水本氏は述べています。

セキュリティとアクセシビリティの両立

このように、デジタルアセットの統合管理によって、同社は様々な成果を上げています。

今後のテーマは、Adobe Experience Manager Assetsのさらなる有効活用。同社はすでにAPIを通じてECと連携し、デジタルアセットを自動配信できる仕組みを整えていますが、SNSなど、他の多様なチャネルや社内システムとも同様の連携を図っていきたいと考えています。

「先ほど開発中の3Dモデルについて述べたように、特に社内共有の用途では機密性の高いデータを扱う頻度も増えるでしょう。外部とはオープンに連携させつつ、セキュリティの強化も図っていく。相反する課題ですが、両立できると信じています。アドビの提案にも期待しています」と、石崎氏は述べています。

同社は、デジタルアセットのさらなる有効活用に向けた取り組みを進めながら、日本発のグローバルスポーツブランドとしてさらなる成長を目指しています。

* この情報は2021年8月時点のものです。

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