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統合されたオーディエンスデータの価値を引き出す
EY、オーディエンスのインタラクションを総合的につなぎ合わせ、成長をサポート
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9000
月間のマーケティング適格案件数
目標
グローバル、地域、ローカルの各レベルで成長を支援し、信頼を構築するために、オーディエンスのインタラクションと行動の統合ビューを作成したい
EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州 消費者プライバシー法(CCPA)などのプライバシーと同意に関する管理、および個人設定に沿って、チャネルをまたいでオーディエンスデータを管理したい
複数のプラットフォームとデータソースまたがるキャンペーンのパフォーマンスを連携し、追跡したい
マーケティング活動を成功の測定結果を向上させる機会と関連付けたい
個人およびアカウントレベルの両方で、実用的なリアルタイムの顧客インサイトを構築したい
成果
顧客情報の 唯一の情報源 にデータを自動的に取り込むことで、大幅な効率化 を実現
グローバルな同意をリアルタイムで表示することで、潜在的なリスクを低減し、プライバシー規制への準拠を強化
毎月 9,000件以上のマーケティング適格案件 を特定
顧客との 追加のエンゲージメント と積極的なサービス機会を特定することで売上を増加
「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して――これは、EYが世界最大級の監査法人、税理士法人、コンサルティング会社へと成長し、クライアント、社員、そして社会にプラスの影響をもたらしてきた目的です。同社は、大手多国籍企業を含むクライアントと緊密に連携し、テクノロジー、変革、法律、財務の分野における最も複雑な課題の解決を支援しています。
「世界はかつてないほど急速に変化しており、長期的な価値を生み出すインサイトとサービスを提供するためには、私たちも同様に迅速に適応しなければなりません。データを即座につなぎ合わせて分析する能力は、私たちにとって最大の推進要因のひとつです。クライアント、見込み顧客、人材など、様々なオーディエンスから得られるシグナルから価値を引き出すためにデータを活用し、現代の課題の解決に役立てる方法を模索していくことに関心があります」とEY GSのグローバル統合GTMディレクターであるKate Mackie氏は述べています。
140カ国以上で事業を展開する組織としてEYは、世界中のクライアントに影響を及ぼす課題についてのインサイトを保有しています。世界最大のクライアントは、世界中のEYチームと連携している可能性があり、各チームは、クライアントで働く人々、彼らの業務内容、彼らの関心事について示すパズルの小さなピースを有しています。重要なのは、各国のEYがそれぞれの同意情報を保有していることであり、これはGDPRなどのプライバシー規制を遵守するために必要なことです。
同社は、グローバルなデジタルテクノロジープラットフォームを連携し、営業部門とマーケティング部門のニーズを統合した顧客像の全体像を構築する戦略に着手しました。また、顧客関係管理と並行して、顧客体験管理にも目を向け、顧客体験と顧客満足度をあらゆる活動の中心に据えるために、次のステップに踏み出しています。同意管理は、デジタル顧客体験を顧客の希望に合わせ、顧客が受け取るものをコントロールするための重要な要素です。
Adobe Experience Cloudの顧客として同社は、Adobe Experience ManagerとAdobe Marketo Engageを活用して、デジタルマーケティングの環境をすでに変革しています。Adobe Real-Time CDPとAdobe Customer Journey Analyticsを導入するまでの道のりは、アドビとEYの両社にとって初めての経験でした。両社は、アドビのB2B向けCDPの最初のバージョンの開発にあたって連携して取り組みを進めました。これにより、EYは、見込み顧客や主要なアカウント担当者などの個人に対して、より関連性が高く、タイムリーで、カスタマイズされたコミュニケーションを行うための可視性を向上することができました。
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「私は常に、アカウントの観点からマーケティングデータをより全体的に見ていましたが、グローバルなクライアントや組織を相手にする場合、これは容易なことではありません。アドビのソリューションは連携して動作するので、チーム間の連携を強化したり、クライアントとより積極的な協力関係を築く方法を検討するのに役立っています」
Karen Hopkins氏
EY、グローバルCMO
クライアントの全体像を活用してサービスを向上
Adobe Real-Time CDPは、EY独自のプラットフォームに保存されたデータを含む、EYのクライアントチーム全体からのデータを集約しています。「Adobe Real-Time CDPがプラットフォームに依存しないということは、私たちにとって大きなセールスポイントでした。様々なプラットフォームに接続できる機能は、データを統合する上で非常に重要でした」とMackie氏は述べています。
「以前は、データを分析し、経営陣のプロファイルと活動をつなぎ合わせ、実用的なインサイトを構築するためには手作業が必要でした。Adobe Real-Time CDPを活用して情報を自動的に集約し、単一のプラットフォームで顧客のマーケティングシグナルの全体像を提供することで、年間で大幅な効率化が実現できると見込んでいます」とMackie氏は述べています。
EYの最大規模の多国籍企業クライアントを顧客に持つグローバルクライアントサービスパートナー(GCSP)にとって、顧客の全体像を把握することは極めて重要なことです。これらの顧客は通常、複数の地域でEYのチームと連携しており、イベント招待状やニュースレターからターゲットを絞ったソーシャルメディアキャンペーンまで、様々なやり取りをしています。GCSPは今回初めて、クライアントに提供されているあらゆる情報と、それに対するクライアントの反応を迅速かつ容易に把握できるようになりました。
EYは、個人レベルとアカウントレベルの両方でプロファイルを分析することもできます。これにより、アカウントチームは、アカウント内の主要な個人について、エンゲージや影響力の程度が非常に高い人物を即座に把握したり、企業全体の関心事を集約した全体像を把握したりすることができます。さらに、顧客サービスチームは、積極的なサービスや新しいソリューションを提供する新たな機会を発見することができます。
「リスクと税務のコンサルティングを主目的として当社と契約していたある顧客企業がありました。しかし、より大きな観点で眺めてみると、他の課題やサービス分野にもエンゲージできる機会があることに気づきました。アドビの支援により、顧客の好みがより可視化され、それが当社の顧客サービスの向上と、売上と収益の増加に貢献しています」とMackie氏は述べています。
インサイトは見込み顧客や新規顧客にも及んでいます。アカウントチームは、Adobe Customer Journey Analyticsを活用して顧客とのやり取りの全体像を把握することで、アナリストの集中的なサポートなしに、意思決定者となり得る人物の特定や顧客が関心を持っている分野の明確化のために、あらゆる情報を組み合わせることができます。アカウントチームは、この情報を照合することで、膨大な時間が必要な分析作業を迂回し、顧客とのより有意義な対話をすぐに開始することができます。
「私は常に、アカウントの観点からマーケティングデータをより全体的に見ていましたが、グローバルなクライアントや組織を相手にする場合、これは容易なことではありません。アドビのソリューションは連携して動作して、チームとデータの結びつけ、より優れた方法で顧客とつながり積極的にエンゲージすることを可能にしてくれます」とENのグローバルCMOのKaren Hopkins氏は述べています。
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「Adobe Real-Time CDPは、マーケティングデータとコンプライアンスの観点から見て大きな成果をもたらします。アカウントチームとマーケティングチームは、コンプライアンスを遵守していることを確認した上で、顧客との適切なコミュニケーションに集中することができます」
Kate Mackie氏
EY GS、グローバル統合GTMディレクター
グローバルな同意を一箇所で管理
Adobe Real-Time CDPの最も重要な顧客情報のひとつが同意情報です。世界には様々なプライバシー規制があり、EYはコンプライアンスを重視しています。以前、この同意情報は世界中のデータベースに分散して保存されていたため、地域のチームは連絡先リストを作成するために、オプトインしたクライアントを複数のデータベースから検索する必要がありました。現在では、クライアントがマーケティング情報の受信に同意しているかどうかを一箇所で確認できるようになりました。DULE(Data Usage and Labeling Enforcement)フレームワークにより、様々な種類の同意を分類したり、組織全体にラベルを適用したりできるため、マーケティングの同意管理がさらに容易になりました。
「Adobe Real-Time CDPは、マーケティングデータとコンプライアンスの観点から大きな成果をもたらします。アカウントチームとマーケティングチームは、コンプライアンスを遵守していることを確認した上で、顧客との適切なコミュニケーションに集中することができます。また、リアルタイムプロファイルにより、プライバシー設定の変更を即座に確認できるため、顧客の希望にできるだけ迅速に対応できるようになります」とMackie氏は述べています。
「アカウントチームは、マーケティングチームが積極的なエンゲージメントを通じて提供している価値を明確に把握できるようになり、EYのチーム間の連携がさらに緊密になりました」
Kate Mackie氏
EY GS、グローバル統合GTMディレクター
統合プラットフォームの付加価値
EYの各チームは、Adobe Real-Time CDPに一元化された共通の顧客情報にアクセスし、マーケティング、営業、コミュニケーションなどにおいて、より多くの価値を生み出すのに役立てています。
マーケターは集約されたデータを活用して、様々なオーディエンスセグメントに適切なキャンペーンを配信しています。Adobe Real-Time CDPを活用することで、エネルギーセクターのサステナビリティリーダー全員にアプローチするなど、個人およびアカウントの特徴の両方に基づいてセグメントを構築することができます。また、同意を得た連絡先のみとコミュニケーションしているという確信も持てます。これによりマーケターは、より関連性の高いコミュニケーションを実現し、見込み顧客を育成してアカウントチームとの詳細なやり取りの準備を整え、マーケティング活動を成功の定量的な測定に結びつけることができます。
「グローバルブランドおよびマーケティングコミュニケーションチームは、Adobe Marketo Engageのデータソースとマーケティングオートメーションを組み合わせることで、毎月9,000件以上のマーケティング適格案件を特定しています」とHopkins氏は述べています。
Webチームとデジタルチームも、パーソナライズされたweb体験を実現するためにAdobe Real-Time CDPを活用する予定です。同社は現在、webサイトをAdobe Experience Manager Sites as a Cloud Serviceに移行中であり、これにより組織の規模拡大が促進され、最新機能が利用可能になればすぐに利用できるようになります。移行が完了すれば、Adobe Real-Time CDPとAdobe Targetを統合し、リアルタイム顧客プロファイルを活用して、デジタルプロパティ全体で大規模なパーソナライゼーションを実現する予定です。
デジタルパーソナライゼーションの取り組みが拡大するにつれ、カスタムメッセージの需要に対応するためにコンテンツ制作も拡大する必要があります。同社では現在、Adobe Workfrontがこのコンテンツ編成をサポートできるかどうか検討しています。Adobe Experience Manager AssetsとAdobe Creative Cloudとの統合により、コンテンツ制作の可視性を高め、クリエイティブチームとマーケターの間のコラボレーションを促進することで、より効果的にパーソナライゼーションされたメッセージを配信することを目指しています。
「データは、クライアントが共感するコンテンツやメッセージを決定する上で重要なクリエイティブリソースのひとつです。アドビのソリューションは、顧客を理解し、より良い社会の構築に役立つソリューションを実現するための可視性とインサイトを提供してくれます」とHopkins氏は述べています。