SEE、デジタル体験を再構築

SEEは、データとテクノロジーを活用して包装やパッケージの複雑な問題を解決し、製造業界を進化させています。

創業

1960年

従業員数:全世界で16,500人

米国ノースカロライナ州、シャーロット

www.sealedair.com

80%

完全オンライン注文の割合

導入製品:

Adobe Analytics

Adobe Commerce

Adobe Professional Services

Adobe Experience Manager Assets

Adobe Experience Manager Sites

Adobe Marketo Engage

Adobe Sensei

Adobe Target

チェックボックスアイコン

目標

購入者の検討ジャーニーを、メインのwebサイト検索エクスペリエンスに組み込みたい

購入者用ポータルを作成し、シームレスかつリアルタイムの発注および注文管理を実現したい

スマートなデザインとエンゲージメントテクノロジーを通じて、パッケージジャーニー全体でデータを活用したい

グラフアイコン

成果

完全オンライン注文の割合が 80% に向上

手動による注文プロセスの 15% を自動化

オンライン注文の 83% が、購入者用ポータルを通じて実行

業界の常識を覆す

多くの人々にとって、包装材やパッケージはさほど重要ではありません。リサイクルまたは再利用するか、単純に捨てるだけのものであると捉えています。しかし、Carrie Giaimo氏の見解はその真逆です。SEEのデジタルエクスペリエンス担当グローバルバイスプレジデントである同氏にとって、包装やパッケージは最重要課題です。「当社の使命は、保護包装を製造するだけでなく、顧客のビジネスのあらゆる面において、安全性、効率性、持続可能性を実現することです」と、同氏は述べています。

SEE(旧称Sealed Air)は、BUBBLE WRAP®ブランドのオリジナル緩衝材を発明して以来、包装材の分野で確固たる伝統と地位を築いてきました。同社は、商品の化学組成までこだわった高い品質で知られており、ほぼあらゆる業界に包装材やパッケージを提供しています。包装紙の大量発注から、新しい代替肉製品に適した容器の設計、博物館に輸送する恐竜の骨の梱包に至るまで、あらゆる面で顧客をサポ​​ートしています。革新的なパッケージソリューションを提供し続ける必要があるため、同社のビジネスには探求心と継続的な挑戦が求められます。「今日の企業が抱える課題は山積しています。パッケージは、そうした課題の解決に貢献できます。」

SEEは、新しい代替製品に適した容器の設計を支援しています。

Giaimo氏は現在、顧客体験を進化させる方法に焦点を当てています。「優れたパッケージメーカーという従来のイメージから脱却し、業界の課題をリアルタイムで解決し、業界の変革を支援するパートナーとしての地位を確立する必要がありました」と、同氏は述べています。同社は、長年にわたって独自のパッケージソリューションを設計する体制を整えてきましたが、より的確にターゲットを絞り、簡素化およびパーソナライズされたデジタル体験を構築する必要がありました。

「当社は、デジタル化によって顧客が当社をより深く理解できるようになることを認識していました。当社の目標は、顧客が複雑な情報に目を通すことなく、診断、学習、調査の準備が整った状態で当社に接触できるようにすることでした」と、同氏は述べています。

関連性の高いwebサイトジャーニーを強化

SEEのマーケティング部門は、まずメインのwebサイトの改革に着手しました。あらゆる業界や規模の企業顧客が同社のサイトを訪問するため、多くの場合、探している商品を確実に見つけることは簡単ではありませんでした。「顧客は、ジャーニーを開始する前に、包装やパッケージに精通している必要がありました」と、Giaimo氏は述べています。

顧客が適切なパッケージソリューションを見つけられるようにするために、チームは購入者の検討ジャーニーを見直すことにしました。「当社の包括的なストーリーを単にわかりやすく提示するのではなく、顧客が自社の業界や業務に最も関連性の高い商品を詳細に調査できるようにしたいと考えました。」

最初のステップは、スマート検索機能を実装することでした。Adobe Professional Services の協力を得ながら、既存の Adobe Experience Manager Sites プラットフォームを活用して顧客の行動を分析し、webサイトジャーニーを再構築しました。「アドビは、適切な質問をすることで軌道修正を図り、シンプルかつスムーズな顧客体験を構築するという、当社の目標に向けた取り組みを導いてくれました」と、Giaimo氏は述べています。

SEEはライブ検索機能を活用し、顧客が入力したデータに基づいて検索結果をリアルタイムかつインテリジェントに絞り込み、検索語と一致する商品や類似商品を提示できるようになりました。過去に同社の商品を購入したことがある顧客の場合、交渉済みの価格が自動的に追加されます。また、販売者支援ショッピング機能により、顧客はパッケージソリューションを設計する際にセールス担当者と直接やり取りできます。Adobe Sensei の商品レコメンデーションは、視覚的に類似した商品を提示するだけでなく、Adobe Experience Manager Assets との統合により、各商品の画像を提供できます。

Adobe Experience Managerプラットフォームにより、同社はより豊富なコンテンツにアクセスできるようになりました。「当社が提供したいのは、優れた動画、コピー、画像だけではありません。商品の3D体験を構築し、デジタル印刷などの革新的なサービスを導入したいと考えました」と、Giaimo氏は述べています。同社のパッケージデザインラボは現在、企業顧客の規模を問わず、購入者の検討ジャーニーにおいて、臨場感のあるオンラインサービス体験をシームレスに提供できるようになりました。

同社は近日中に Adobe Analytics および Adobe TargetAdobe Marketo Engage と統合し、webサイトのパーソナライゼーションを強化する予定です。他のパッケージソリューション選定ツールと連携することで、わずか数個のデータポイントに基づいて優れたパッケージ体験を構築できるようになります。

「アドビは、適切な質問をすることで軌道修正を図り、シンプルかつスムーズな顧客体験を構築するという、当社の目標に向けた取り組みを導いてくれました」

Carrie Giaimo氏

SEE、デジタルエクスペリエンス担当グローバルバイスプレジデント

購入者用ポータルの作成

オンライン体験の全体的な拡大にもかかわらず、製造業はデジタル化において他の業界に後れを取っています。SEEも例外ではありませんでした。顧客は、商品の発注や、パッケージに関する複雑な問題の解決を、電話や電子メールを通じて行っていました。商品の発注後、顧客は商品の到着予定日について、限られた情報しか得られませんでした。「製造業界ではこれまで、商品の出荷と配送予定期間のみを顧客に通知していました」と、Giaimo氏は述べています。「配送状況を把握することはほとんどできませんでした」

同社の目標は、業界の標準に甘んじることなく、顧客体験を再構築することでした。「私たちの部門は、SEEで、顧客体験の概念を構築する責任を担っています。顧客は、リアルタイムでデータが更新されることを期待するようになりました。私たちは、顧客が極めて簡単な方法で当社と取引できるように尽力しています」と、同氏は述べています。

同社の顧客体験の概念は、Adobe Commerce を活用した購入者用ポータルという形で具現化されました。顧客は、ポータルを通じて発注および注文管理し、出荷時にリアルタイムの更新情報を受け取ることができます。同じパッケージ商品を頻繁に発注する場合は、注文履歴から簡単にリピート発注したり、ポータルを通じて同社の専門家に直接連絡したりできます。

同社では、デジタルエンゲージメントが既に向上しています。顧客がポータルを通じて発注するようになったことで、注文の83%以上がオンラインに移行しました。「当社は、人々をビジネスの中心に据えて近代化し、顧客の期待に応えています」と、同氏は述べています。

同社のチームは、顧客が期待する機能を提供するだけでなく、製造業界固有の顧客体験も構築しています。顧客が買い物かごに商品を追加する場合、1つの注文において、商品ごとに異なる配送ルールが適用されます。例えば、ロール状の気泡緩衝材と、ドラム型の現場発泡体または梱包システムでは、配送ルールが異なります。また、適用される割引や最低発注数も異なります。適切なプラットフォームがなければ、これらのルールに従うのは困難です。

「シームレスな顧客体験を構築し、決済プロセス中に、顧客が複雑で難解な配送ルールを理解できるようにする必要がありました。Adobe Commerceの機能は、業界固有のニーズやルールを考慮しながら、優れた顧客体験を創出するのに役立ちました」と、同氏は述べています。現在、商品の80%をオンラインで発注できます。オフラインでのサポートが必要な製品についても、オンラインで対応可能な要件が増えたことで、オンライン発注が急増しています。

さらに、顧客が注文を行うためにマネージャーの承認が必要な場合は、ポータルから直接注文を送信し、内容を確認してもらうことができます。注文が承認されると、自動的に発注が行われ、進捗状況を知らせるリアルタイム通知が届きます。

「Adobe Commerceを、既存の大規模なテクノロジースタックにシームレスに統合できました」と、同氏は述べています。「統合してから1年が経過しましたが、今のところ大きな問題は発生していません。これは大きな成功です。」

デジタル戦略への適応

優れたデジタル体験を構築するには、ビジネスプロセスの変革も必要です。SEEは、ビジネスルール、ポリシー、価格設定の変更に取り組む一方で、Adobe Professional Servicesの協力を得て、プラットフォームの設計および実装を適切に管理し、加速させることができました。両者は緊密に連携し、2ヶ月ごとにデジタル体験の強化を実施しています。新しい機能を追加し、新規顧客および既存顧客とのエンゲージメントを促進しています。

「アドビは、当社のビジネスやその複雑さを十分に理解してくれています。そのおかげで、デジタル時代に合わせてビジネスプロセスをどのように再考するのか、問題解決に向けた有意義な議論を行うことができています」と、Giaimo氏は述べています。

例えば、同社は世界最大手の食品メーカー数社に包装材を提供しています。これらのメーカーは、一度に大量の発注を行うわけではなく、大量の在庫を確保するようにSEEに依頼します。SEEは、それらの在庫をメーカー専用として保管し、食品サプライチェーンに大きな影響を与えないようにします。以前は、顧客とSEEの双方にとって、このプロセスは多くの手間がかかりました。アドビと連携してプロセスをデジタル化することで、プロセス全体を効率化することができました。SEEは現在、新たな機能を追加することで、通常の注文におけるオフラインプロセスの手作業の約15%を自動化しています。

「アドビとのパートナーシップにより、デジタル体験の創出を簡素化し、社内のビジネス変革に注力できるようになりました。単に優れたweb体験を構築するだけでなく、デジタル企業としての責任を果たせるように、自社のDNAを変革しています」と、同氏は述べています。

「アドビとのパートナーシップにより、デジタル体験の創出を簡素化し、社内のビジネス変革に注力できるようになりました。単に優れたweb体験を構築するだけでなく、デジタル企業としての責任を果たせるように、自社のDNAを変革しています」

Carrie Giaimo氏

SEE、デジタルエクスペリエンス担当グローバルバイスプレジデント

既成概念からの脱却

SEEのデジタル変革は、オンライン体験だけにとどまりません。同社は、パッケージ自体をデジタル化する取り組みも進めています。「パッケージを、その役目を果たすだけの素材として扱うのではなく、新たな可能性を引き出すことが、当社の目標です」と、Giaimo氏は述べています。「当社はパッケージを、生産者、小売企業、消費者に価値を提供するサプライチェーンのインテリジェントな一部として捉えています。」

同社は現在、包装やパッケージだけでなく、包装材の化学組成においてもデジタルテクノロジーを活用しています。「デジタル化を通じて、パッケージをより広範なIoTに接続できれば、データの双方向性の伝達手段としてパッケージを活用できるようになります」と、同氏は述べています。同社のprismiq™スマートパッケージ技術は、現場の機器と連携してレポートをリアルタイムで提供し、遅延が発生している場所を特定します。さらに、パッケージジャーニーにおける、食品の廃棄や供給の問題につながる可能性がある、漏洩や汚染のリスクに関する有益なデータも提供します。

この革新的なテクノロジーの一環として、アドビは同社と協力し、パッケージに関するデータから有益なインサイトを抽出しています。両社は共同でAdob​​e Experience Managerを活用し、インタラクティブなパッケージアプリの試用版を作成しました。消費者は、このアプリを使用してパッケージをスキャンし、バーコード、QRコード、商品の日付やタイムスタンプ、真正性の承認、ガイド付きチュートリアルを表示できます。こうした取り組みはすべて、エンゲージメントの促進につながります。例えば、消費者は実店舗でパッケージをスキャンし、商品の製造工程を把握できます。また、開封した商品に関するレビューを提供したり、企業のソーシャルメディアコミュニティに参加したりできます。

これにより、商品に対する顧客のエンゲージメントを促進できるだけでなく、持続可能性に関する自社の取り組みをアピールすることもできます。

「インタラクティブなパッケージソリューションを通じて、パッケージが役目を終えたら再利用、リサイクル、または責任を持って廃棄するという決定を下す消費者と、より直接的にエンゲージする機会が生まれました」と、同氏は述べています。「責任あるパッケージ消費者になる方法を、人々に周知する必要があります。当社は、実際にパッケージを消費者の手元に届け、適切に処理する機会を提供しています。」

さらに同社は、Adobe Experience Manager SitesとAdobe Experience Manager Assetsを活用し、オンラインデザインスタジオを構築しました。デジタル印刷またはスマート埋め込みパッケージを利用している顧客は、同社のデザイナーと協力してパッケージを制作およびテストしながら、あらゆるアートワークとアセットをデジタルで包括的に管理できます。

「当社は、パッケージの運用プロセス全体を通じて、データを最大限に活用するための強力なソリューションを構築しようとしています」と、同氏は述べています。「訴求力のある方法でこのソリューションを実現する上で、アドビは重要な役割を果たしています。」

関連するユーザー事例

https://main--bacom--adobecom.hlx.page/fragments/customer-success-stories/cards/generic-collection

その他のユーザー事例を見る

https://main--bacom--adobecom.hlx.page/fragments/customer-success-stories/contact-footer