デジタルコンテンツで、新しい体験を
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ジャパンアジアは、Adobe Marketing Cloudを活用して、より多くのコンテンツをスピーディーに届けています。
800%
社内チームによるwebサイト制作の大幅な高速化
目標
デスクトップPC、ゲーム機、モバイル端末からのアクセスに対応し、幅広いユーザーを支援
webサイトとコンテンツを頻繁に更新することで、より多くのファンを惹きつける
webコンテンツの作成・管理を簡素化し、更新作業を社内で完結できる体制を構築
成果
複数デバイスに対応したwebサイトを迅速に構築できる仕組みにより、SIEは更新頻度を大幅に向上
webサイトの最適化スピードを5倍に短縮し、常に新鮮なコンテンツを届けることでユーザー満足度を向上
Adobe Experience ManagerとAdobe Targetを連携させ、パーソナライズされたコンテンツの作成・運用を効率化
社内チームによるwebサイト制作スピードが800%向上
あらゆるデバイスでファンとつながる
1993年、ソニーグループはビデオゲーム事業を担う子会社としてソニー・コンピュータエンタテインメント株式会社を設立しました。同社は後にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)へと社名を変更し、PlayStation製品の企画・開発・販売を一手に担っています。PlayStationブランドはゲーム業界をリードし続けており、家庭用ゲーム機の世界販売台数では2013年から2014年にかけてトップを記録しました。
2016年4月、ソニー・コンピュータエンタテインメントとSony Network Entertainment Internationalが統合し、SIEは新体制のもとで事業をスタートしました。グローバルビジネスの拡大に対応するため組織を刷新し、本社を米国に移管。日本は開発・製造、欧州はコアマーケティング業務をそれぞれ担う体制へと再編されました。
SIEは常に新たなエンタテインメントの形を追求してきました。1994年に初代PlayStationを発売して以来、PlayStation 2、PlayStation 3、PlayStation 4と世代を重ねながら家庭用ゲーム機を進化させてきました。また、PlayStation PortableやPlayStation Vitaといった携帯型ゲーム機で、自宅の外でもゲームを楽しめる環境を提供。2016年10月には、PlayStation VRによって仮想現実体験をユーザーへ届けました。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ジャパンアジア(SIEJA)の安齋武洋氏によると、ゲーム機とテクノロジーの進化に伴い、ユーザーのゲームの楽しみ方も変化し続けているといいます。
「以前は、ゲームを購入してエンディングまでプレイすれば完結していました」とAkiba氏は語ります。「しかし今では、オンラインで他のプレイヤーと対戦したり、追加コンテンツをダウンロードしたりと、楽しみ方が大きく広がっています。私たちの役割は、もはやハードウェアやソフトウェアを提供するだけにとどまりません。ネットワークサービスを通じた多彩なゲーム体験を、お客様にわかりやすく伝えていくことが求められています。」
SIEJAは、webサイト、メールニュースレター、モバイルアプリなど、さまざまな手段で情報を届けています。なかでも最も重要な情報発信の場が、PlayStation公式webサイトです。新作ゲームが次々とリリースされる中、最新情報をどこよりも早くお客様に届けるため、サイトの頻繁な更新が不可欠でした。しかし、それが必ずしも容易ではありませんでした。
SIEJAが直面した課題のひとつが、対応デバイスの急増です。2006年のPlayStation 3以降、ゲーム機から直接webサイトにアクセスできるようになり、2011年にPlayStation Vitaがリリースされると、ゲーム機からの訪問者数が急増しました。この状況に対応するため、SIEJAは独自のコンテンツ管理システムを開発し、コンピュータ向けとゲーム機向けに別々のwebサイトを構築しました。さらに近年は、スマートフォンやタブレットからのアクセスも爆発的に増加しています。
「以前は、コンピュータとPlayStationのブラウザで正しく表示されているかを確認するだけで十分でした」とAkiba氏は言います。「しかし今では、あらゆるモバイルデバイスの機種ごとに確認が必要で、多大な時間と労力を要します。コンテンツ管理の負担も増大し、タイムリーな更新の妨げになっていました。」
もうひとつの課題は、webサイトの構成に関するものでした。従来のコンテンツ管理システムでは、新しいセクションを追加するたびに外部の開発者の協力が必要で、わずかな変更でも最低1か月、大規模なサイト刷新には1年近くかかることもありました。お客様のニーズや市場のトレンドを素早くサイトに反映させる手段がなく、SIEJAは顧客満足度とサイトの魅力を維持するために、運用プロセスの抜本的な見直しを決断しました。
「Adobe Experience Managerを選んだもうひとつの理由は、すでにAdobe AnalyticsとAdobe Targetを導入済みだったことです。これらのソリューションを連携させることで、より高度なマーケティングを実現することができます。」
秋葉 岳裕
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ジャパンアジア マーケティングコミュニケーション部 Webマネジメント課 課長 兼 戦略企画部 CRM課 課長
モビリティ、創造性、柔軟性を重視した選択
SIEJAは新しいサイト管理システムの検討を開始し、複数のソリューションを比較検討した結果、Adobe Experience Managerの導入を決定しました。
当初SIEJAは、コンテンツ管理を主軸とした競合他社のソリューションを検討していました。しかし、PlayStationブランドの魅力と楽しさをユーザーに伝えるためには、スピードと柔軟性を重視したシステムが必要だと判断し、改めて選択肢を見直した結果、Adobe Experience Managerを選びました。
「管理を重視したソリューションでは、事前にデータベースを構築し、そのデータベースをベースにwebサイトを開発しなければなりませんでした」と秋葉氏は言います。「これにより、機動性と柔軟性が大きく制限されます。この方法では本来の課題を解決できないと考えました。」
一方、Adobe Experience Managerはレスポンシブデザインテンプレートを活用し、webページを複数のデバイスに対応させることができます。そのため、デスクトップコンピュータ、PlayStationデバイス、モバイルデバイス向けのwebサイト制作を効率よく行うことが可能です。また、Experience Managerはコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけで新しいコンテンツを簡単に追加できる直感的な操作性を備えており、複数デバイス向けに魅力的なコンテンツを素早く作成できる点が高く評価されました。
さらに、Adobe Experience Manager Assetsを活用することで、SIEJAは画像やフォームなど、サイトに関わるすべてのデジタルアセットを一元管理することができます。既存のコンポーネントや画像ズームなどの高度な機能を組み合わせることで、リッチなwebコンテンツを手軽に作成することができます。
「Adobe Experience Managerを選んだもう一つの理由は、すでにAdobe AnalyticsとAdobe Targetを導入していたことです」と秋葉氏は述べています。「これらのソリューションを連携させることで、より高度なマーケティングを実現することができます。」
更新の迅速化とパフォーマンスの向上
Adobe Experience Manager、Adobe Analytics、Adobe Targetを組み合わせることで、SIEJAは高度なマーケティングプログラムを実現し、複数のデバイスに対してコンテンツを効率的に配信しています。
Adobe Experience Managerを活用することで、SIEJAはリッチメディアコンテンツを含むwebサイトを社内で簡単に作成・更新することができます。これにより、コンテンツの更新配信が大幅に加速しました。また、Adobe Analyticsの分析結果と組み合わせることで、webサイトの構成やコンテンツを迅速に改善することが可能です。さらに、Experience ManagerとAdobe Targetを連携させることで、ユーザー属性に応じたコンテンツのセグメント配信も実現しています。
リードタイムの短縮
Adobe Experience Managerを活用することで、SIEJAは複数デバイス向けのwebコンテンツを短期間で準備することができます。
以前は、webサイトの新規制作や更新の際、まず開発会社に連絡してミーティングの日程を調整するところから始まる必要がありました。作業依頼書の提出、見積もりの受領、そして社内承認の回付を経て、ようやく実際の開発がスタートするという流れです。ホームページに新しいセクションを追加するだけでも最低40日、場合によっては3か月かかることもありました。注目コンテンツ用の小さなセクションの作成には約30日、さらに複数デバイスへの対応にも追加で約20日が必要でした。
Adobe Experience Managerの導入により、webサイトの制作・更新は社内スタッフが直接担えるようになりました。
「Adobe Experience Managerを活用することで、ホームページへの新規セクション追加が約5日で完了できるようになりました。以前と比べると約800%のスピードアップです」と秋葉氏は語ります。「注目コンテンツセクションの制作期間は30日から15日に短縮され、複数デバイスへのデザイン対応も約10日で対応できるようになっています。」
これらのメトリクスは平均リードタイムの改善を示していますが、コンテンツによってはさらに短期間での制作も実現しています。注目コンテンツセクションのひとつはわずか2日で完成しており、Adobe Experience Managerが引き出す可能性の大きさを示す好例となっています。
webサイトの継続的な最適化
webサイト開発のスピードが上がったことで、SIEJAはwebサイト改善のためのPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを加速させることができました。PDCAサイクルとは、目標を設定し(計画)、施策を実施し(実行)、結果を検証し(評価)、目標達成度に基づいて次の行動を決定する(改善)という一連の最適化プロセスです。このサイクルを繰り返すことで、SIEJAはwebサイトの継続的な改善を実現しています。
Experience Manager導入以前、SIEJAは5か月間で主要タイトルの特別プロモーションをわずか3回しか実施できませんでした。しかしExperience Manager導入後の5か月間では、特別プロモーションを6回実施し、セクションの追加・刷新を5回、ユーザー属性に基づくターゲティング機能を3つ追加しました。5か月間で合計14回の改善を達成し、導入前と比較してwebサイトの更新ペースは5倍に向上しています。
「常に新鮮なコンテンツを維持することで、訪問者の動向に変化が生まれています」と秋葉氏は述べています。「まず、ホームページを訪問してから他のページへ移動せずに離脱する訪問者の割合(直帰率)が40%から35%に改善されました。分析によると、新しいコンテンツや更新されたコンテンツをより頻繁に届けることで、ユーザーの関心と注目をより引きつけることができるということが明らかになっています。」
また、「PlayStation.Blog」のコメント数は37%増加しました。さらに、会員ログインフィールドの配置を最適化したことで、ログインするユーザー数が8倍以上に増加しています。
以前は、Adobe Analyticsの分析結果をもとに仮説を立てることはできても、webサイト上でその仮説を検証するには多くの時間を要していました。その間にも最新ゲームやトレンドは変化し続けるため、仮説の検証が困難な状況でした。
「Adobe Experience ManagerとAdobe Analyticsを組み合わせることで、最適化サイクルを迅速に回し、webコンテンツの品質と効率を高めることができています」と秋葉氏は語ります。「デジタルチャネルがお客様との重要な接点となる今、こうした迅速かつ柔軟な社内ワークフローの確立がますます重要になっています。」
ユーザー満足度の向上
webサイトの更新やPDCAサイクルの効率化により、SIEJAはwebコンテンツの分析により多くのリソースを集中させることができます。
「2015年6月にPlayStation公式サイトをリニューアルしました」と秋葉氏は述べます。「サイト訪問者の50%がホームページから閲覧を始めるため、まずホームページから着手しました。Adobe Analyticsの分析データを詳細に検証することで、ユーザーが求める情報の種類や、使いやすいレイアウトの傾向を把握することができました。その結果、掲載コンテンツを絞り込んだデザインへの刷新を決断し、ユーザー満足度を大幅に向上させることができました。」
具体的には、SIEJAはNet Promoter Score(NPS)を用いてユーザー満足度を測定しています。NPSは、訪問者がそのwebサイトを他のユーザーに薦めるかどうかをアンケートで調査し、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。リニューアル前の平均NPSは-35%でしたが、リニューアル後は-26%へと9ポイント改善されました。
ホームページの掲載コンテンツを絞り込むことで、クリック数が減少しユーザー満足度が低下するという懸念がSIEJA内部で上がっていました。しかし、サイト運営チームの分析結果をもとにアドビのコンサルタントと議論を重ねた結果、従来のホームページは情報量が多すぎてユーザーが必要な情報にたどり着きにくい状態であったことが判明しました。
「最初にAdobe AnalyticsとAdobe Targetを導入した時と同様に、アドビは単なるソリューション提供にとどまらないと改めて実感しました」と秋葉氏は語ります。「アドビは、顧客視点から成果を分析し、アドビのソリューションを最大限に活用するための方法を一緒に考えてくれます。今回のホームページリニューアルでも、アドビのコンサルタントのサポートにより、優れた成果を達成することができました。」
「Adobe Experience Managerにより柔軟なwebサイトを構築できるようになったことで、サイト改善を検討する際にシステムの制約や開発コスト、リードタイムを心配する必要がなくなりました。」
秋葉 剛弘
ソニー インタラクティブエンタテインメント ジャパンアジア マーケティングコミュニケーション部 webマネジメントグループ ディレクター/戦略企画部 CRMディレクター
柔軟でクリエイティブなwebサイトの構築
Adobe Experience Managerの活用により、SIEJAはwebサイトのクリエイティビティと柔軟性を大幅に向上させました。ゲームのティザーサイトから始めてコンテンツを段階的に追加し期待感を高めるストーリーテリング型のマーケティング手法など、新たなアプローチも取り入れています。以前は実現が難しかったこうした手法も、Experience Managerによってコンテンツの追加が格段に容易になりました。
「ゲームへのユーザーの関心を段階的に高めることで、最適なタイミングで購買リンクや詳細情報を提示してコンバージョン率を向上させることができます」と秋葉氏は説明します。「この手法は、以前のシステムではほぼ実現不可能でした。Adobe Experience Managerで柔軟なwebサイトを構築できるようになった今、システムの制約や開発コスト、リードタイムを気にすることなく、Workfrontプランニングとデザインに集中することができます。今後も継続的にwebサイトの改善を推進していきたいと考えています。」
パーソナライズされた体験の提供
Adobe Experience ManagerとAdobe Targetを連携させることで、SIEJAはwebサイトコンテンツのパーソナライズを実現しています。
PlayStation Storeを訪問したユーザーは、現在いくつかのグループにセグメント化され、それぞれ異なる情報が表示されます。最新ゲームの広告が表示されるユーザーもいれば、メンバーシップサービス「PlayStation Plus」の特典について詳しく案内されるユーザー、ゲームストリーミングサービス「PlayStation Now」を紹介されるユーザーもいます。このように各ユーザーに最適な情報を届けることで、SIEJAはホームページからPlayStation Storeへのクリックスルー率を15%以上向上させることに成功しました。
ホームページのリニューアル後、SIEJAはメンバーのサインイン数を大幅に増加させることにも成功しました。この成果を受け、SIEJAはさらなるパーソナライゼーション施策の検討を進めています。
「例えば、以前レコメンデーションしたゲームに関連するコンテンツを追加で提案したり、しばらくゲームをプレイしていないユーザーにリマインダーメールを送ることができます」と秋葉氏は語ります。「パーソナライゼーションを通じてユーザーとのコミュニケーションを最適化することが、私たちの目標のひとつです。」
SIEJAは今後もアドビのコンサルティングとAdobe Marketing Cloudを活用し、webサイトを通じてPlayStationの魅力を伝え続けることを目指しています。