Accentureの学習および開発(L&D)メディア担当責任者であるChirantan Baruah氏は、52か国の約100万人の従業員向けに、社内トレーニングコンテンツを制作するチームを統括しています。
「私は、自分の役割を交響楽団の指揮者のようなものであると考えています」と、同氏は述べています。クリエイティブデザイナー、ライター、コーディネーター、スペシャリストのチームを率いて、協力し合いながら、複雑なアイデアを魅力的なストーリーや体験に変える仕事をしています」
プレゼンテーションからチラシ、インタラクティブな体験、ゲーミフィケーションキャンペーンに至るまで、同氏はコンテンツ制作業務を統括しています。しかし、グローバルなプロフェッショナルサービス企業として同社のビジネスが成長するにつれて、人材のトレーニングや教育のための新しいコンテンツの需要も高まっています。非効率的なワークストリームや時代遅れのツールによって作業スピードが低下し、新しいクリエイティブコンテンツの制作、レビュー、公開プロセスが大きな負担をもたらしていました。
この課題に対処するために、同社のCIOオフィスは、新しいコンテンツの制作を迅速化し、レビューサイクルの改善を促進して、デザイン以外のチームを制作プロセスに関与させるためのソリューションを探していました。選択肢を比較評価した結果、同オフィスはAdobe Expressを採用し、L&Dメディア部門を先導役に指名しました。
クリエイティブの俊敏性を次のレベルへ
AccentureのシニアグラフィックデザイナーであるPuneetha Reddy氏は、2Dデザインおよび動画の分野で15年以上の経験を有しています。同氏はこれまで、Adobe Creative Cloudを使用して、あるクリエイティブアプリから他のクリエイティブアプリにスムーズに切り替えて、コンテンツを制作していました。しかし、こうしたアプリの切り替えにより、厳しいスケジュールが遅延したり、クリエイティブプロセスが遅れたりする可能性があります。
そこで、同氏とデザイナーたちは、Adobe ExpressとAdobe Creative Cloudアプリケーションの緊密かつ強力な統合を通じて、俊敏性とコンテンツベロシティを向上させました。これにより、全体的な効率性が45%向上しました。
「Adobe Photoshop、Illustrator、Adobe Expressをシームレスに切り替えることで、クリエイティブのコントロールを維持しながら、スピードを向上させることができます」と、同氏は述べています。
L&Dメディア部門のデザインシニアアナリストであるMeena Deshmukh氏も、Reddy氏の意見に同意しています。「素晴らしい機能に感銘を受けています。望む成果を得るためにツール間を行き来するのではなく、Adobe Expressを離れることなく作業を進めることができるため、時間を短縮できます」
L&Dメディア部門は、Adobe Expressに直接組み込まれた、事前にデザインされたテンプレートのライブラリを高く評価しています。ここでは、様々な最新のソーシャルメディアキャンバスをカスタマイズして、すばやくエクスポートできます。「Instagramの投稿や、YouTubeの動画サムネイルの推奨サイズを調べる必要はありません」と、Reddy氏は述べています。「テンプレートを開くだけで、作業を進めることができます」
Adobe Expressに組み込まれた大規模なコンテンツライブラリでは、Adobe StockとAdobe Fontsに無制限にアクセスできます。さらに、L&Dメディア部門は、独自のカスタムアセットやテンプレートのライブラリを有しており、各プロジェクトを迅速かつ正確に調整しながら、適切なペースで簡単に作業を進めることができます。
「私たちのもとには、プレゼンテーション、インフォグラフィック、メールなど、迅速な出力リクエストが多く寄せられています。しかし、コンポーネントを手作業で作成するのに、多くの時間を要していました。Adobe Expressは、ブランドに沿ったテンプレートやコンテンツを迅速に提供してくれます」と、Baruah氏は述べています。先日、20人のデザイナーから成る同氏のチームは、Adobe Expressを主要なクリエイティブ基盤として使用し、わずか3週間で約200個の制作準備が整ったアセットを作成しました。これは、以前の3倍に相当します。
これらのアセットの多くは、動画です。以前は、動画を制作するために、プロレベルのソフトウェア、長時間に及ぶ複雑な編集、長いレンダリングプロセスを必要としていました。AccentureのL&Dメディア部門は、より広範な人事組織の一員として、同社のグローバルチームとエンゲージし、トレーニングを提供するための説明ビデオ、コースアニメーション、インタラクティブ要素の作成を定期的に行っています。Adobe Expressを導入したことで、このプロセスに要する負担を軽減し、コストを削減しながら、これまでと同様の堅牢なコンテンツを短時間で制作できるようになりました。
「Adobe Expressを使用して、驚異的な速さで動画を結合できることに驚きました」と、Deshmukh氏は述べています。「イントロやアウトロを含む複数の動画を編集するのに、以前は数時間かかっていましたが、現在はわずか15~20分で完了できます。Adobe Expressは、今や当社にとって不可欠な動画制作アプリです」
シームレスなコラボレーションを実現
Adobe Expressを使用すれば、L&Dメディア部門のすべての従業員がコンテンツ制作に参加できるようになります。強化されたワークフローにより、デザイナーとクリエイティブ以外の従業員のギャップを埋め、よりまとまりのある効率的なクリエイティブプロセスを生み出し、誰もが簡単にコンテンツ制作に貢献できます。
Adobe Expressを使用したL&Dメディアのパイロットプロジェクトに参加した従業員75人中55人は、編集、マーケティング、その他のビジネス関連の職務を担っていました。これらの従業員は、自身のニーズに合わせてパーソナライズされたコンテンツを使用して、テンプレートをリミックスできるようになりました。こうした変化により、同社はデザイナーの作業負荷を軽減し、チーム全体の効率性を向上できました。クリエイティブ担当者は、より価値の高いプロジェクトに専念できるようになりました。
Deshmukh氏は、これらの新しいワークストリームにより、従来のクリエイティブ職だけにとどまらず、様々な職務に新たなエネルギーやアクセシビリティをもたらすことができたと述べています。「あらゆる従業員のプロセスを簡素化できました」と、同氏は述べています。「デザイナーが作成したコアテンプレートを、その他のチームメンバーがグラフィック、プレゼンテーション、動画に合わせてすばやく適応させることができるようになりました」
L&Dメディア部門はまた、コンテンツ制作を合理化するために、Adobe Express内でAdobe Fireflyも使用しています。Fireflyの生成AIテクノロジーは、画像生成の自動化や、クリエイティブに関する提案を通じて、チームがブレインストーミングや初期の下書きに費やす時間を短縮するのに役立ちます。高品質のビジュアルを迅速に制作できるようにすることで、チームは制作から改良へと焦点を移し、デジタル学習教材の品質とスピードの両方を向上させることができます。
クリエイティブ作業を効率化し、新たな時代を拓く
AccentureのL&Dメディア部門は、Adobe Expressを使用してコンテンツの制作方法を変革し、再構築し続けています。ワークフローを合理化し、チーム全体が有意義な貢献を行えるようにすることで、クリエイティブな調和と生産性を新たなレベルに引き上げています。
この生産的な相乗効果は、同社がすでに導入しているアドビエンタープライズソリューションの成功を反映しています。これらのソリューションはシームレスに統合し、効率性を高めながら労力を削減するワークフローを構築します。例えば、Adobe Experience Manager SitesとExperience Manager Assetsは、Accenture.com全体を強化します。また、Adobe Workfrontは、あらゆるチームワークフローを単一の基盤に統合します。
「Adobe Expressに統合してワークフローを簡素化できるものはすべて、歓迎すべき変化です」と、Baruah氏は述べています。
ブランドテンプレートにもとづいてアセットを構築するデザイナーやマーケターであれ、キャンペーンを強化するために顧客データを掘り下げる開発者であれ、同社のチームは、アドビのテクノロジースタックを活用することで、反復的なタスクや分断されたプロジェクトから解放されました。そのような自由こそが、クリエイターに真の力を与えると、同氏は述べています。
「これらのワークフローにより、クリエイティブな問題解決に注力し、より大規模で複雑なプロジェクトに取り組む余裕ができました」と、同氏は述べています。さらに、デザイナー以外の従業員も、関係者のニーズに合わせてコンテンツを調整および制作できるようになり、スムーズで効率的なコンテンツパイプラインを確保し、オーディエンスに付加価値をもたらすことができます。
L&Dメディア部門のパイロットプロジェクトで有望な成果を得られたことを受けて、同社のCIOオフィスは、マーケティングやセールスなどの他のチームにもAdobe Expressの使用を拡大し、効果を高め、自社全体でのコンテンツ制作やコラボレーションを迅速化することを計画しています。
Adobe Expressがどのようにしてマーケティングオペレーションを変革するかについては、こちらをご覧ください。
Govind Balakrishnanは、アドビのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであり、Adobe ExpressおよびDMeサービスを担当しています。アドビで19年以上にわたって、あらゆるプラットフォームでクリエイティビティを育むツールやランタイムを構築することに情熱を注いでいます。Govindは、Flash Platformの責任者になる前は、Flash Liteのクリエイターでした。過去数年間、Creative Cloudのモバイルおよびサービス戦略と、Creative Cloudのモバイルアプリポートフォリオの開発および推進に取り組んできました。最近では、Adobe Expressの責任者も務めています。アドビに入社する前は、Maya 3Dの設計者を務めていました。Maya 3Dは、オートデスクの3Dモデリングおよびアニメーションソフトウェアであり、アカデミー賞を受賞しています。
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