利用すべき10種類のマーケティングメール
メールマーケティングは、顧客と直接コミュニケーションをとることができるため、非常に効果的です。しかし、効果的なメールマーケティング戦略を立案するのは容易ではありません。メールにはさまざまな種類があり、自社に適したメールを判断するのが難しいことがあります。
メールマーケティング施策のクリック率(CTR)が低いようであれば、どのようなメールがより優れた成果をもたらすかを学びましょう。
このガイドでは、一般的な10種類のメールを活用例と合わせて紹介します。自社の顧客とつながるためには、どのようなメールが適しているのかを検討するのに役立てましょう。
紹介するメールの種類は次のとおりです。
最も一般的なメールの種類
マーケターが顧客に送るメールには、無限の選択肢があります。しかし、その中でも、いくつかの種類のメールが、企業に大きな成果をもたらすと考えられています。
まず、企業が顧客にリーチするのに一般的な5種類のメールから解説します。
- プロモーションメール
- ニュースレター
- リードナーチャリングメール
- アンケートメール
- マイルストーンメール
プロモーションメール
プロモーションメールは、主に、潜在顧客に商品やサービスを認知してもらうことを目的としています。 クーポンや割引の案内、制限付きコンテンツへのアクセス、特別なイベントの告知など、さまざまな用途で利用できます。プロモーションメールは、顧客が受け取るマーケティングメールの中で、大多数を占めています。
このように広く利用されているメールだからこそ、目立たせる工夫が必要です。割引やクーポンコードを提供する際には、商品やサービスのメリットや特徴を説明する必要があります。それにより、顧客は、ただ割引があるというだけでなく、なぜ購入する必要があるのかを理解することができます。また、メールの件名にオファー内容を記載するのも、目立たせるポイントです。それにより、顧客が件名だけを読んで受信トレイに放置することなく、メール本文を確認するようになります。
航空会社のJetBlueのプロモーションメールは、顧客がプロモーションコードを使用すると、購入金額が割引になるというものです。このメールはシンプルで短いため、顧客が飽きて読み飛ばすことはありません。割引を提供することは、購買意欲を高め、少なくともサイトを訪問してもらい、企業と関わってもらうための十分な動機付けになります。

ニュースレター
ニュースレターは広く利用されており、定期的に送付されるのが一般的です。ニュースレターには、自社の最新情報、イベントやプロモーションの告知、ブログコンテンツなどが掲載されています。 ニュースレターは、プロモーションメールに次いで広く利用されているマーケティングメールです。
新規顧客だけでなく、既存顧客に対しても、商品やサービスの利用方法、顧客の成功事例、実施中のプロモーションなどのコンテンツを共有することで、効果的なマーケティングをおこなうことができます。ニュースレターは、企業が読者の注目を継続して集めるための効果的な方法です。
ニュースレターを最大限に活用するためには、メールの目的を明確にすることです。その上で、適切かつ重要な情報のみを掲載するようにしましょう。ニュースレターには内容を盛り込みすぎてしまいがちなので、最も適切なコンテンツと、読者にとって最も重要なCTA(行動喚起)に焦点を絞る必要があります。
ニュースレターでは、webサイト、ソーシャルアカウント、ブログなどの既存のコンテンツを再利用できるため、他の種類のメールよりも制作に時間をかけずに済みます。
クラウドホスティング企業のKinstaのニュースレターでは、潜在顧客や既存顧客が興味を持ちそうな価値あるリソースを紹介しています。このメールの内容は、Kinstaのソリューションに関連するものですが、スパム的であったり、販売促進を主な目的としているようには見えません。

リードナーチャリングメール
リードナーチャリングメールは、自動化されたメールであり、潜在顧客をマーケティングファネルを誘導して購入に導くのに役立ちます。 自動化されているため、コンテンツへの投資と時間を節約することができ、メールを必要な段階で送信するのを忘れたり、見込客がファネルから離れてしまわないようにすることができます。
潜在顧客がファネルのどこにいても、たとえば、選択肢を調べ始めたばかりであっても、最終的な選択肢をいくつか比較しているところでもあっても対応が可能です。リードナーチャリングメールは、ビジネスにおけるコンバージョンと売上を促進する上で重要な役割を担っています。
リードナーチャリングメールでは、企業ニュース、ブログ記事、電子ブック、割引などをリードにプロモーションし、潜在顧客を顧客に変えることができます。
Mersive Technologiesでは、メールでコラボレーションプラットフォームを利用するメリットを紹介しています。こうしたメリットは、リードを購入に導いたり、商品について質問するのを促すのに役立ちます。また、この種類のメールの目標である、デモを見たり、見積もりを依頼するためのCTAも含まれています。

アンケートメール
アンケートメールは、メールでアンケートや質問を送信し、顧客から定量的なデータを収集する手法です。 受信者は、メール本文に記載されたアンケートや質問に、メールで回答したり、webサイトで回答したりします。アンケートメールでは、潜在顧客から、どのようなコンテンツが重要なのか、どのような疑問があるのか、何が購買意欲を低下させているのかなど、さまざまなフィードバックを収集することができます。
このようなメールでは、最近購入した商品の評価やレビューを求めたり、自社サービスに関するアンケートに回答してもらうことができます。アンケートメールのもうひとつの使い方は、顧客の興味を探り、今後のプロジェクトの指針にすることです。
運送企業のBirdの短いシンプルなメールは、利用者に感謝を示した後、アンケートへの回答を依頼しています。このようなメールは、顧客のサービス利用状況を把握し、顧客体験を向上させるために必要な改善をおこなうのに役立ちます。

マイルストーンメール
マイルストーンメールとは、顧客にとって重要な出来事や、顧客との関係性を示すものであり、顧客とのとつながりを構築する機会をもたらします。
通常、マイルストーンメールでは、自社の成功や目標に対する顧客の貢献に感謝したり、誕生日、記念日、祝日などの特別な機会を祝います。
たとえば、顧客が自社のサービスを1年間利用した後にメールを送ったり、誕生日にパーソナライズされた割引コードを送ったりすることができます。このように、節目となるタイミングでのメール配信は、高度にパーソナライズされているため、非常に効果的です。
ソフトウェア企業のMacPawからのマイルストーンメールでは、創立4周年を記念して、MacPawのソフトウェア製品の割引を読者にオファーしています。このメールを読んだ読者がすぐに購入しなくても、エンゲージメントを生み出し、企業の認知度を高めることができます。

その他の一般的な5種類のメール
ウェルカムメール
ウェルカムメールは、通常、潜在顧客や既存顧客に最初に送るメールです。 メールリストへの登録やアカウントの作成など、顧客が自社に対して最初のアクションを起こした後に送信します。これらのメールは、最初のアクションから24時間以内に送信することが推奨されています。
このようなメールは、第一印象を良くし、信頼を築き、期待を持たせることで、顧客との関係を構築するのに役立ちます。ウェルカムメールは、パーソナライズされたものであれば、開封率、クリックスルー率、エンゲージメントなどでより優れた成果をもたらします。このようなメールは、簡潔でシンプルなものがベストです。セールストークのような内容は避けるべきです。
家電量販店のBest Buyのウェルカムメールは、同社のメール配信に登録した利用者に感謝の意を表すものです。そして、Best Buyのロイヤルティプログラムへの登録やモバイルアプリのダウンロードを勧めています。

専用メール
専用メール(別名スタンドアロンメール)は、特定のオファーを告知するために、メーリングリストに対して送信します。 たとえば、新しいリソースが公開されたことを告知したり、バーチャルイベントや対面イベントに参加するよう招待したりします。このようなメールには、非常に具体的なCTAが設定されているため、測定は迅速かつ容易におこなえます。これらのメールの内容は、プロモーションする商品やイベントによって異なるため、他の種類のメールほど定期的に送信されることはありません。
スナック菓子メーカーのNuts.comが配信したメールは、商品ラインナップの拡大について告知しています。このメールのCTAでは、読者がwebサイトで新しい商品ファミリーを購入するよう促しています。今まで自身のニーズに合う商品が見つからなかった顧客も、このメールを見て興味を持ち、webサイトを再訪問して新しい商品を確認してくれるかもしれません。
リエンゲージメントメール
リエンゲージメントメールは、通常のメールにおけるエンゲージメントが途絶えてしまったメール購読者に再びアプローチするためのものです。 メールの開封、メールでのエンゲージメント、webサイトへの訪問などがしばらく途絶えている場合、リエンゲージメントメールを利用して、つながりを保つように促すことができます。
リエンゲージメントメールは、顧客にブランドを再認識してもらうためのものなので、さまざまな形態で配信することができます。たとえば、プロモーション、企業からのお知らせ、ニュースレターなど、さまざまなものを利用することができます。
Invespによると、既存の非アクティブな購読者を顧客に転換する方が、新規顧客を獲得するよりも最大で5倍コストが低くなります。そのため、リエンゲージメントメールを送ることは、顧客獲得に注力するよりも、ビジネスにとって有利な戦略です。
電子機器メーカーのWithingsのリエンゲージメントメールは、複数の目的を兼ね備えています。同社が提供する主要商品のメリットを顧客に思い出してもらい、特別なプロモーションを紹介し、利用者が同社のwebサイトを再訪問するよう促すなど、複数のCTAを設置しています。

カート放棄メール
カート放棄メールは、商品をショッピングカートに入れたものの、チェックアウトのプロセスを完了していない顧客に送信されます。 このようなメールは、サイトを再訪問し、購入を完了するよう促すリマインダーの役割を果たします。
購入完了を促すリマインダーは、顧客を急がせる効果があります。商品の画像、説明、割引情報などを掲載することで、顧客をコンバージョンに誘導できます。また、販売を促進するために、目立つCTAを配置するとよいでしょう。顧客が特定の商品をカートに入れたときに在庫がなかった場合は、その商品が再入荷して購入可能になったときに通知メールを送ることもできます。
アウトドアブランドのCotopaxiのカート放棄メールでは、カートに入れたままになっている商品をリマインドし、売り切れる前に購入するように促しています。この例では、メールには魅力的な商品画像と、顧客が興味を持った商品の詳細が含まれています。最も重要な要素は、顧客にチェックアウトを促すCTAです。

取引メール
取引メールは、取引を促進し、既存の注文や購入に関する最新情報を提供するのに役立ちます。 注文確認メール、出荷確認メール、返金確認メールなどです。
注文がいつ届くのか、購入後の次のステップは何かなど、顧客が特に求めている情報が含まれているため、他の種類のメールよりもCTRが高くなります。
金融プラットフォームのCoinbaseからのメールは、読者がリンクをクリックしてメールアドレスを確認することを要求しているため、潜在的な意味での取引メールです。利用者がアクションを起こす必要があるため、メールの主要素は「メールアドレスの確認」ボタンであり、プロモーション的な要素はまったくありません。

ベストプラクティス
一般的なメールの種類を理解したところで、次にメール施策を最大限に活用するためのベストプラクティスをいくつか紹介します。
- 自社に適した指標を選ぶ: 開封率やCTRなど、測定したい指標を選択して継続的に監視し、最適化しましょう。どの指標を測定するかは、メールの目的によって異なります。たとえば、プロモーションメールではwebサイトへの誘導、リードナーチャリングメールでは開封率に重点を置きます
- 重要な情報は目立つ場所に配置する: 最も重要な情報は、読者がスクロールしなくても確認できる、メールの上部に記載しましょう。これにより、より多くの人に主要メッセージを届けることができます。セール情報であれば、読者が最も知りたい内容をメール内ですぐに確認できるようにしましょう
- 顧客を把握する: 顧客の興味や行動に合わせたメールを送りましょう。たとえば、月1回のメール配信を希望している顧客には、毎週配信しないようにします。過去の購入履歴や閲覧履歴をもとにメールをパーソナライズすることで、顧客の興味を把握し、エンゲージメントを向上させることができます
- 過剰にならないようにする: 最後に、相手が人間であることを忘れないようにしましょう。あまりしつこくしたり、同じ内容のメール何度も送ったりすると、メールを開いてもらえなくなったり、配信を停止されてしまう可能性もあります
メールマーケティングを進化させるために
マーケティングメールの種類を適切に組み合わせて戦略を立てることで、顧客の興味を惹き、リードを育成し、緊密な関係を構築することができます。まず、現在の顧客向けメールの種類と頻度を確認することから始めましょう。これにより、送信するメールの数を減らしたり、ターゲティング方法を変更したりするなど、すぐに改善すべき点を特定することができます。
Adobe Campaignは、送信したメールに関するデータの収集と分析を支援し、パーソナライズされた効果的なメールマーケティング戦略の立案に役立ちます。コードを記述することなく利用できる統合インターフェイスを活用して、ダイナミックな施策を構築、調整、配信し、施策の要素を単一の管理可能なワークフローに同期させることができます。
Adobe Campaignの詳細については、アドビの担当者にご確認ください。