データレイクとは?その活用方法を解説
主な内容:
データレイクとは?
データレイクとは、構造化データ、半構造化データ、非構造化データなどの大量のデータを、規模を問わず、そのままの形式で一元的に保存できるデータリポジトリのことです。データレイクの目的は、スキーマや構造をあらかじめ定義することなく、生のデータをそのままの形で保存することです。つまり、さまざまなソースからデータを取り込み、より柔軟で費用対効果の高い方法で保存することができます。
データレイクでは、通常、データの保存と管理に分散ファイルシステムを利用します。これにより、Apache SparkやHiveなどのツールを利用して、大量のデータを並行して処理および分析することができます。また、データレイクをマシンラーニング(機械学習)やAI(人工知能)のフレームワークなど、さまざまなデータ処理ツールや分析ツールと統合することで、データからインサイトをを得ることも可能です。
データレイクの活用例
データレイクの主な利点のひとつは、ソーシャルメディア、センサー、IoTデバイス、非構造化データソースなど、さまざまなソースからのデータを保存して分析できることです。これにより、従来のデータウェアハウスでは不可能だった新しいインサイトやユースケースを発見することができます。
データレイクは、一般的に次のように活用されています。
- ビッグデータ処理:大量のデータを処理および分析する必要がある場合、データレイクはスケーラブルで費用対効果の高いソリューションを提供します
- 非構造化データ: 動画、音声、画像、テキストなどの非構造化データを扱う企業では、データレイクが理想的なソリューションとなります。データを生のまま保存できるため、さまざまな分析やAIモデルを適用してインサイトを抽出することができます
- リアルタイムのデータ処理: リアルタイム(またはほぼリアルタイム)でデータを処理する必要がある場合、データレイクを利用すると、データを迅速に取得し、処理することができます。データレイクは、リアルタイムの分析ダッシュボードを構築するのに役立ちます
- 費用対効果の高いストレージ: データレイクは、大量のデータを保存するための費用対効果の高い方法です。データは生の状態で保存されるため、保存前にデータの構造化やクリーニングに時間やリソースを費やす必要がありません
- 共同作業: データレイクは、企業のさまざまな部門のデータを一元管理するために利用でき、部門間でのコラボレーションやデータの共有が容易になります。また、データレイクには、データアナリスト、データサイエンティスト、ビジネスユーザーなど、さまざまな関係者がアクセスして、分析やデータにもとづいた意思決定に利用することができます
データレイクの課題
データレイクを利用する上で、データガバナンス、セキュリティ、データ品質に関する課題に直面する可能性があります。データの正確性と信頼性を確保するためには、そうした課題に対処する必要があります。
データレイクは、柔軟性や拡張性など多くの利点がある一方で、いくつかの課題もあります。ここでは、データレイクに関連する一般的な課題をいくつか紹介します。
- データ品質: データレイクは生の非構造化データと構造化データを保存するため、データ品質にばらつきがある可能性があります。データ品質の管理を適切におこなわないと、データレイクは低品質なデータや無関係なデータで乱雑になり、管理や分析が困難になります
- データガバナンス: データレイクは大量のデータを保存するように設計されているため、適切なデータガバナンスを確保することが困難な場合があります。その結果、データ漏洩、コンプライアンス違反、データプライバシーに関する懸念などの問題につながる可能性があります
- データセキュリティ: データレイクは、サイバー攻撃のターゲットになる可能性があります。大量の機密データを保存することもあるため、データ漏洩や不正アクセスから保護するためのセキュリティ対策を講じる必要があります
- データの分断化: データレイクはデータの分断化を生み出し、組織の利用者がデータに容易にアクセスできなくなる可能性があります。このような場合、利用者がそれぞれデータのコピーを保存することになるため、非効率性や冗長性が生じ、不整合やエラーにつながる可能性があります
- データ統合: 特に構造化データと非構造化データを扱う場合、異なるソースからのデータをデータレイクに統合することには困難を伴います。適切に統合されていない場合、データの整理が不十分になり、データの検索、照会、分析が困難になる可能性があります
- データ管理: データレイクに保存されたデータの管理は、特に時間の経過とともにデータ量が増加するため、困難を伴います。データを適切に整理し、ラベル付けし、タグ付けして、検索、取得、分析を容易にするためには、効果的なデータ管理戦略が必要です
データレイクは、大量の生データを保存、処理するのに役立ちますが、こうした課題に対処する必要があるため、企業のニーズによっては、別のデータ管理システムの方が適している場合があります。
Adobe Experience Platformをデータレイクとして活用
さまざまなソースの大量のデータを有しており、柔軟で費用対効果の高いストレージ、高度な分析、データ探索が必要な場合、データレイクが適切なソリューションとなる可能性があります。
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