Adobe Commerceを活用した注文ステータスの管理

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Adobe Commerceは、マーチャントとブランドの両方に向けた、業界をリードするデジタルコマース基盤です。業種や規模を問わず、あらゆる企業が魅力的な顧客体験を構築し、デジタルコマースで成功できるようサポートします。しかし、Adobe Commerceのすべてのユーザーが、バックグラウンドでの機能や注文処理の重要な要素を把握しているわけではありません。

Adobe Commerceのユーザーとストアオーナーは、注文ステータスがどのように機能するのか、情報が注文ステータスに関連付けられる理由、ビジネスニーズに対応したカスタム注文ステータスを作成する方法を把握する必要があります。

この記事では、Adobe Commerceの注文ステータスの概要と、コーディング不要で優れたカスタマージャーニーを構築し、ビジネス目標を達成する方法を解説します。


主な内容:

注文ステータスとは?

Adobe Commerceでは、各注文について、注文処理ワークフローに関連付けられたステータスを確認できます。注文ステータスは注文グリッドのステータス列に表示され、ワークフロー内の注文ステートを確認できます。

Processing workflow of order statuses in Adobe Commerce

一般的な注文ステータスのワークフローは、次の7つのステップで構成されています。

  1. 顧客が発注
  2. 顧客は決済ゲートウェイサイトにリダイレクトされ、支払いをおこなう
  3. Adobe Commerceを通じて支払いを受領し、注文処理を開始
  4. 決済の承認と受領後に注文の請求をおこなう
  5. 商品を配送
  6. 注文ステータスが「完了」に変更
  7. 注文をアーカイブ保存または削除

注文ステータスと注文ステートの違い

Adobe Commerceの注文ステータスと注文ステートは混同されがちですが、両者には違いがあります。

注文ステータスとは、特定の時点でのワークフローにおける注文の位置を指します。通常は非表示になっています。一方、注文ステートは、「新規」、「処理中」、「キャンセル済み」、「保留中」、「支払い待ち」など、注文の状態を表します。

注文ステータスは、Adobe Commerceの注文フローの一部であり、より柔軟な注文管理が可能になります。注文ステートとは異なり、手動で変更できます。注文ステータスには、「処理中」、「支払い待ち」、「詐欺の疑い」、「保留中」、「完了」などがあります。

注文ステートごとに注文ステータスをひとつ以上割り当てることができ、より容易かつ柔軟な注文管理を実現できます。

注文ステータスの標準設定

各注文ステータスは、注文処理ワークフローのいずれかに関連付けられます。注文テータスは、注文グリッドのステータス列に表示されます。

Adobe Commerceで標準設定されている注文ステータスは、次のとおりです。

注文ステータス
ステータスコード
定義
処理中
processing
このステータスは、支払いが受領または承認されたときに表示されます。請求書の発行または商品の配送のいずれかがおこなわれています。
詐欺の疑い
fraud
注文に対して請求書は発行されず、確認メールも送信されませんでした。これは、PayPalなどの決済ゲートウェイシステムでは一般的な処理です。
支払い待ち
pending_payment
このステータスは、PayPalなどの決済ゲートウェイシステムを使用している場合に表示されます。顧客は、取引を完了するために決済ゲートウェイサイトにリダイレクトされます。この時点では、Adobe Commerceは情報を受信しません。顧客が決済を完了すると、ステータスが変わります。
支払い確認
payment_review
PayPalを使用しており、支払い確認オプションが有効になっている場合、このステータスが表示されます。
未処理
pending
このステータスは、配送または請求が実行されていないことを示します。
保留中
holded
このステータスは、保留する必要がある場合に、注文グリッドまたはビューページから手動で割り当てることができます。
オープン
STATE_OPEN
注文またはクレジットメモがオープンな状態で、さらなるアクションが必要であることを示します。
完了
complete
注文の確定、決済、配送が完了したことを示します。
クローズ済み
closed
注文に対するクレジットメモが作成され、返金が完了したことを示します。
キャンセル済み
canceled
顧客が指定された期間内に支払いをおこなわない場合、Adobe Commerceの管理者ユーザーまたは決済ゲートウェイは、注文をキャンセルします。
PayPalによる返金のキャンセル
paypal_canceled_reversal
PayPalは返金をキャンセルしました。
PayPalによる未処理
pending_paypal
PayPalは注文を受領しましたが、まだ決済を処理していません。
PayPalによる返金
paypal_reversed
PayPalは取引を取り消しました。

カスタム注文ステータスの作成

Adobe Commerceを利用すれば、独自のカスタム注文ステータス設定を作成し、それらを注文ステートに割り当てたり、デフォルトの注文ステータスとして設定したりできます。

A custom order status made with Adobe Commerce

自社のニーズに合わせてカスタム注文ステータスを作成するには、次の手順に従います。

注文ステータスを注文ステートに割り当てる方法

ステータスを作成したら、注文ワークフローの該当するステージに関連付けられたステートに割り当てる必要があります。

注文ステータスを注文ステートに割り当てるには、次の手順に従います。

注文ステータスを活用してカスタマージャーニーを強化しましょう

Adobe Commerceの注文ステータスの仕組みを把握することで、顧客のニーズに合わせてカスタマージャーニーを容易にパーソナライゼーションできます。まずは、Adobe Commerceの注文ステータス機能が、自社のコマースビジネスの成長にどのように役立つのかを理解することが重要です。

Adobe Commerceは、柔軟性、拡張性、スケーラビリティに優れたコマース基盤です。単一の基盤から、AI(人工機能)と高度なデータ共有能力を利用して、エンドツーエンドでパーソナライズされたB2CとB2Bの両方のコマース体験を実現できます。多様化する顧客層に向けて、コマース体験をカスタマイズできます。

Adobe Commerceの詳細については、製品ツアーおよび動画をご覧ください。