マーケティングオートメーションが失敗する4つの理由
今日の購買者の選択肢は無限で、調査手段もいろいろあります。オーディエンスには膨大な量のマーケティングメッセージが発信され、余計な情報があふれかえる中で、メッセージを届けることが難しいと感じているマーケターが多いのも当然のことです。
アドビの顧客企業のうちいくつかのマーケティングチームでも、メッセージが伝わることを祈りつつ、当て推量にもとづいてキャンペーンを行っていたケースがあります。信頼できる2、3の基本原則にもとづく、しっかりとした戦略を立てずに、何度も同じ失敗を繰り返していました。しかし、その失敗は避けられるのです。
MA(マーケティングオートメーション)の取り組みで確実に大きな成功を収めるため、避けるべき4つの落とし穴を確認しておきましょう。
ターゲットオーディエンスを個人として扱っていない
マーケティングチームの多くは、今でも一斉送信の手法を使って、いわばフリーサイズのメッセージを送っています。これが問題なのは、85%以上のインターネットユーザーがオンライン上での取引体験の一環としてパーソナライゼーションを期待し、受け入れているためです(eMarketerの調査による)。実際に、CMO Councilの報告によると、シニアマーケターの半数以上が、コンテンツやデジタルインタラクションを拡充またはパーソナライズすることで、反応率やエンゲージメント率が向上したと回答しています。
顧客は、ブランドと交流する際はいつでも、自分のことを知り、覚えていてほしいと考えています。そのため、よいスタートを切るには、まずは把握している嗜好に応じて、データベースの特定のセグメントにターゲットを絞ってメッセージを送るようにしてください。次に、常にコンテンツをパーソナライズして、オーディエンスが会話をしているかのように感じるようにします。ある顧客は、主にパーソナライゼーションと行動ベースのトリガーを用いたEメールマーケティング活動を行って、リードジェネレーションを28%上げています。このことは次のポイントに関係します。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-marketo-dg2ma
ユーザー行動がオーディエンスのターゲティングに使われていない
個別化されていないメッセージを、多様なオーディエンスに一斉に送信しても成果が得られません。その別の例がこの落とし穴です。これを避ける最善の方法は、各個人の行動をもとにメッセージをトリガーし、相手に関係のある情報で返答することです。事実、顧客の行動に基づき送信したメッセージは、開封数、クリック数、コンバージョン数が向上します。これはメッセージがコンテキストにふさわしいものであるためです。The Relevancy Groupの共同創業者であるDavid Daniel氏がJupiter Researchのアナリストを務めていた際に行った調査報告では、Web上 のクリックストリームデータに基づくターゲティングEメールによって、開封率が50%以上上がり、コンバージョン率は350%以上増加したという結果が出ています。そこでまずは、訪問先のページ、開封されたメール、クリックされたリンクといったユーザー行動を把握しているか確かめてください。次に、スコアリングモデルを用意し、全体的関心の評価に活用してください。こうした情報があれば、ユーザー行動に応じてトリガーされる返答を用意できるようになり、各ユーザーにとって意味のある対話を始めることができます。
マーケティング活動によって重要な事業目標を達成しようという計画がない
個人的な意見ですが、マーケターが犯している最大の過ちは、企業の事業目標に結びついている主要業績評価指標を追跡調査していないことです。今でも開封数やクリック数といった従来のマーケティング指標を集計して、意思決定の根拠に用いているとしたら、利益責任を持つ部門から外されてしまっても仕方のないことです。そうしたものはマーケターの特定のマーケティング活動の進捗状況を測る重要な評価指標になる場合もありますが、その大部分は収益に直接結び付いていないため、主要なステークホルダーにとっては無意味なものです。
収益の向上に焦点を当てることが、貴社の経営幹部、さらには貴社の収益部門と協調していく最善の方法です。「自分の活動は企業の最終収益に直接貢献しているだろうか?」と自問してみると、よくわかります。これは想像よりも簡単なことです。たとえば、キャンペーンで、プログラムの成功にかかったコスト、プログラムで得られた新規顧客の名簿、CPO(有望見込み客獲得単価)、収益見込額、収益見込額と投資額の比率といった指標を追跡調査してはどうでしょうか。
見込み客がいるチャネルで活動を展開していない
どのチャネルで活動を展開するかということについてはあまり考えられていません。Experian Marketing Servicesでグローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるAshley Johnston氏が言う通り、「消費者は、ある朝目覚めて『今日からモバイル消費者になるぞ』などと宣言したりはしません。ただその時々や用事に一番合っているチャネルを使用しているだけです」
エンゲージメントマーケティングは、できるだけ多くのチャネルで活動を展開することだけを意味するのではありません。それは、買い手が企業と関係を構築する際に好んで用いるチャネルを理解し、そうしたチャネルを通じて買い手とコミュニケーション行うことにも関係します。このようなマルチチャネルでのアプローチは、買い手が好む最適なチャネルを利用するということから、最適なチャネルマーケティングと呼ばれることがあります。わかりやすい例を挙げれば、ミレニアル世代がモバイル機器を使いコミュニケーションを取るのに対し、定年退職者はEメールやダイレクトメールを好んで利用します。オーディエンスを知り、オーディエンスがいる所でコミュニケーションを取る必要があるのです。
このような落とし穴を避けることが、効果的なマーケティングの基本原則となります。重要なのは、コンピューターやモバイル機器の向こう側や、ダイレクトメールを送った先で、最終的にあなたのマーケティングメッセージを受け取るのは誰かということであり、そしてその相手は個人であるということです。このようなマーケティングオートメーションの失敗を繰り返さないように気をつけてください。
マーケティングオートメーションについて詳しく知るには、「マーケティングオートメーション入門ガイド」をご覧ください。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-marketo-dg2ma
*この記事は、2016年4月にJamie Lewisが投稿した内容を翻訳した記事です。
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