ポジショニングで役立つ「ポジショニングマップ」
ポジショニングをする際に役立つのが、業界を縦横2軸に分けて分析する「ポジショニングマップ」です。
分析軸には、ターゲットが重要視している項目を選びましょう。「低価格と高価格」「低品質と高品質」など、相関が高い軸を選ぶのは適切ではありません。
例えば、アパレルブランドを「低価格と高価格」「ベーシックとトレンド」の2軸で分析すると、下記の図のようになります。
■アパレルブランドのポジショニングマップの例
このように図表化することで、競合に対する自社の優位性がどこにどれくらいあるのかを検証したり、まだ競合が進出していない空白のポジションを確保したりすることができます。
セグメンテーションを含めたSTP分析の成功事例
続いては、セグメンテーションを含めたSTP分析の成功事例として、ハーゲンダッツとJINSの事例を紹介します。
大人をターゲットにして成功した「ハーゲンダッツ」
ハーゲンダッツは、誰もが知るプレミアムアイスクリームブランドです。
コンビニエンスストアやスーパーなどに並ぶアイスクリームのなかでは高価格帯ですが、季節感や特別感のある商品を定期的に投入し、ときに爆発的な売り上げを記録しています。
ハーゲンダッツの登場以前、日本のアイスクリーム市場は「子供」をメインターゲットにしていました。子供がお小遣いで気軽に買えて、大衆受けする味が基本だったのです。
そこで、ハーゲンダッツはセグメンテーションを行い、高品質で高級な自社のアイスクリームに適したターゲットを「大人」に定めて、他社との明確な差別化を図りました。
- セグメンテーション
子供以外に、年齢、性別、所得、家族構成などで消費者をセグメンテーション。
- ターゲティング
複数のセグメントのうち、金銭的に余裕があって、高くてもよいものを食べて癒やされたい大人をターゲットに設定。
- ポジショニング
「大人のためのちょっと贅沢なアイスクリーム」として販売し、他社と差別化。
同時に、それまで商業施設や繁華街などに出店していた実店舗をすべて撤退させ、流通市場におけるパッケージ商品のみを展開します。これまでにない「どこでも手に入る、高品質で高級な大人のためのアイスクリーム」というセグメントを生み出すことに成功しました。
結果として、ハーゲンダッツは「大人の贅沢品」として広く周知され、唯一無二の存在感を放っています。
視力がよい人をセグメントに追加した「JINS」
従来、メガネは「視力が悪い人」「視力矯正の必要がある人」のものであり、スポーツ用のサングラスや、ファッションのためのメガネは非常にニッチな存在でした。
そこで、メガネブランドのJINSはセグメンテーションを行い、メガネ市場を再定義して「JINS PC」を世の中に送り出します。
- セグメンテーション
セグメントに「視力がよい人」を追加。
- ターゲティング
視力が悪い人だけでなく、視力はよいが目に関する悩みを抱えている人、おしゃれに敏感な若い世代などをターゲットに設定。
- ポジショニング
視力矯正メガネではなく、軽くておしゃれな機能性アイウェア、目の疲れを軽減してくれるブルーライトカットメガネで他社と差別化。
JINS PCは、パソコンやスマートフォンによる目の疲れを軽減する、ブルーライトカット機能を備えたメガネです。ある種の事務用品と位置付けることで「視力矯正をする必要がなくても、目の健康のためにメガネを買う」という新たな潮流を生み出しました。
低価格で軽く、バラエティ豊かなブルーライトカットメガネは、今やおしゃれの一部として日常に定着しています。
MAの活用でセグメンテーションの効果を最大化
ターゲットを絞って効率よくマーケティング施策を実施するには、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)の導入がおすすめです。
MAとは、マーケティング業務を簡素化/自動化し、展開したマーケティング施策の効果測定まで行えるツールです。MAを活用すれば、手間のかかるセグメンテーションをスピーディーかつ確実に行い、狙ったターゲットだけに最適なタイミングでアプローチできます。
MAのおもな機能には、下記の3つがあります。
顧客の属性や行動情報などを一元的に管理することによってセグメンテーションを容易にし、適切なタイミングで顧客にアプローチします。
見込み顧客との商談履歴や購買履歴、オンライン/オフラインでのコミュニケーションを踏まえた提案で、長期的な信頼関係を構築します。
マーケティング活動のなかで売り上げに貢献している部分はどこか、どのくらい投資対効果があったのかといった点を可視化し、次の施策に活かします。
マーケティングの重要性が認識されるようになった近年では、大企業だけでなく中小企業やスタートアップ企業でもMAの活用が進んでいます。
また、先進的なビジネスを行うBtoB企業のほか、医療や金融、メディア、小売業といったBtoC企業でも、顧客との関係を維持、強化する目的でMAを導入するケースが増えました。
MAについては、下記の記事や資料でも詳しく説明しているので、併せて参考にしてください。