ファネル分析の種類
ファネルには、大きく分けて「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3つの種類があります。
続いては、この3つのファネルの分析方法についてご説明します。
パーチェスファネル
パーチェスファネルは「AIDMA」モデルから生まれた考え方で、マーケティングの最も標準的なファネルとして認識されています。
AIDMAとは、顧客が製品やサービスを認知してから購買に至るまでの心理変化を表したもので、以下の5つの頭文字を取っています。
ここでは、製品の購入を最終的なゴールと仮定して、パーチェスファネルを考えてみましょう。
以下の図のように、一般的には「認知、興味関心、比較検討、購入」の4つの段階に分けてファネル分析をします。
このように、製品を認知してから購入に至るまでのプロセスを経るごとに、顧客の数が絞り込まれていく様子がわかります。
なお、ゴールをCVに設定していることから、パーチェスファネルはコンバージョンファネルとも呼ばれます。
パーチェスファネルに関連した情報は、以下の「パイプラインマーケティング完全ガイド」にも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは、CV後の顧客の行動に着目して図式化したものです。
購入した製品やサービスのレビューをSNSなどでシェアする顧客が増え、その内容の影響力が高まっていることから、CV後の行動が重視されるようになりました。
インフルエンスファネルは、「AISAS」モデルに近い考え方です。AISASとは、インターネットの普及にともなう消費行動の変化を加味し、顧客の購買に至るまでの心理変化を表したもので、以下の5つの頭文字を取っています。
ここでは、購入した製品やサービスのレビューを発信することを最終的なゴールと仮定して、インフルエンスファネルを考えてみましょう。
このように、購入した顧客がその経験を共有し、発信することによって、次第に顧客数が増えていっていることがわかるでしょう。
BtoBビジネスにおいてもカスタマーサクセスという組織が注目を集めており、インフルエンスファネルの考え方が重要になってきています。
ダブルファネル
ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。
製品を購入した既存顧客が発信した情報によって、新規顧客を獲得するという好循環を目指しています。
このように、パーチェスファネルで絞り込まれた顧客が自社の製品やサービスのファンになり、周囲に「よいものがあるよ」などと紹介することで、新規顧客の認知を獲得します。
ファネル分析をする際の注意点
ファネル分析をする際には、いくつか注意したい点があります。ここでは、ファネル分析のおもな注意点を3つ紹介します。
市場のニーズを把握する
ファネル分析を行う際は、市場にニーズがあることと、ファネル分析の対象となる製品やサービスがそのニーズに合致していることが前提となります。そのため、最初に市場のニーズを把握する必要があります。
ニーズがなく、比較対象となる優れた製品もない市場でファネル分析を行っても、CVの向上は見込めません。市場を見直し、必要に応じて再定義をして、ニーズに合った製品やサービスを企画しましょう。
プロセスはシンプルに設定する
ファネル分析を行う際は、複雑なプロセスは設定しないようにしましょう。
最初から複雑なプロセスを設定すると、プロセスごとの施策の準備が負担になります。まずは単純なプロセスからスタートして、状況に応じて少しずつ見直していくことをおすすめします。
BtoCには適さない可能性がある
ファネル分析は、顧客がCVに至るまでのプロセスが直線的な場合に有効な手法です。BtoBと比べて、CVに至るまでのプロセスが複雑で多彩なBtoCには、適さないことがあります。
例えば、ソファーを購入するために情報収集していた方が、テーブルの情報に遷移し、さらにいろいろな家具を見比べてからソファーを購入する、といったケースが挙げられます。
このように、顧客の興味関心が頻繁に移り変わるBtoCでは、ファネル分析によるCVの最大化が図りにくい傾向です。
こうした点から、ファネル分析は「古い」といわれることもあります。しかし、実際はファネル分析自体が古いというよりも、ケースによって向き不向きがあると理解するほうが適切です。
BtoCにおける顧客の意思決定プロセスを分析する際には、複雑な顧客の心理状況を踏まえて、カスタマージャーニーマップの設計など、ほかの手法も検討しましょう。
ファネル分析の活用方法/活用例
ファネル分析の特徴を踏まえて、実際の活用方法について考えてみましょう。
例えば、ECサイトの場合、顧客は購買に向けて下記のような行動を取ると考えられます。
【ECサイトにおける顧客の購買行動】
- ECサイトを訪問する
- ECサイト内の商品一覧ページで商品を探す
- 気になる商品の詳細ページに飛び、見た目や機能などを詳しく調べて比較検討する
- 商品をカートに入れる
- 商品を購入する
このプロセスをファネルに当てはめ、次の段階に進んだ人数を集計します。
【購買行動をファネルに当てはめた例】
- ECサイトを訪問する(100人)
- ECサイト内の商品一覧ページで商品を探す(70人)
- 気になる商品の詳細ページに飛び、見た目や機能などを詳しく調べて比較検討する(30人)
- 商品をカートに入れる(20人)
- 商品を購入する(10人)
すると、下記のようなことがわかります。
- 商品一覧ページから詳細ページへ移動する前に、半数以上の人が離脱している
- 商品一覧ページで気になる商品を見つけられなかった人が多い
このことから、商品一覧ページの見せ方や商品ラインナップ、カートに入れてから購入までの遷移のしやすさなどに課題があるという予測が立ちます。この予測をもとに、適切な施策を打つことが可能です。
ファネル分析にはMAツールの導入がおすすめ
ファネル分析を効率的に行うには、MA(マーケティングオートメーション)の導入がおすすめです。
MAは、マーケティング活動を簡素化/自動化するツールで、BtoB、BtoCを問わず、多くの企業で活用されています。MAのおもな役割は、次の3つです。
- 顧客情報の収集と蓄積
顧客の属性や行動情報などを一元的に管理することによって、セグメンテーションを容易にし、適切なタイミングで顧客にアプローチできるようになります。
- 見込み顧客の育成
見込み顧客(リード)との商談履歴や購買履歴、オンライン/オフラインでのコミュニケーションを踏まえた提案で、長期的な信頼関係を構築します。
- マーケティング施策の分析
マーケティング活動のなかで売上に貢献している部分はどこか、どのくらい投資対効果があったのかといった点を可視化し、次の施策に活かします。
ファネル分析を行う場合、プロセスごとに具体的な数値を当てはめて正しいデータを導き出すことが重要ですが、こうした作業には非常に手間と労力がかかります。
MAを使うと、数値の収集はもちろん、顧客行動にもとづいた最適なアプローチまでを自動化して、ファネル分析を容易に実現可能です。
MAを提供している企業では、ニーズに合ったMAの活用を実現するため、コンサルティングサービスやサポートサービスを実施しています。導入フェーズから、基本的なオペレーションが社内で完結できるようになるまでは、こうしたサービスを活用するとよいでしょう。
Adobe Marketo Engageで時代に合ったファネル分析を
先述のとおり、ファネル分析には「古い」などと限界を指摘する声があるのも事実です。2015年には、Googleのアビナッシュ コーシック氏が「マーケティングファネルは死んだ」と発言して話題になりました。
消費者の行動が多様化した現代では、誰もが「認知」をきっかけにリードになるとは限りませんし、比較サイトのレビューが低評価であれば購買意欲が落ちる可能性があります。
そこで重要なのが「リサイクル」のステータスを設けて循環型のプロセスを作ることです。
アドビのMA製品「Adobe Marketo Engage」では、検討段階にない休眠/滞留リードや、失注したリードなどをリサイクルのステータスとして、別ステージで管理します。これによって、下記の2つの効果が見込めます。
- 蓄積されていくリードに影響されることなく、マーケティングから営業へのプロセス遷移を正確に把握できる
- 再商談化の見込みがあるリサイクルリードを継続的にフォローすることで、新規コストをかけずにマーケティング成果を向上させられる
ファネル分析だけに頼らず、リサイクルのステータスを活用した循環型の分析を取り入れて、時代に合ったマーケティングを実施しましょう。