MQLはマーケティング活動によって創出されるとお伝えしましたが、具体的にどのような活動をするのでしょうか。ここでは、MQLを創出する手順を詳しく見てみます。
1.見込み顧客の獲得:リードジェネレーション
まずは、マーケティング活動を通じて、自社の製品やサービスに興味がある見込み顧客を獲得します。これが「リードジェネレーション」です。
具体的には、web広告やSNS、展示会、セミナーなどにより、見込み顧客に関するリストを作成します。
2.見込み顧客の育成:リードナーチャリング
続いて、獲得した見込み顧客に対し、段階的かつ継続的なアプローチをして購入意欲を高めます。これが「リードナーチャリング」です。
具体的な手法として、メールやwebコンテンツの配信、イベントの開催、架電などが挙げられます。
アドビでは、リードナーチャリングの過程でMA(マーケティングオートメーション)ツールの「Adobe Marketo Engage」を使用し、見込み顧客のスコアリングを実施します。
リードスコアリングは、見込み顧客の以下のような行動によって、徐々に加点されていくのが特徴です。
一方で、見込み顧客に一定期間動きがない場合には、減点あるいは0点にリセットします。
なお、MAツールを活用したリードナーチャリングとリードスコアリングについては、以下のガイドで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
3.見込み顧客の絞り込み:リードクオリフィケーション
最後に、育成した見込み顧客のなかから、特に成約につながりそうな顧客を絞り込みます。これが「リードクオリフィケーション」です。
見込み顧客を絞り込む際には、アドビでは大きく分けて2つの方法を採用しています。
- 前項のリードスコアリングの結果が一定の値を超えた
- 特定のアクションをした(例:デモ動画を視聴した後に価格表のページを見ている)
また、一般的には、インサイドセールスの有無によってもやり方は変わります。
インサイドセールスが設置されている場合は、リードスコアリングの基準を低めに設定し、なるべく多くのMQLを引き渡せるようにするとよいでしょう。
一方で、インサイドセールスが存在せずフィールドセールスの人員も限られている場合は、リードスコアリングの基準を高めに設定し、MQLをできるだけ絞り込むようにします。
営業部門におけるMQLの分類方法
マーケティング部門から引き継がれたMQLは、営業部門において以下の4つに振り分けられます。
ここでは、それぞれの概要を解説します。
1.SQL
先述のとおり、SQLはMQLのなかでも特に購入意欲が高いと判断された見込み顧客です。
アドビでは、以下の2つをSQLの判断基準としています。
- アドビ製品で実現できること(機能)がおおむね理解されている
- 以下のようなニーズや課題がある
〈例1:売上拡大〉
- 効率的なマーケティングや営業の仕組みを構築して売上を拡大したい
- 商機のない見込み顧客や放置されている逸注案件を、次の提案機会につなげたい
〈例2:既存顧客の維持〉
- 既存顧客との接点を増やし、顧客ロイヤルティを高めて解約を防ぎたい
〈例3:マーケティング活動の効率化〉
- マーケティング部門のシステム(自社サイトや自社アプリの分析、メール配信、ランディングページの作成など)を統合して業務を効率化したい
SQLに分類されたMQLは、営業担当が直接接触して課題を深掘りし、改善提案へと進みます。
2.Lead
Leadに分類されるのは、個人レベルで情報収集をしているMQLや、まだ本格的な検討に至っていないMQLです。
具体的には、フィールドセールスからの詳細な提案が必要な段階ではないものの、インサイドセールスから継続的な情報提供をして今後につなげたい見込み顧客を指します。
インサイドセールスは、LeadからSQLへステージを上げられるよう、適切なアプローチで見込み顧客の興味関心を高めていくことが大切です。
アドビでは、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)上で次回の活動予定を残し、アプローチ漏れがないように管理しています。
3.Recycled
Recycledに分類されるのは、現時点では購買動機を持たない、購入意欲が十分ではないと判断されたMQLです。
例えば、競合サービスを使い始めて当分リプレースが難しいMQLや、日常業務が多忙で製品の導入検討タイミングが先になることがわかったMQLなどが当てはまります。
ただし、現時点では商機が確認できないMQLでも、一定期間後には状況が変わっている可能性があります。そのため、Recycledに振り分けた理由によって、Leadへ戻す期間を設定しておきましょう。
なお、Recycledに分類されたMQLはインサイドセールスの手を離れ、再びマーケティング部門がリードナーチャリングを行い、購入意欲を高めることに努めます。
4.Disqualified
Disqualifiedに分類されるのは、自社にとっての競合企業や学生など、見込み顧客ではないと判断されたMQLです。
DisqualifiedをMQLのリストから外すことで、SQLやLeadだけにアプローチを集中させることができます。
MQLに関するよくある課題と原因
ここでは、MQLに関して発生しやすい課題を原因とともに紹介します。
「営業部門がMQLを放置してしまう」課題
営業部門は、MQLへのフォローを後回しにしてしまうことがあります。
その理由として、SQLに該当しないMQLは商談化するまでに時間がかかり、商談につなげるために求められる営業スキルのレベルも高いことが挙げられます。
営業担当者は目の前の売上目標を追っており、MQLと時間をかけてコミュニケーションを取る余裕がないケースも多いでしょう。
しかし、中長期的に見れば、SQLだけにアプローチすることは大きな機会損失です。今のうちからMQLをしっかりとフォローすることが、将来の優良顧客を獲得することにつながります。
「マーケティング部門はMQLの成果が見えにくい」課題
マーケティング部門は、営業部門に引き継いだMQLが、商談や成約につながっているのかが見えにくいことがあります。これは、営業とマーケティングの連携がうまくいっていないことが原因です。
営業部門からの情報共有がなされないと、マーケティング部門は成果がわかりづらいだけでなく、失注した場合の課題の抽出も難しくなります。その結果、良質なMQLを引き継げなくなり、悪循環に陥るでしょう。
アドビのMAツールでMQLの課題を解決
前章のようなMQLにまつわる課題を解決するためには、営業部門とマーケティング部門の連携が重要となります。その際に役立つのが、アドビのMA製品「Adobe Marketo Engage」です。
Adobe Marketo Engageを活用すれば、見込み顧客が成約に至るまでのプロセスが可視化されるので、営業部門もマーケティング部門も正確かつ迅速に把握できます。
また、効率的なリードスコアリングの実施はもちろんのこと、見込み顧客の行動をもとに興味の範囲も推定可能です。
見込み顧客の課題やビジネス目標など、従来はフィールドセールスが顧客訪問時に把握するような情報を、その前段階でインサイドセールスが電話で確認できるようになります。
営業部門が望むMQLの基準をマーケティング部門とすり合わせたうえで、Adobe Marketo Engageで各活動を効率化しましょう。
なお、以下のアドビのガイドでは、マーケティングからインサイドセールスへの引き渡しにおける検討事項や、営業とマーケティングの連携方法などについて解説しています。
また、以下の記事でも、営業とマーケティングの違いや対立理由、連携方法などを解説しているので、併せて参考にしてください。