セールスオートメーションとは
営業はクロージングが重要です。リードをフォローアップし、取引を成立させることは営業部門の主要な責務ですが、これらの活動は日々の業務のごく一部に過ぎない可能性があります。
ミーティング、スケジュール管理、リサーチ、レポーティングは重要な業務ですが、営業部門がセールスの代わりにそれらに時間を費やすことは、時間の空費であるといえます。営業担当者が時間が足りない感じているなら、セールスプロセスを自動化することが、生産性、効率性、コンバージョン率を向上させる解決策になるかもしれません。
セールスオートメーションは、営業部門の時間と労力を奪う繰り返しの手作業を処理することができ、生み出された時間で営業部門がリードとの商談やクロージングをおこなうことができます。この記事では、セールスオートメーションが営業部門にどのような利点をもたらすのか、またプロセスを自動化するための適切なツールについて解説します。
主な内容:
- セールスオートメーションとは?
- セールスオートメーションの仕組み
- セールスオートメーションの活用方法
- セールスマネージャーによるセールスオートメーションの活用方法
- セールスオートメーションの利点
- セールスオートメーションとCRM
- セールスオートメーションでセールスプロセスを改善する方法
セールスオートメーションとは?
セールスオートメーションとは、セールスプロセスにおける繰り返し作業をソフトウェアで自動化し、合理化することで、営業部門がセールスに注力できるようにする仕組みのことです。AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)のようなテクノロジーの活用により、営業担当者は、事務作業よりも、リードとつながり、売上を上げることに注力することができます。
セールスプロセス全体を自動化することはできませんが、データ入力、スケジューリング、リードスコアリング、多種類のメール送付など、特定のタスクを簡素化することができます。業種や会社の規模に関係なく、営業担当者をこのような作業から解放することは、部門と収益にとって大きな利点となります。
セールスオートメーションは、営業担当者に取って代わるものでも、営業の人的要素を排除するものでもありません。営業担当者がリードや顧客と過ごす時間を増やし、永続的な関係を築くためのものです。
セールスオートメーションの仕組み
セールスプロセスのオートメションは、多くのプロジェクトの負荷を軽減することを目的としたハイブリッドなアプローチです。
自動化のレベルは企業によって異なります。増え続ける顧客ベースに対応するために、非常に多くの自動化が必要な企業もあれば、プロジェクトをタイムリーに進めるために、少数のタスクの自動化が必要なだけの企業もあります。
セールスオートメーションのニーズはさまざまですが、ビジネスに役立てる一般的な方法はいくつかあります。セールスオートメーションは次のような目的で使用できます。
- 価値のないプロセスの排除
- プロセスの標準化
- リードの生成
- リードの識別と資格認定の支援
- フォローアップコミュニケーションの支援
- レポートや分析の作成
- 注文管理の支援
セールスオートメーションにより、営業部門は、活力を生み出す重要なビジネスプロセスに注力することができ、その一方で、人手を必要としない反復的なタスクを処理することができます。たとえば、見込み客との会話を開始するのに役立ち、フォローアップや個人的な注意を必要とする顧客には、営業担当者が介入することができます。
セールスオートメーションの活用方法
通常、セールスプロセスでは、顧客が自社の商品やサービスを購入するまでに多くの顧客接点を必要とします。セールスプロセスを構成する多くの小さなタスクを自動的に処理することが、このような顧客接点に十分に関与するために役立ちます。
調査によると、営業業務のおよそ3分の1は自動化できます。セールスオートメションの一般的な利用方法には、次のものがあります。
リード管理
セールスオートメーションによって、最適なリードを正しい方向に導くことができます。テクノロジーによりリードの行動を分析、整理することで、アプローチすべきリードの優先順位を容易に決めることができます。これを手作業でおこなうとなると、重要な顧客とのエンゲージメントに使えるはずの時間が奪われてしまいます。
見込み客調査
新しいリードを見つけることは、健全な収益源を生み出すために重要なことです。潜在的なリードを自動的にフィルタリングし、検索し、営業部門に通知することで、営業担当者は、顧客に語りかけるメッセージを作成するために必要なあらゆる情報をまとめて入手することができます。
顧客と見込み客とのコミュニケーション
セールスオートメーションがコミュニケーションを100%代行できるわけではありません。しかし、自動的に顧客や見込み客に接触し、会話を始めることはできます。そのうえで、多くのタスクを成功裏に完了させるためには、人間とのやり取りが必要です。オートメーションテクノロジーは、顧客にパーソナライズされたアポイントメント情報やリマインダーを提供することもできます。
メールテンプレート
リードがすぐに顧客になることはほとんどなく、信頼を得て商談が成立するまでには、通常数回のやり取りが必要です。セールスオートメーションを利用すれば、ターゲットを絞ったメールファネルやキャンペーンを作成し、パーソナライズされたメールの送信をスケジューリングすることができます。手作業で同様のメールを作成して送信するのは面倒で時間がかかります。しかし、テンプレートを利用することで、パーソナライズされたメールを簡単に送信することができます。
ミーティングのスケジューリング
かつてはミーティング時間の予約が必要だったようなことも、今では数秒でできるようになりました。セールスオートメーションにより、メールで何回もやり取りしてミーティングのスケジュールを決めるのではなく、即座に決めることができます。顧客や見込み客は、営業担当者のスケジュールに空きがあることを確認し、利用可能なスロットを選択することができます。
請求書、契約書、提案書
請求書、契約書、提案書の送付プロセスを自動化することで、手間を省くことができます。セールスオートメーションを利用すれば、クレジットカード情報を承認し、支払い状況を確認するシステムを構築することができます。重要な書類は自動的に共有されるため、増え続ける顧客からの支払い処理に毎週何時間も費やす必要がなくなります。
チャットボット
チャットボットは、セールスオートメーションソフトウェアの中で動作し、顧客にパーソナライズされたサポート体験を提供します。チャットボットは、人間のサービス担当者を必要とするほど複雑ではない、よくある質問に答えるのに役立ちます。チャットボットは即座に応答することができるので、営業時間外には特に便利です。
セールスマネージャーによるセールスオートメーションの活用方法
セールスオートメーションは、営業担当者をメールの作成や日々蓄積される小さなタスクから解放します。それにより営業担当者は、顧客との関係構築に注力することができます。セールスマネージャーも、タスクをセールスオートメーションに任せることで利点が生まれます。
次に、セールスマネジャーのためのセールスオートメーションの利用例を示します。
レポーティング
データ分析はマネジャーが好む作業です。レポートによってチームのパフォーマンスを知ることができますが、レポートの作成とレビューのプロセスは生産性を低下させます。自動的にレポートを作成し、チームメンバーにメールして、収益合計やコンバージョン率などの重要な指標に関する最新情報を提供するソリューションを探しましょう。
リードスコアリング
リードスコアリングを人間が管理することは確かに可能ですが、顧客とのつながりを築き、顧客と関わることに集中できる時間を奪ってしまいます。オートメションツールは人間よりも速くデータを処理し、どのリードを優先すべきか素早く分析することができます。セールスマネージャーは、これにより、営業担当者を質の高いリードに注力させることができます。
リードローテーション
質の高いリードを育成する場合、無作為な選択は得にはなりません。スキルと経験に応じてリードと営業担当者をマッチさせるのがベストです。どの営業担当者が見込み客とつながり、関心を行動に変えることができるかを検討しましょう。セールスオートメーションにより、勤務地、企業規模、役割などによってリードを自動的に割り当てることができます。
収益予測
自動化された収益予測は、マネジャーが計画を立て、正確に予測し、最高の顧客体験を提供するために利用できます。データを自動的に処理することは、成長を予測するための優れた方法です。このツールを使えば、重要なベンチマークを達成できるかどうかを予測することができます。
セールスオートメーションの利点
セールスオートメションは、より優れたデータやよりスマートなインサイトから、より優れた体験の提供や効率性の向上まで、組織に数多くの利点をもたらします。セールスオートメーションがビジネスにもたらす利点のいくつかを見てみましょう。
- 合理化された営業ワークフロー: 営業担当者があらゆる顧客データを収集したり、ミスを含む可能性のある情報を手作業で入力したりする必要はありません。マーケティングオートメーションソフトウェアを利用すれば、電話を分析して電話応対記録を作成したり、購買意欲や傾向に関するインサイトを入手できる重要な顧客データを収集したり、統一されたデータ入力プロセスを構築することができます。
- 見込み客の取りこぼしの減少: 繰り返される営業業務は、営業担当者を疲弊させ、熱意を奪い、リードやその他の潜在的な機会を見落としてしまうことにつながる可能性があります。セールスオートメーションより、関与と気配りを維持することができます。さらに、システムがリードの興味やニーズに関するデータを収集するため、リードの関与を維持することができ、成約につながります。
- より効率的なオンボーディング: 繰り返し作業を自動化することで、リソースを解放し、売上を伸ばすことができます。新入社員の入社日の前に、入社前の手続書類を自動的に共有することができます。今後の重要な日程について注意するために、リマインダーメッセージやメールを送信することができます。
- 顧客満足度の向上: 顧客は数あるリードのひとつに過ぎないかもしれないが、常に最優先すべき対象です。顧客は回答や情報を待ちたいとは思っていません。セールスオートメーションにより、顧客のニーズに対応するまでの時間が短縮され、ワークフロープロセスが合理化されるため、顧客はより大切にされていると感じることができます。
- 誰もがアクセスできる統合データ: オートメーションツールを利用すれば、社内の全員に最も正確な情報を提供することができます。手作業で多大な時間を費やして情報を検索する必要はなくなります。一元管理された場所にデータを保存することで、全員が同じ情報を参照することができます。
- パフォーマンスのベンチマーク: 営業担当者は、コンバージョンに至らないリードに多くの時間を費やしています。それは二度と取り戻せない労働時間です。データに簡単にアクセスできることで、コンバージョンの可能性にもとづいてリードを分析し、ターゲットを絞り込むことができます。また、自動的にレポートを作成し、チームメンバー全員に配信することもできます。
セールスオートメーションとCRM
顧客関係管理(CRM)ソフトウェアは、既存顧客と潜在的な顧客の関係を管理するのに役立ちます。CRMソフトウェアは、企業が顧客との関係を維持し、収益性を高め、ワークフローを合理化するのに役立ちます。多くのCRMプラットフォームには、セールスオートメーションツールも組み込まれているので、顧客とのやり取りを管理するために必要なものがすべて揃っています。
CRMテクノロジーを導入することで、営業戦略にオートメーションを取り入れることがシンプルになります。CRMプラットフォームには、リードや取引に関するあらゆる情報が保存されているため、オートメーションソフトウェアが迅速にタスクを完了するのに役立ちます。
CRMソフトウェアを導入し、オートメーションをインストールした上で、マシンラーニングやコグニティブエージェントなど、さらに高度なプロセスを追加することもできます。
セールスオートメーションでセールスプロセスを改善する方法
セールスプロセスにセールスオートメーションを取り入れることで、営業担当者は時間とエネルギーを解放され、関係構築と取引成立に注力できるようになります。セールスオートメションを利用する準備ができたら、自社のプロセスやツールに対応するソフトウェアソリューションを導入しましょう。
Adobe Senseiなら、マシンラーニングの能力を利用して、データを集約し、インサイトを統合し、あらゆる可能性を発見できます。Adobe SenseiのAIによる支援を受けて、ありふれたタスクを自動化し、プロセスを合理化しましょう。Adobe Senseiを利用することで、より魅力的なデジタル体験を構築できるようになります。
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