Adobe Signを使ったアダプティブフォームおける電子署名のベストプラクティス

AEM FormsとAdobe Signを組合せることで、Webフォーム上に電子署名を実装することができます。これによりフォームの入力や署名のためにオフィスに出向く時間や費用、エネルギーを節約することができます。

イメージ画像:BEST PRACTICE

フォームや文書への署名は、申請内容の承認や身元を証明する目的で行われます。ほとんどのフォームでは申請の完了時や、次の処理のために送信される前に署名が行われます。

アダプティブフォーム(Adobe Experience ManagerのエンタープライズなWebフォーム)を使用してペーパーレスのフォーム入力体験を構築する際に、Adobe Signを使用すると、記入したフォームや文書への署名を自宅で簡単に行うことができ、フォームの入力や署名のためにオフィスに出向く時間や費用、エネルギーを節約することができます。

Adobe SignとAEM Formsを併用する際には、以下のベストプラクティスを取り入れて、お客様に優れたユーザーエクスペリエンスを提供してください。

その1:ブラウザにおける署名エクスペリエンス

他の署名者へフローを進める前に、当事者の署名が必要な書類があります。例えば、不動産購入契約書などです。また、政府や金融の申し込みフォームは、通常、さらなる処理にまわされる前に申請者の署名を必要とします。これらの例としては、運転免許証や児童扶養手当の申請書などがあげられるでしょう。

(ベストプラクティス)

フォームを提出する前に申請者に署名をしてもらう。この様なエクスペリエンスを、私たちは「ブラウザにおける署名エクスペリエンス」と呼んでいます。申請者はフォームから離れる/先にフォームを送信して、同意書のPDFがメールボックスに届くのを待って署名する必要はありません。また、ユーザーのプロファイルに登録されたメールアドレスを選ぶように、フォームを設定することもできます。

(メリット)

ブラウザにおける署名エクスペリエンスは、より迅速に署名ができる環境を提供することで、署名者の時間を節約します。例えば、Adobe Signフィールドを使用してアダプティブフォームを作成する際に、ブラウザにおける署名エクスペリエンスを使用しないとなると、署名者はサインをするためにPDFフォームがメールボックスに表示されるのを待たなければなりません。具体的にはメールボックスを開き、PDFを含む電子メールを見つけ、PDFファイルを開き、そして署名しなければなりません。

ブラウザ上で署名できるようにすれば、ユーザーはメールを待つ必要がなく、フォームの入力と一緒に署名することができます。ですから、一人のユーザーの署名を必要とする場合で、署名者とフォームの記入者が同じである場合は、フォームにおける署名エクスペリエンスを作成してください。

(実装)

Signer Settingの画面サンプル

 「今日、ユーザーは製品ではなくエクスペリエンスを購入しており、製品だけが差別化要因になるとは限りません。」

シャンタヌ・ナラヤン、Adobe CEO

その2:Adobe Signフィールドの配置

PDFフォームには、署名の日付、署名者のイニシャルや所属会社、肩書きなど、署名者に関する様々なデータを、署名と一緒に取り込む必要があります。これらのデータの入力欄は、お客様が内容を理解できるように、アダプティブフォームのそれぞれの入力欄に合わせて配置する必要があります。

(ベストプラクティス)

アダプティブフォームの任意の位置にAdobe Signフィールドを配置できます。これにより、フォームの記入者としても署名者としても、文脈に沿ったシームレスな体験を生み出すことができます。

(メリット)

アダプティブフォーム内の様々な場所にAdobe Signフィールドを配置すると、契約書の署名用にアダプティブフォームが送信される際、これらのフィールドが内容に合わせてフォームに表示されます。これにより、署名者が内容を容易に理解できる様に関連情報を提供することができます。

(実装)

「Adobe Signブロック」コンポーネントを使用すると、あらかじめ定義されたAdobe Signフィールドをアダプティブフォームの様々な場所に配置できます。デフォルト設定では、これらの入力欄はPDFフォームへの署名時に初めて表示されます。

Adobe Signブロックを使用できるのは、レコードのドキュメントを自動生成するアダプティブフォームに限られますのでご注意ください。カスタムXDPを使用して記録文書を生成する場合や、フォームテンプレートベースのアダプティブフォームを使用する場合、Adobe Signブロックはサポートされません。

その3:フォーム送信の自動化

あなたは「フォームにおける署名エクスペリエンス」が実装されたWebフォームを運用しています。このフォームは次の処理のために送信される前に、一人の署名を必要とします。例えば、個人ローン申込書などがこれにあたります。

(ベストプラクティス)

送信ボタンの代わりに、「概要ステップ」コンポーネントを使用します。「概要ステップ」コンポーネントは、署名済みフォームをダウンロードするためのリンクとフォーム送信の概要を表示するために使用されますが、「署名ステップ」コンポーネントの後に「概要ステップ」コンポーネントを配置すると、「署名ステップ」コンポーネントで署名が完了したタイミングで、直ちにフォームが送信されます。

(メリット)

フォーム送信を自動化することで、AEM Formsスケジューラーが署名状態を同期するまで時間を待たずに、フォームを送信できます。実行スケジュールのデフォルト間隔は24時間です。環境に合わせて間隔を変更することができます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション 自動的に生成された説明

 「外出先ですばやく入力して署名できる、これこそが、今日のデジタル時代に顧客が求めているエクスペリエンスです。 アダプティブフォームは標準でAdobe Signと統合し、正にシームレスなデジタル登録エクスペリエンスを提供します。」

アヌラグ・シャルマ、Adobeシニアプロダクトマネージャー

その4:フォームの用途に応じた署名順序の設定

複数の署名が必要なフォームで、署名者はPDF版のフォームを受け取ります。すべての署名者は、できれば日中の異なる時間にフォームに署名します。AEMのサーバーは夜間に利用がなく、あなたは、このオフピーク時に署名のステータスをチェックする様にサーバーを構成することを計画しています。

(ベストプラクティス)

要件に応じて、連続もしくは同時の署名エクスペリエンスを構成します。環境に合わせてデフォルトのポーリング間隔を変更します

ポーリングサービスは、定義された間隔ですべての署名者の署名ステータスをチェックし、すべての署名者が署名していれば、フォームを送信します。ポーリング間隔はデフォルトで24時間に設定されています。より早く送信するために間隔を短くして、例えば、2時間毎に実行することも可能です。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション 自動的に生成された説明

その5:送信内容の確認とレコードドキュメントのレイアウト設定

ある企業ではフォームの記入者が送信する前に、フォームで提供されるデータのレビューを義務付けています。 また、フォームのレビューセクションでは、適切なブランドと特定のレイアウトを使用する必要があります。

(ベストプラクティス)

 「電子署名のタッチを持つ、デバイスフレンドリーなフォーム体験は、フォームをデジタル化するほとんどの顧客の食指を動かします。」

サクシ・アローナ、Adobeコンピューターサイエンティスト

その6:部門や部署別のレポート管理

ある企業では複数のフォームをホストしており、部門または部署ごとに個別の追跡とレポートが求められます。

(ベストプラクティス)

部門または部署ごとに個別のAdobe Signアカウントを構成した上で、すべてのサービスのOAuth URLに同じAdobe Signを指定します。

その7: PDFフォームから署名フィールドの変換

PDFフォームをアダプティブフォームに変換する際、PDFフォームのすべての署名ステップフィールドはAdobe Signの署名フィールドに変換する必要があります。

(ベストプラクティス)

自動フォーム変換サービスのメタモデルスキーマ機能を使用して、署名フィールドをAdobe Sign署名フィールドに自動的に変換します。

その8:ソーシャルIDの利用

複数のソーシャルIDベースの認証プロバイダーを使用して署名者を認証します。

(ベストプラクティス)

Adobe Signはデフォルトで、FacebookやGoogle、LinkedInのソーシャルIDを使用した認証を許可します。 他のソーシャル認証プロバイダーを有効にするには、Adobe Signのサポートに連絡してください。

また、電話ベースの認証ナレッジベースの認証を使用することもできます。これらのオプションは環境が提供されたタイミングから利用可能になっています。

この記事は2021年1月に公開されたUsing Adobe Sign to E-Sign an Adaptive Form? Here’s the Best Way to Do Itを抄訳したものです。