優れたイベントマーケティングプランを構築するための8つのステップ
ビジネスにおけるイベントは、時間とリソースの投資であるため、それぞれを最大限に活用することが必要です。そのためには、優れたイベントマーケティングが必要です。
しかし、イベントマーケティングは、商品やサービスのマーケティングに比べて、より規模の大きなプロジェクトです。考慮すべき事項が数多くあり、オーディエンスもさまざまで、共有すべき内容もたくさんあります。 的確なイベントマーケティングプランとは、いつ、どこで、どのように潜在的な参加者と関わるかについてのロードマップです。
プロモーション、メール施策、スポンサーなど、検討すべきチャネルは多岐にわたります。正しい方法で実施すれば、登録者数、出席者数、参加者数が増加します。 以下の8つのステップとテンプレートを利用すれば、規模や予算に関わらず、イベントマーケティングを成功させることができます。
優れたイベントマーケティングプランを構築するための8つのステップについて解説します。
- 目標の設定と基本の確立
- コンテンツ戦略の立案
- プロモーションの準備
- メールマーケティングの概要
- ソーシャルメディアとソーシャルプルーフ
- 参加者のエンゲージメントの育成
- スポンサーを巻き込む
- 成果測定のためのKPIの設定
1. 目標の設定と基本の確立
イベントの目標を設定し、それをもとにマーケティング戦略を構築します。来場者数を指標とするのであれば、多くのオーディエンス巻き込む幅広いマーケティングアプローチが最も効果的です。 イベントの目的が既存顧客に対する報酬であれば、対象を絞ったアプローチが最適です。
このほかにも、最初からチームで連携して取り組むべき基本的な事項がいくつかあります。
- 詳細: イベントの基本的な内容(場所、日付、時間)について、チーム全員に理解が行き届いていることを確認しましょう。
- 予算: まだ予算が決まっていない場合は、イベントマーケティング予算を組みましょう。
- リードタイム: イベント開催までの時間を考慮に入れましょう。イベント開催までの時間の長短によって、利用するマーケティングチャネルやコミュニケーション頻度も変わってきます。
2. コンテンツ戦略の立案
イベントマーケティング戦略では、どのプラットフォームでどのようなコンテンツを公開するかについて、チームで意識を統一しておきます。コンテンツには、以下のようなものがあります。
- ブログ記事
- 過去に開催されたイベントの写真や動画
- ユーザーの声
- プレスリリース
- 講演者のインタビュー
ランディングページから始めます。webサイトのイベントページは、基本事項や登録のための主要なハブとなるため、デザインやコピーの中心にもなります。 ターゲットオーディエンスが必要とするイベントの基本事項を優先し、最新情報を入手したり登録したりするためにわかりやすいCTAを含めます。
Adobe Summitのイベントランディングページでは、開催の基本事項と、新しい展開に関する最新情報をすぐに入手するための方法を提供しています。
ほかのコンテンツには、メインページには収まりきらない詳細を記載したり、ソーシャルメディア用に小さくまとめたりしています。たとえば、個別のブログ記事を作成し、各ピーカーの詳細や各セッションのスナップショットを、ソーシャルチャンネル向けに正方形の枠内に収めて共有することができます。
3. プロモーションの準備
プロモーション資料は、イベントの基本情報や参加することで得られるものを伝えることで効果を発揮します。インバウンドコンテンツでは、実用的な内容に焦点を当てますが、アウトバウンドプロモーションでは、なぜ そのイベントに参加する必要があるのかに焦点を当てる必要があります。
プロモーション資料に掲載する利点や価値は、それぞれのチャネルでリーチしたいオーディエンス層に合わせて調整することを忘れないようにしましょう。たとえば、ソーシャルメディアとメールでは異なるペルソナを対象にするので、
各チャネルでおこなうプロモーションでは、それぞれのオーディエンスにとって優先する利点を強調するようにします。
潜在的な参加者に登録を促すために、プロモーションで割引を提供することもできます。早期登録プロモーションを実施することで、早めの登録を促します。 フラッシュセールやフラッシュディスカウントなどでも登録を促します。 また、再参加者割引を検討することもできます。 これらはすべて、切迫感を高め、登録を促進します。
4. メールマーケティング
潜在的な参加者にメールを送るのはすぐにでき、優れた結果を得ることができます。自動化されたメール施策は、時間や労力を必要としませんし、既存のメールリストは、関心のあるオーディエンスを表しています。 ニュースレターを購読している、デモをダウンロードしている、以前買い物をしたことがあるなどに当てはまれば、イベントに興味を持っている可能性が高くなります。
多くのメールマーケティング施策と同様に、ふたつの重要な考慮事項があります。
- オーディエンスのセグメンテーション: 的確なメッセージを適切な相手に届けるために、メールリストをセグメンテーションします。初級レベルのトピックや情報は、ファネル上部のリードを対象にすべきです。 一方、より深い内容や専門的な情報は、ファネル下部の顧客に役立つはずです。
- アウトリーチケイデンス: 誰に、どれくらいの頻度でコンタクトしているかを把握します。自社に興味を持っている人であっても、たまにしか連絡を取りたくないという人もいます。 イベント開催を意識させることと、連絡を取る頻度の間にはバランスが必要です。
イベントの開催時期が近づくにつれ、参加者候補に複数のメールを送信することが増えていきます。まずは情報提供のメールから始めて、イベントの認知度を高め、イベントが近づくにつれてプロモーションの内容を充実させていきましょう。
5. ソーシャルメディアとソーシャルプルーフ
メールマーケティングは既存のリードに連絡するのに適していますが、ソーシャルメディアはリーチを広げることができます。オーガニックコンテンツを利用するにせよ、有料広告を利用するにせよ、ソーシャルメディアマーケティングは新規参加者の獲得に役立ちます。
- 簡潔さ: ソーシャルメディアのコンテンツは、短く、明確にする必要があります。価値観にもとづいたひとつステートメントと、必要事項を含めるようにしましょう。
- 投稿スケジュール: 特に、Twitter、LinkedIn、TikTok、Instagram Storiesなど、ライブストリームを利用者に配信しているチャネルでは、ピーク時に投稿のスケジュールを立てることで、多くの人々にリーチすることができます。
- CTA: あらゆる投稿は、利用者を登録できるランディングページに誘導する必要があります。チャネルが許可している場合は、ソーシャルメディアにも直接登録リンクを掲載しましょう。
ソーシャルプルーフは、エンゲージメントと出席率を高めるもうひとつの方法です。昨年のイベントを楽しんだ人や今年のイベントへの参加を楽しみにしている人に声をかけ、レビューやユーザー生成コンテンツ(UGC)の制作を依頼しましょう。ソーシャルチャネル、メール、イベントのランディングページで、UGCの引用や再共有をおこないましょう。
レビューやUGCと引き換えにインセンティブを提供する場合は、そのインセンティブが あらゆる レビューやUGCに適用されることを明確にしてください。たとえば、優れたレビュー に対してのみインセンティブを提供すると、ほかの利用者はそのレビューの信憑性を疑うので、レビューの効果がなくなってしまいます。
6. 参加者のエンゲージメントの育成
イベントが近づいてきたら、エンゲージメントを高めます。メールやソーシャルメディアへの投稿は継続しますが、認知度を高める ことから 期待を高める ことへと焦点を移します。直前にプロモーションを実施したり、検索エンジンやソーシャルメディアでの有料広告の利用を検討し、見逃していた潜在的な参加者を獲得します。
イベント前に参加者同士、あるいはイベント開催チームと交流してもらうような戦略に重点を置きましょう。ソーシャルメディアは、利用者とのエンゲージメントが自然であるため、このような施策に最適なチャネルです。 参加者が楽しみにしているパネルディスカッションや講演者について投票を実施するのも優れた方法です。 ハッシュタグを設定し、イベント前やイベント中に写真やビデオを共有することができます。
7. スポンサーを巻き込む
スポンサーは、イベントの正当性を高め、企業を支持する役割を果たします。また、イベントマーケティングのパートナーとしても重要な役割を果たします。
スポンサーシップのレベルに応じて、さまざまなパッケージを用意し、柔軟に対応しましょう。たとえば、少額の出資ではイベント会場のプロモーション資料にロゴを掲載し、多額の出資では大画面にロゴを表示するといった具合です。
スポンサーシップの条件について話し合う際には、共同マーケティングの機会と引き換えに、スポンサーシップの割引を提案します。大手のスポンサーであれば、ある程度の出資と引き換えに、プロモーション資料への掲載や、イベントのオーディエンスへのソーシャルメディアコンテンツの提供を求めてくるかもしてません。 スポンサー企業がより多くのオーディエンスを抱えていれば、マーケティング全体のリーチを高めることができます。
8. 成果測定のためのKPIの設定
登録者、参加者、リードのいずれをターゲットにしている場合でも、イベントマーケティング施策を開始する前にKPIを設定します。イベントでは売上を高める必要はありません。 企業のマーケティング、リードの育成、顧客とのつながりの構築ができれば、それで十分です。 早い段階で目標を設定し、達成したい目標に向けてイベントを構築しましょう。
イベントのパフォーマンスに関するデータを収集することは、組織内のほかの部門や将来のスポンサーとコミュニケーションを取る際にも役に立ちます。自社とスポンサーにROIを示すことで、次回のイベント開催がより容易になります。
指標はイベントや業界によって異なりますが、登録者数は追跡しておくべきKPIのひとつです。 この数字を知ることで、どれだけの人とつながることができたのかがわかります。
イベントマーケティングプランのテンプレート
これまで解説したステップを踏まえて、イベントマーケティングプランのテンプレートについて考えてみましょう。以下の質問に答えて、独自のテンプレートをつくりましょう。
- イベントの詳細:
- イベントはどこで開催されるか?対面式の場合、オンラインでも開催されるか?
- 開催日はいつか?イベント終了後、動画は公開されるか?
- 目標:
- イベント全体のビジネス目標は何か?
- イベントのマーケティング戦略の目標は何か?
- チャネルごとのマーケティング目標は何か?
- ターゲットオーディエンス:
- どのようなペルソナに最も参加してもらいたいか?
- どのペルソナが貴重な参加者になり得るか?
- コンテンツ戦略:
- ターゲットオーディエンスはどのチャンネルを利用しているか?
- 各チャネルにどれくらいの頻度で投稿すれば、オーディエンスを引き止めておけるか?
- プロモーション:
- オーディエンスにとっての主な価値は何か?
- どのようなプロモーションチャネルがターゲットオーディエンスにリーチするか?
- スポンサー:
- 過去にスポンサーはいたか?
- ターゲットオーディエンスが重なるスポンサーはいるか?
- KPI:
- イベントの成功をどのように測定するか?
- イベントマーケティングの成功をどのように測定するか?
テンプレートを利用することで、次回のイベントのマーケティング戦略を容易にまとめることができます。
イベントマーケティングを始めましょう
イベントの成功は、優れたイベントマーケティングプランから始まります。プランによってチームは組織化され、リソースを上手に投資することができ、イベントの参加者を増やすことができます。
優れたマーケティングプランの構築は、適切なツールを利用することで容易になります。Adobe Marketo Engageを活用して、潜在的な参加者を惹きつけ、イベント登録を促進するダイナミックな施策を構築しましょう。リードの管理、自動メール施策の実施、一人ひとりの体験のパーソナライズを可能にするAdobe Marketo Engageは、イベントへの取り組み方に変革をもたらします。
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