B2Bコマースの成長にパーソナライズされた商品レコメンデーションを活用

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B2Cと同様に、B2B のビジネスバイヤーもこれまで以上に多くの商品をオンラインで購入しています。実際、B2B eコマースのオンライン収益は、2022年に7兆8800億ドルに達すると予測されています。また、マッキンゼーの調査によると、B2B バイヤーの35%は、リモートまたはオンラインの販売チャネルを通じて、1回の取引で50万ドル以上を費やすことを望んでいることがわかっています。消費者と同様に、B2Bバイヤーもオンライン体験を可能な限りシンプルで便利なものであってほしいと考えています。

実は、B2Bの販売は「ビジネス」であると同時に、営業と顧客の間で長年築かれた関係という、非常にパーソナルなビジネスでもあります。B2Bコマースがオンラインチャネルに移行し、対面の時間が減少するにつれて、デジタル空間でより有意義な関係を築く能力が不可欠になります。

もくじ

  • B2Bバイヤーが期待するのは、消費者と同じような体験
  • 商品レコメンデーションの分類
  • B2Bにおける相違点
  • 商品レコメンデーションの価値を過小評価しない
  • 次のステップ

B2Bバイヤーが期待するのは、消費者と同じような体験

もちろん、B2Bのコンシューマライゼーションは今に始まったものではありません。かつてはビジネスの差別化要因として考えられていましたが、今では絶対的な期待となっています。バイヤーは、自分たちの体験が迅速に、簡単で、常時接続可能で、モバイルファーストの体験であることを望んでいます。また、見積もりや顧客ごとの価格設定などの機能も求めています。そして、営業担当者に簡単に連絡できることを望んでいます。しかし、それだけではありません。データの力を利用した商品レコメンデーションなど、ますますパーソナライズされた体験を推進することも期待されています。

AIを活用した商品レコメンデーション(Adobe SenseiによるProduct Recommendations など)は、B2Bマーチャントがより関連性の高い商品を個々の購買者に提供し、コンバージョン率と平均注文金額を高め、面倒で時間のかかるマーチャンダイジング作業を自動化出来るようになります。これにより、マーチャンダイザーは分析、ユーザー体験、検索管理などのより重要な領域に取り組むことができるようになります。

商品レコメンデーションの分類

IDCは、2026年までに企業がAIを使用して、深くパーソナライズされたジャーニーエンゲージメントを提供する事で、マーケティングとセールスの人的タッチポイントの40%を削減すると予測しています。その間を埋めるのが、ホームページ、検索、カテゴリページ、商品ページ、ショッピングカート、確認ページなどB2B Webサイト全体に存在する商品レコメンデーションです。

B2Bの商品レコメンデーションには4つの分類があります。 1つ目は「行動ベース」で、バイヤーの過去の購買パターンに着目したものです。例えば、以下のようなものがあります。

2番目のカテゴリは「人気ベース」です。例えば、以下のようなものがあります。

3番目のカテゴリは「アイテムベース」で、過去の商品検索に着目したものです。

最後に、4番目のテゴリは「バイヤーごとのパーソナライズベース」です。

B2Bにおける相違点

これらの多くはB2C向けの商品レコメンデーションと非常に似ていると思われるかもしれませんが、B2Bのストアフロントでは、特定の顧客や顧客グループに対する商品の表示や価格設定が行われることが多く、より複雑なロジックが必要になります。

その結果、プラットフォームは、カテゴリごとのアクセス許可、共有カタログ、顧客グループ固有の価格設定を守る必要があります。例えば、小売業の顧客セグメントに対して特定のカテゴリを非表示にした場合、そのセグメントの買い物客には、そのカテゴリの商品レコメンデーションは表示されません。また、特定の顧客グループや企業に対して共有カタログを定義した場合、その顧客にはアクセス可能な商品のみのレコメンデーションが表示されます。全てのレコメンド商品には、各買い物客の顧客グループに基づいた、顧客グループ固有の価格設定が反映されます。

また、レコメンデーションに使用される表現も変更する必要があります。例えば「ユーザーもこれを購入しています」ではなく、「あなたの会社 のユーザーもこれを購入しています」のような表現です。

商品レコメンデーションの価値を過小評価しない

このような違いはあるものの、商品レコメンデーションは、収益の増加と顧客体験の向上の両方を促進することが証明されているため、注力する価値は十分にあります。例えば、Amazonの収益の35%は、商品レコメンデーションによるものです。パーソナライズされた商品レコメンデーションにより、コンバージョン率が320%向上することが知られています。また、消費者の60%は、小売業者との前向きなパーソナライズされたショッピング体験ののち、リピーターになる可能性が高いと述べています。

B2Bマーチャントでは、大規模で多様な商品群を持っている傾向があるため、ある意味、商品レコメンデーションはB2Bバイヤーにとってさらに重要になる可能性があります。全ての顧客が全ての商品の詳細を知ることができるわけではありません。

B2Cの場合、ユーザーに安価な商品をより高価な商品と交換させること(アップセル)を目指し、元の商品に合わせて関連する商品を購入する(クロスセル)ことを副次的な目標としますが、B2Bの場合は焦点が異なります。B2Bの場合、クロスセル、補完的な商品、カート内の商品数を増やすことに重点をおいています。一般的に、B2B企業は、平均カートサイズではなく、注文あたりのユニット数を増やすよう努めています。

次のステップ

商品レコメンデーションは、AmazonやAlibabaのような大企業だけのものではありません。どのようなコマース企業でも、適切な顧客に適切な商品を届けるために利用することができます。これらは、バイヤーのショッピング体験を向上させる強力な方法です。そして、巨大なマーケットプレイスや高価な広告への依存を減らすことができます。

B2B市場での決済は、今後4年間で3倍に増加し、2025年までには8.7兆ドルに達すると予想されているため、今こそ行動を起こすべき時なのです。

アドビの商品レコメンデーションに関するガイドでは、開始するための計画をステップバイステップで簡単に説明しています。今すぐダウンロードしてください。

2022年に顧客体験を牽引するすべてのトレンドについては、当社の完全なレポート「Digital Trends 2022年版:B2B編」をご確認ください。

*本記事は、アドビが2022年4月21日に投稿したブログの抄訳版です。